三番瀬の現状
〜近年は改善傾向にある〜
◆三番瀬は改善に向かっている
三番瀬の環境は、埋め立てが始まる前の1950年当時と比べると悪くなっています。1000ヘクタール以上が埋め立てられたのですから当然です。
しかし、埋め立てが終わった1985年(昭和60年)以降は悪化していません。猫実川河口域についていえば、江戸川流域下水道第二終末処理場の処理水が猫実川下流部に常時放流されていたときは環境が悪くなっていましたが、常時放流先が旧江戸川に変更された1993年以降は改善に向かっています。
◆アサリの豊漁とカキの大繁殖
ここ20年間で三番瀬の環境が悪化していると言う人は、その理由として、「アサリがとれない」「ノリがとれない」「水鳥が減少した」などをあげます。しかし、それは三番瀬そのものが悪くなったためではありません。
三番瀬は、青潮の影響が小さかったり、いや台風後の江戸川出水による汚泥被害などがない場合は、アサリが大発生します。
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「船橋市沖の三番瀬で、十数年ぶりといわれるほどのアサリの豊漁が続いている」(『東京新聞』千葉版、2003年9月19日)
「三番瀬は、江戸時代からアサリなどの好漁場として知られてきたが、ここ十数年は、青潮や台風後の江戸川出水による汚泥被害などで漁獲量が激減。昨年は年間700トン、最もひどかった一昨年は年間330トンにとどまっていた。今年は、半月で昨年1年間の漁獲を超えるほどという。」(『読売新聞』2003年9月22日)
◆環境は改善傾向にある理由
三番瀬は、近年は地形が安定しており、微生物(プランクトン)、ゴカイ、カニ、魚、貝、水鳥などの生き物の量が非常に多く、けっして減ってはいません。近年は三番瀬の環境が改善に向かっている理由を具体的にあげるとこうです。
- 市川航路をつくり、また京葉線建設のために市川塩浜3丁目地先を埋め立てた1985年以降は埋め立てをしていない。そのため地形が安定している。
- 環境省の調査結果(2004年)をみても、東京湾全体の水質(COD、N、P)はよくなっている。
- 水鳥の数は、全国的にみても多い。2004年の環境省調査によると、スズガモは全国1位、ハマシギは全国3位(東京湾では1位)である。これは、現在も水鳥のエサとなる生き物が多いということを示している。
(2005年6月)
三番瀬の埋め立てが終わった1985年(昭和60年)以降は、三番瀬の地形は安定し、環境
も悪化していない。(図は三番瀬再生計画検討会議事務局発行『三番瀬の変遷』より)
★関連ページ
- ようこそ 三番瀬へ(2005/6)
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