★三番瀬ニュース
埋め立て面積縮小でも影響大
〜 県が環境予測 〜
東京湾に残る干潟と浅瀬「三番瀬」の埋め立て計画について、埋め立て面積を縮小した場合でも、シギ・チドリ類のえさ場はほとんどが消滅してしまうとの環境影響予測を、県がまとめていることが、3月25日にわかった。740ヘクタールの当初計画を縮小することを前提に、60%(465ヘクタール)と40%(300ヘクタール)の2通りのケースを想定。シギ・チドリ類の飛来地は海岸沿いに集中しているため、面積の縮小だけでは影響が回避できないことがわかった。こうした結果を踏まえて、県は今後、埋め立ての必要性を根本的に見直す考えだ。
当初計画通りに740ヘクタールを埋め立てると「三番瀬の自然に対する影響が大きい」との影響調査報告書を県は1月にまとめている。
ただ、当初計画については、すでに県が縮小の方向で見直していることから、さらにいくつかの埋め立て規模の影響も予測する方針を示していた。
今回、想定した二つの縮小ケースの影響は、当初計画の調査データを参考に県が予測したものだ。結果がほぼまとまったため、埋め立ての環境保全策を検討するために県が学識者らでつくった「干潟等生態系検討委員会」に資料を提出し、委員から意見をもらった。
県の資料によると、三番瀬の干潟は埋め立て面積を60%にしたケースでは約3割に、40%のケースでは約半分に減少する。60%のケースでは海洋沿いに位置するシギ・チドリ類のえさ場はほとんど消失するため、「当初計画と同じ程度の影響が出る」と予測している。40%のケースでも、比較的沖合を利用しているチュウシャクシギに限って影響が小さくなるだけだ。
いずれのケースも、市川市側の海岸沿いにあたる小型甲殻類の主な生息場が消失する。これらの底生生物を鳥類や稚魚がえさにしていることから、「食物連鎖に及ぼす影響は大きい」とまとめた。マハゼの産卵場も一部が消失する。
水質浄化機能は60%のケースで2〜3割、40%のケースで1〜2割低下する。また、両ケースとも、埋め立ての対象になる船橋市側の海岸沿いは、市民が自然観察や潮干狩りに利用してしているため、レクリエーション場としての機能も失われるとした。
県はこうしたケーススタディーを踏まえて、今後の見直し作業では「生物の生息と再選の場としての三番瀬の機能維持」を目標にするという。埋め立てで用地確保を予定している処理場や港湾施設などの必要性を検討し、できる限り影響回避をめざす。結果的にどうしても埋め立てが必要なときは、失われる機能を人工干潟などで代償する考えだ。
ケーススタデイーは、同委員会からの意見を反映させたうえで最終的にとりまとめて、埋め立て計画の見直しを学識者らに検討してもらう「計画策定懇談会」に提出する。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月26日付け)
★三番瀬ニュース
「市川市長案」に市民の意見14件
三番瀬の埋め立て問題をめぐり、市川市の千葉光行市長が市民に意見を募っていたのに対して、19日までの1週間で14通の手紙やファクスが届いた。
千葉市長は3月13日付けの市の広報で「海を再生させる埋め立て」との基本姿勢を打ち出し、同時に市民に意見を募った。
市都市整備課によると、「埋め立てによって市民が憩える場所ができる」「漁業の再生につながると思う」といった賛成の意見、「問題とされている猫実川のヘドロも、三番瀬全体の中の一つの役割になっているのでは」「埋め立ては、慎重に判断してほしい」などの反対の意見があるという。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月20日付け)
★三番瀬ニュース
第2湾岸道路の建設計画
「埋め立てこだわらず」
