〜三番瀬フェスタ2006 PART2〜
「三番瀬フェスタ2006 PART2」の続報です。
この討論会で目立ったのは、K氏(三番瀬再生会議の公募委員)の高圧的な司会でした。最初に県(三番瀬再生推進室)が「三番瀬再生の経緯と取り組み」を報告したのですから、当然ながら、これにたいする質問や意見は受けつけるべきです。しかし、県にたいする質問はさせないのです。
◆「質問はやめていただきたい」
県は、2004年1月に三番瀬円卓会議が策定(提案)した「三番瀬再生計画案」にもとづいて三番瀬再生計画を策定中、と説明しました。
しかし、策定中の再生計画は、円卓会議の提案内容とはかなり異なっています。提案では「海域をこれ以上狭めない」となっているのに、海をつぶしての護岸工事に着手です。
また、市川市塩浜3丁目地先の猫実川河口域については「貴重な泥干潟を保全するゾーンとし、人が自由に海域に降りられない構造とするべき」となっているのに、この海域に土砂を入れて人工干潟にすることもめざしています。
さらに、提案では「ラムサール条約の登録に向けて早期に関係者の合意を形成していきます」となっていますが、県はなんの働きかけてもしていません。
そこで、Fさんがこんな質問をしました。
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「円卓会議の提案では、ラムサール条約登録に向けて早期に関係者の合意を形成する、となっている。しかし、漁業者が反対しているので登録が進まないとされている。円卓会議の提案から3年間、県は漁業者にたいしてどのような説得をおこなったのか」
「県が市川塩浜で進めている護岸改修工事は、海をつぶして実施されている。これは“海域をこれ以上狭めない”とした円卓会議の提案に抵触するものであるし、また、この工事は、三番瀬の生態系に配慮していないように思うがどうか」
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「ここは、結論を出す場でも、質問をする場でもない。質問はやめていただきたい」
◆「ここは質問に答える場ではない」
Tさんも、こんな質問をしました。
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「三番瀬の市川側海域で人工海浜や人工干潟をつくり、市民がふれあえるようにすべきという話がだされている。しかし、近くの『お台場』に人工干潟がつくられているなかで、なぜ、市川に同じような人工干潟をつくる必要があるのか疑問がある。直立護岸は危ないというが、危険性をとりのぞく方法はほかにもあるのではないか。後背地に少し手を加えるだけでよいと思う」
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「ここは質問に答える場ではない。質問はやめていただきたい」
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このように、県に対する質問や批判はいっさいさせないというのが、運営のやり方でした。
そもそも、討論会のはじめに、県に「三番瀬再生の経緯と取り組み」という報告をさせておきながら、それに対する質問などはいっさいさせないというのはどういうことでしょうか。司会と県の間で事前に協議がされていたと勘ぐられて仕方ないと思われます。
★関連ページ
- 三番瀬の保全・再生をめぐって討論〜三番瀬フェスタ2006 PART2(2006/10/28)
- 三番瀬問題の深層をえぐった本〜永尾俊彦著『公共事業は変われるか』岩波ブックレット(「自然通信ちば」編集部、2007/7)
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