21世紀への展望をつぶすのか

〜千葉県企業庁は計画策定懇の強行をやめよ〜

千葉の干潟を守る会  大 浜  清  



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 1900年代をしめくくり、三番瀬の将来を展望したい。
 いま、市民の側から、三番瀬のあり方や、2 0世紀における海洋環境破壊の修復、水環境思想にもとづく下水道のあり方、まちづくりなどについて、さまざまな提言が批判の中から生まれつつある。交通問題についても、新しい視野を開くべきときがきた。湿地保全をめぐる世界の潮流にも目を向けよう。埋め立てやめよう、との決意のもとでこそ、三番瀬を鍵として新しい時代が開かれるだろう。環境破壊を総決算しよう。三番瀬計画を、21世紀に向けて環境の保全と回復へ(「人工干潟造成」ではありませんよ)の信号ラッパにしよう。
 99年最後のニュースはこのように書き進める予定でした。ところがストップ!
 千葉県企業庁は、一部委員の異議申し立てにもかかわらず、12月25日(土)に第4回計画策定懇を強行し、見直し案を押し通す構えと伝えられます。補足調査影響予測はまとめ直し中です。土地利用の必要性・妥当性は不明確とさて、再検討のはずです。人工干潟は添え物で、本体の埋立問題かくしに過ぎません。
 公害問題、都市環境問題については、まだ公式調査すらしていません。市民提案は、埋め立てとパ一トナーシップを組まない限り、聞く耳を持たぬのでしょうか。
 そもそも、埋め立ての推進理由として「猫実川河口域が三番瀬の他の海域環境を悪化させる」とくり返してきたのは、まったく科学的事実に反します。悪影箸をおこしたのは流域下水道の処理水です(1981〜91年)。この泥質海域は、生まれてまもない魚たちの生育場所としてきわめて重要だ、ということが補足調査で指摘されました。アサリさえよければ魚は追放してもよいでしょうか。
 県企業庁は、漁業補償を前提とした「転業準備資金」を、貸付金として金融機関を通じて行徳漁協にまいていたことが、最近、県議会で明るみにでました。基本計画発表よりも10年も前(1982年)のことです。貸付金額は43億円で、これまでの利息が55億円、あわせて100億円がうやむやのうちに県民のツケになっています。
 これは、いわば不良債権です。計画見直しとなって弱った末、少しでも漁業権区域に引っかかる形にしたい、というのが見直し案と人工干潟の本音では? 白紙撤回では困るわけだ。一体全体、何のための埋め立てか、と問いたい。しかも、当事者が策定懇の委員とは! 企業庁も露骨ですね。
 20世紀の臨海開発は利権まみれだった。策定想はキッパリこれと手を切っていただきたい。未来のため、いまこそ、じっくり考えるべきだ。計画策定強行はしてはならない。させてはならない。これが今回の悲痛なる呼びかけです。

(1999年12月)







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