〜 三番瀬で知事が表明 (3月15日)〜
東京湾の三番瀬埋め立て問題で沼田知事は、3月15日の記者会見で、埋め立て地に計画されている第二東京湾岸道路(第二湾岸道)の用地確保の方法について「埋め立て地にこだわる必要はない」との考えを明らかにした。第二湾岸道の用地確保には「埋め立てが必要」としていた方針を転換したことになる。これで、三番瀬埋め立てによる用地として、県がはっきりと必要性を主張するのは、下水道終末処理場用地だけになった。
第二湾岸道は、東京都大田区から市原市を結ぶ全長約50キロ。現在の湾岸道より海側で計画、三番瀬の部分で東京外郭環状道路とのジャンクッションを予定。740ヘクタールを埋め立てる当初計画では、埋め立て地の中央を東西に貫く形でルートを予定していた。
ところが、建設省は3月10日の衆院建設委員会で、三番瀬の埋め立て地とは別のルートも検討していく考えを表明した。沼田知事は、こうした動きを受け、「県として第二湾岸道の必要性は訴えているが、建設省に(埋め立て以外の)良い考えがあれば、埋め立てにこだわる必要はない」と述べた。
今回の判断について、県の担当者は「第二湾岸道を誘致する側の県としては、建設省のためにルートを確保する必要があった。しかし、建設省自身が別ルートを検討してくれると言うなら、県の方から埋め立て地にこだわることはない」と説明した。
一方、建設省東京湾岸道路調査事務所の担当者は、「こちらから第二湾岸道のために埋め立ててほしいと県に要望したことはない。別のルートは検討しているが、地下をトンネルでとおしたり、沖合に迂回させたりさせるのは難しいだろう。いずれにしても、三番瀬の自然環境には十分に配慮したい」と述べた。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月16日付け)
★三番瀬ニュース
市川市が広報紙で
「ヘドロ部分は埋め立てを」と表明
三番瀬(市川市、船橋市)を埋め立てる県の埋め立て計画をめぐり、市川市は3月13日発行の広報紙で、県が進めている計画見直し作業の状況を特集で紹介、ヘドロがたい積した部分の埋め立ては環境改善に有効との考えを示唆、計画に関する要望や意見を市民に求める。
同市では市民からの意見を集約した後、4月中にも同市の要望として、県に申し入れを行うという。
特集で、同市の千葉光行市長は、三番瀬のうち、同市と浦安市境を流れる猫実川河口周辺の環境について、「沖合にかけてはヘドロがたい積、悪臭を放ち、海苔(のり)やアサリの漁場も年々(沖合へ)後退している」と現状を説明。その上で、「人工的に環境を回復せず放置すれば三番瀬の環境を悪くする恐れがある。直立護岸をなくし、海水に触れられる市民憩いの場とし、環境と共生できる範囲での埋め立ては海の再生にも必要だ」と、埋め立て計画に対する考え方を明らかにしている。
特集では、同市が独自に行った海域調査結果として、
@ 浦安市側の埋め立て地の影響で、猫実川河口部はヘドロが多く、航路や埋め立てのため、海底の砂を採った深堀部もヘドロがたい積、有機汚濁度が強い。
A 海底は赤潮プランクトンとアナアオサなどの有機物がたい積しやすくなっている。
B 漁場としては、三番瀬は潜在的に高い生産性を持つが、水産物を育てていく漁場環境としてよい状態ではない。
と説明している。
千葉市長は「猫実川河口のヘドロのたい横面積は、はっきり分からないが、ヘ ドロ部分を埋め立てることも、海の再生につながる」と強調している。
(東京新聞、1999年3月12日付け)
★三番瀬ニュース
第二湾岸道路の用地確保に
「三番瀬埋め立ては必要としない」
〜 建設省が表明 〜
