10万人署名をめざして

〜三番瀬を守る署名ネットワーク 結成の意義と現状〜

三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 石川敏雄

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 三番瀬保全のために今年(1996年)春から開始した署名運動は6月末、約3万の署名を集めて第1段階を終了しました。ご協力に感謝します。

 さらに署名運動を拡大するため、ネットワークを結成することとしました。別記の方々にはネットワーク参加の呼びかけ人になっていただき、メッセージも頂戴しました。現在、署名は5万を超え、10万をめざす段階にきています。

 署名運動は、もちろん三番瀬保全の要求の意思表示です。署名を集めるという行為によって、まだ三番瀬の危機を知らない人たちに問題点を示し、保全の意義を理解してもらうことができます。現に、今春6月の大潮の日、三番瀬の海岸、船橋海浜公園には1万人以上の人が集まりましたが、その半数は埋め立て計画を知らず、喜んで署名に応じてくれました。

 開発側はできるだけ事を大きくしたくないので、市川、船橋だけの問題のように表現します。しかし三番瀬の埋め立ては、東京湾にかろうじて残存している干潟という自然のもつ機能と、それに支えられている水質浄化や気候緩和などにも関係しています。首都圏全体の大問題です。さらに、北極海とオーストラリアやニュージーランドなどの間を往復するシギ・チドリなどの渡り鳥たちには、国境さえ無意味な、危急存亡の問題なのです。

 署名など効果がない、あるいは逆効果だとの批判があります。しかし、われわれ市民は民主主義の主権者です。署名は普通の市民が行政や議員にわれわれの意志を伝え、それを実現してもらえる政治的手段のひとつです。三番瀬の保全を要求するため、署名を集めることは当然の行為です。

 子供たちだって未来の市民です。将来まで三番瀬を残しておいて欲しいと主張するのは子供の権利です。したがって、子供たちにも、三番瀬保全の要求に署名する権利があります。

 人間にとって自然は必要不可欠のものです。三番瀬は、東京湾で本当に残り少なくなった貴重な干潟なのです。鳥や魚やカィ、カニ、ゴカイ、その他多くの生き物たちにも、三番瀬の自然の中で生活する権利を認めてやるのは、人間の知恵というものでしょう。私は本当は、これらの生き物たちにも署名してもらいたいくらいです。
 署名運動に一層のご協力をお願いします。
(1996年11月)


三番瀬を守る署名ネットワーク通信『みちしお』No.1(1996年11月発行)に掲載



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