★三番瀬を未来に残そう


干潟(三番瀬)の小さな仲間たち

 文・写真:三番瀬を守る署名ネットワーク 川西清子  





 一見、何もないようにみえる干潟の水や砂ですが、そのほんの一滴の中にも、すばらしい豊饒(ほうじょう)の世界が息づいています。
 彼らこそが、干潟の生態系を支える主役なのかもしれません。
 そして、私たち「ヒト」もまた、このような小さな仲間たちによって支えられ、共に生きているのです。

(2000年8月) 








ハリケンソウ (100倍)


海藻(オオシオグサ)に付着しているところ。干潟の海藻には、
しばしば、ケイソウがびっしりとはりついています。周りにはさ
まざまな原生動物たちが群がり、まるで小さな牧場のようです。



フナガタケイソウ (100倍)


潮が引いたあとの干潟で、砂の色が茶褐色になっているのをしばしば見か
けます。このようなミクロの植物が増殖し、活発に働いているしるしです。



S字ケイソウ (400倍)


左右対称の模様が美しく、ブローチにしたいようなケイソウ。泥の上を、しずしず
と這い回って生活しています。ちょうど、静かな湖に浮かぶボートのような動きです。



干潟の泥の中で見つけた美しい造形 (100倍)


これは、浮遊性のケイソウの殻だけが残って、泥の中に埋も
れていたものと思われます。Cosmodiscus という種類です。



ヌサガタケイソウ (100倍)


海藻(オゴノリ)に付着しているところ。分裂しても端がつながりあって、
神社で使う「ぬさ」に似た群体をつくります。これも、よく見かける普通種です。



浮遊性のケイソウ (100倍)


春の干潟には、宝石のようなミクロの植物たちが無数に漂って、
盛んに光合成をおこなっています。水の抵抗を大きくして沈みに
くくするため、それぞれが工夫を凝らした美しい形をしています。



夜光虫 (100倍)


波間に漂い、ちかちかと青白い光を放ちます。透き通った
ビニール風船のような形。単細胞ですが、肉眼でも見える
大きさです。しばしば大量発生し、赤潮を引き起こします。



ケンミジンコの仲間 (100倍)


海の動物性プランクトンの代表格。小さいけれど、エビや
カニと同じ仲間です。植物性プランクトンを食べ、自らは
魚の餌となります。食物連鎖上、重要なプランクトンです。



ゴカイの幼生 (40倍)


ゴカイの赤ちゃんは、体長1ミリたらずです。活発に泳ぎ回りながら、
まるで掃除機のように、水の汚れを吸い取っています。ゴカイは、こ
んな、けしつぶのような頃から、水質浄化に立派に貢献しているのです。



カニの幼生 (40倍)


生まれたばかりのカニの赤ちゃんは、ゾエア幼生と呼ばれ、浮遊生活を
おこなっています。このあと、メガロパ幼生の段階を経て成体となります。




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