千葉県が計画している東京湾・三番瀬(市川、船橋両市)の埋め立て問題で建設省は3月10日、埋め立て理由の一つとなっている第二東京湾岸道路(第二湾岸)の用地確保はルート変更やトンネルなどでの建設も可能であり、埋め立ては必要としないとの考えを明らかにした。
千葉県は学識経験者による懇談会を設け、計画の見直しを進めている。第二湾岸の用地が必ずしも必要でないことから、下水道終末処理場の用地確保をどうするかが焦点となる。
同日に開かれた衆院建設委員会で石井紘基氏(民主党)の質問に、井上啓一道路局長が述べた。
第2湾岸は東京都大田区から千葉県市原市を結ぶ延長50キロの道路で、東京外郭環状道路の一部。東京湾岸道路の渋滞解消や臨海部の開発に対応するため1976年度から調査が始まった。道路や湾岸道路とのジャンクション用地が当初の埋め立て計画に盛り込まれていた。
これに対し建設省は、@沖合のルートで橋を建設する、Aトンネルで建設する−などの代替方法も可能と見ている。千葉県の見直し計画を受け、費用などを考慮してルートと道路の形態を最終決定する。
(東京新聞、1999年3月11日付け)
★三番瀬ニュース
三番瀬にミヤコドリが30羽飛来
〜 三番瀬に“援軍” 〜
東京湾最大の自然干潟で、千葉県による埋め立てが計画されている三番瀬にこの冬、極東地域に100羽前後しか生息していない渡り鳥のミヤコドリが約30羽飛来したことが、日本各地の湿地や干潟の保護団体でつくる「日本湿地ネットワーク」の調査でわかった。
同ネットワークによると、ミヤコドリは約10年前から三番瀬に飛来し始め、1992年には3羽が確認されただけだったが、97年には14羽と毎年増え続け、昨年12月には32羽が確認された。
現在も10羽ほどおり、千葉県立中央博物館の桑原和之上席研究員(鳥類学〉は「一つの干潟でこれだけの数が見つかるのは異例」と話している。
ミヤコドリはチドリ料の渡り鳥。古典などに出てくる「都鳥」はユリカモメの通称で種が異なる。体長約40センチで、春から夏にかけて東部シベリアなどで繁殖し、10月ごろに三番瀬や福岡市の和白干潟など各地の湿地に飛来する。環境庁の97年度版「シギ・チドリ類渡来湿地目録」によると、極東地域での個体数を約100羽と推定。ヨーロッパなどには亜種が多数生息するため、同庁の絶滅危ぐ種には指定されていない。
WWF(世界自然保護基金)ジャパン・自然保護室の東梅貞義さんは、三番瀬で多数確認されたことについて、「中国や韓国でも工業化のため干潟や湿地の埋め立てが進んでおり、エサが豊富で広い三番瀬に集まってきたのではないか」と分析。
また、同ネットワークは、「渡り鳥の飛来地としての三番瀬の重要性が再確認された」と話している。
千葉県の埋め立て計画は、下水道終末処理場や第2湾岸道路建設用地として三番瀬約740ヘクタールを埋め立てるもので、県の予測では、これによって鳥類のエサ場や休憩所のほとんどが失われる。同県は計画縮小の方針だが、自然保護団体には完全保全を求める声も高まっている。
(毎日新聞、1999年3月10日付け夕刊)
★三番瀬ニュース
超党派国会議員が三番瀬を視察
公共事業の見直しを訴える国会議員からなる「公共事業チェックを実現する議員の会」(武村正義会長、52人)が3月8日、埋め立てが計画されている東京湾の干潟と浅瀬「三番瀬」を視察した。
国会議員が超党派で三番瀬を訪れるのは初めて。議員の会は、諫早湾干潟(長崎県)や藤前干潟(愛知県)の問題に取り組んできており、今後は三番瀬の埋め立て問題についても国政の場で議論を活発化させる考えだ。
視察したのは、民主、公明、自由、共産、社民の5党の8人。
はじめに船橋市内の県企業庁の事務所前から船に乗り込み、三番瀬を海上から見学した。 続いて県側の要望で、市川市内の猫実川河口付近を歩いて視察した。
さらに、一行は船橋海浜公園を訪れ、市民団体「千葉の干潟を守る会」の大浜清代表や地元の漁師たちから埋め立て計画の問題点を闇いた。
議員の会は、非政府組織(NGO)や研究者らでつくる「21世紀環境委員会」が選んだ「緊急に中止・廃止すべき無駄な公共事業」の100件のリストをもとに、全国各地で問題になっている公共事業の現場を視察している。このリストで、三番瀬の埋め立て計画は「ワースト7位」にランクされている。
視察した後、事務局長の佐藤謙一郎代議士(民主)は「埋め立て計画のなかで本当に必要なものでも、真剣に代替地を探せば見つかるはず。県の財政赤字から見ても巨費を投じる計画は問題だろう。今後は国会の場でも審議していきたい」と話した。
保坂展人代議士(社民)は「広大な干潟に立つと、奇跡的に残った場所なんだと実感できる。こうした自然環境をさらに拡大していくことが必要であり、埋め立てるというのは論外だ」と語った。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月9日付け)
★三番瀬ニュース
埋め立ての是非めぐり平行線
〜県主催のシンポジウムに600人参加〜
東京湾に残る干潟と浅瀬「三番瀬」の埋め立てを計画している県は3月6日、市民団体、漁協、研究者を交えた公開のシンポジウムを市川市塩浜市民体育館で開いた。
それぞれの立場から活発な意見が出たが、埋め立ての是非をめぐる議論は平行線をたどった。県側は大幅な見直しを検討しているものの、埋め立ての必要性を主張している。シンポで出た意見も今後の見直し作業に反映させるとしているが、議論が多岐にわたったことから、見直し案策定は難航も予想される。開発計画について、県が市民団体を加えたシンポを主催したのは極めて異例のことだ。
会場には約600人がつめかけた。三番瀬の埋め立て計画をめぐっては、県が2月上旬に見直し案の「たたき台」をまとめた。企業・住宅用地の大幅縮小やごみ処分場の全面見直しを示したが、下水処理場と第二湾岸道路の用地については「必要だ」とした。こうした点を前提に、はじめに3人が講演した。
県の補足調査専門委員会の望月賢二委員長は約3年間かけて調査した三番瀬の現況と、740ヘクタールを埋め立てた場合の影響予測について説明した。
埋め立てを担当する県企業庁臨海建設課の佐藤健課長は、周辺地域が抱える都市問題をあげて、改めて埋め立ての必要性を強調した。大阪産業大学の今野修平教授は、開発と自然のバランスから「港湾施設と第二湾岸道路だけ造って、あとは干潟を保全した方がいい」と語った。 .
続くパネルディスカッションには、3人の講演者に7人が加わった。
市民団体の意見は、計画の根本的な見直しだ。「行徳の自然に徳の自然に親しむ会」の町田恵美子さんは、県が「必要」としている下水処理場用地に触れ、すでに都市計画決定している場所の地権者を説得して、そちらに移し、「三番瀬を埋めて造るべきではない」と述べた。
「三番瀬フォーラム」の小埜尾精一さんは「県は埋め立ての必然性を示せなかった。埋め立て計画は破たんしたということだ」。
さらに「日本野鳥の会県支部」の田中利彦さんは、「県は埋め立ての代償として人工干潟を検討しているが、環境への影響を回避、低減することを第一に考えるべきだ」と話した。
これに対して、佐藤課長は「(先月の)計画策定懇談会に示した見直し案は説明が不十分だった」と認めたうえで、今月下旬に予定されている次回の懇談会に「十分に説明したい」と答えた。さらに「環境への影響をできるだけ回避、低減するよう考えている。人工干潟を技術的に検討するのは大事だ」と述べた。
第一勧銀総合研究所の石澤卓志さんは、研究者の立場から、「立地性や利便性から住宅用地のニーズが低いわけではない。事業の必要性だけを突き詰めるのではなく、環境の付加価値を高めるような工夫をすべきだ」と語った。
地元漁協のうち、市川市行徳漁協専務理事の落合一郎さんは「(市川側は)垂直護岸で市民が干潟に触れることができない」と述べた。船橋市漁協代表理事組合長の滝口嘉一さんは「三番瀬のアサリは冬になると急減する」と言ったが、それぞれ、計画の是非について明確な発言はなかった。
パネルディスカッションの後、会場の傍聴者から集められた質問や意見が読み上げられた。埋め立て反対や推進、それぞれの立場から埋め立て問題に切り込む声が聞かれたほか、こうした催しを「今後も開催してほしい」という意見が相次いだ。
埋め立てに反対する立場の人からは、「下水道計画を抜本的に見直すことで、下水終末処理場は不必要になるのでは」という質問や意見が出された。埋め立てを進めて、その先に新たな漁場を求めることを主張する漁業者は「(埋め立てても)新しい人工干潟を造ることによって自然の再生が図れるのではないか」と述べた。
また「県はこれで終わりにしないで、引き続き広く意見を聞く機会を設けてほしい」「湾岸にある都市が集まって国際的なシンポジウムを開き、共通の問題としたら」「三番瀬に限らず、東京湾全体や陸地の自然を含めて一体的に議論するべきだ」といった意見も出た。
県の佐藤課長は「インターネットの県のホームべージに意見を書き込んでもらえるようにする。シンポなどを今後も開くかどうかは持ち帰って検討したい」と話した。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月7日付け)
★三番瀬ニュース
県が、「懇談会」議事要旨を大幅遅れで公開
〜「約束違反」と避難の声〜
東京湾の干潟と浅瀬「三番瀬」埋め立て問題で、県は3月5日、埋め立て計画を見直すために学識者らに委託して2月に開いた「計画策定懇談会」(座長・黒川洸東京工大大学院教授)の議事内容の要旨を公開した。
当初の予定より大幅に遅れ、委員の一部や市民団体から「約束違反だ」などと非難の声があがっている。
懇談会をめぐっては、委員の間や自然保護団体から公開で行うべきだとする意見や要望が出ていた。しかし委員に判断を任された黒川座長と県が協議し、「公開は自由な懇談の障害になるおそれがある」という理由で非公開にすることを決めた。そのかわり懇談の内容は議事要旨として、開催後1週間から10日以内に公開することにした。
だが、今回の公開には開催後約1カ月かかった。遅れた理由について県企業庁臨海建設課の担当者は、「内容について県庁内や委員との調整に手間取った」と話す。また、「1週間から10日というのはあくまでも努力目標。非公開に対応する条件とは考えていない」としている。
懇談の公開を求める委貝の一人、日本自然保護協会の開発法子研究部長は、「要旨を1週間で公開するというから懇談自体の非公開に同意した。何度も県に約束違反だと指摘したのに」と遅れを批判。
懇談会の公開を求めてきた市民団体「千葉の干潟を守る会」の代表、大浜清さんは「調整したものを公開されても意味がない。何の調整にそんなに時間がかかったのか、その方が興味がある」と話した。
(朝日新聞・千葉版、1999年3月6日付け)
★三番瀬ニュース
多彩な内容で
「三番瀬」守ろうコンサート
「世界に誇れる日本の干潟だ、みんなで守りましょう」−−。
千葉県内の音楽家や市民団体による「“三番瀬”春を呼ぶコンサート」が2月27日、船橋市勤労市民センターホールで開かれ、三番瀬を埋め立てから守ろうと歌声を響かせました。
コンサートは、ダンス「怒る海」や、フルートやチェ口の輝き旨、ジャズ、ルネッサンスダンスなど、多彩な内容でおこなわれました。
劇団現代座は、「踊れ、ムツゴロウ」と題した軽快なコントで、日本各地の干潟の埋め立て反対を呼びかけました。
三番瀬を守る署名ネットワーク、千葉の干潟を守る会代表の大浜清さんが、三番瀬の埋め立て撤回を求める署名や県知事、環境庁に手紙を送る運動への協力を訴えました。「現在、寄せられたこ署名は15万、習志野市長も県知事に計画の見直しを申し入れました。もう一押しです。東京湾に残る干潟はわずかです。破壊を重ねてきた20世紀に別れをつげ、自然や命を守る21世紀をつくりましょう」と呼びかけました。
千葉合唱団による唱歌メドレーのあと、全参加者で「三番瀬の発見」を合唱しました。
(しんぶん赤旗、1999年3月1日付け)
★三番瀬ニュース
沼田知事が
「人工干潟でも自然として機能する」と答弁
〜 2月県議会 〜
県議会は2月25日、引き続いて代表質問が行われた。
市川、船橋市沖の東京湾「三番瀬」埋め立て計画で、沼田武知事は、「人工干潟でも自然として機能する」と述べるとともに、第二湾岸道路建設が県にとって重要であることを強調。「浦安地区を通る部分はトンネルか半地下方式が望ましい」との考えを示した。
前田堅一郎議員(共産)の「環境保全に十分配慮するならば、埋め立てを中止するべきではないか。人工干潟で環境が守れるのか」との質問に、沼田知事は「大事な干潟であることは(補足調査で)科学的にも示された。埋め立て縮小でも影響がまったくないことは難しいが、環境に配慮した計画はできる」と答弁した。
人工干潟について「船橋海浜公園前の40ヘクタールは県が造成した人工海浜・干潟だが、三番瀬の中心部分となっている」と、人工干潟でも自然が機能しているとの認識を示した。
埋め立て計画のうち、第二湾岸道路は「県民にとって大事な道路」とし、現行計画で55ヘクタールを見込む下水道終末処理場については「(人口の伸びなどの)情勢が変わっていることも事実。大きく土地を取らず極力縮めて見直しをしたい」と述べた。
さらに「ラムサール条約登録地の谷津干潟にも影響が出ない努力をする」とし、補足調査やこれまでの計画策定などで約37億円を要したことを明らかにした。
(千葉日報、1999年2月26日付け)
★三番瀬ニュース
ふるさとの海、埋め立て反対
〜椎名誠さんが講演〜
三番瀬の埋め立て問題について、作家の椎名誠さんの講演会(三番瀬を守る会主催)が2月20日夜、船橋市民文化ホールであった。
千葉市幕張で少年時代を過ごした椎名さんは、「あのころの幕張の海には干潟が広がり、カニやハマグリなど、おびただしい数の命があった。だけど、いまは埋め立てで高層ビルに一変してしまった。心からふるさとが消えたような感じだ」としたうえで、「当時は闘うための知恵がなかった。だから三番瀬の問題には黙っていられない。埋め立てを許すかどうかは、日本のインテリジェンスの問題ですよ」と話した。
★三番瀬ニュース
全国の干潟と連携を
環境庁課長も保全発言
〜千葉の干潟を守る会などが「干潟シンポジウム」〜
東京湾に残る干潟と浅瀬「三番瀬」の埋め立て問題をめぐり、「千葉の干潟を守る会」など県内の市民団体が2月20日、全国各地から干潟保護団体のメンバーらを招いて、「諫早、藤前、三番瀬、いま干潟を守るシンポジウム」を船橋市の勤労市民センターで開いた。三番瀬の埋め立て中止を求めて、全国の市民団体が蓮携していくことを確認した。会場を訪れた環境庁自然保護局の小林光計画課長は、改めて三番瀬の保全を強調した。
シンポには約300人が参加した。「諫早干潟緊急救済本部」(長崎県)の山下弘文代表、「藤前干潟を守る会」(愛知県)の辻淳夫代表、「博多湾市民の会」(福岡県)の堀良一事務局長らが講演したあと、パネルディスカッションがあった。
山下代表は「水門が閉め切られた諫早湾は、農水省の環境アセスメントの予測に反して、水質の悪化や生物の減少を招いた」と諫早の現状を報告。「三番瀬は一坪たりとも埋めてはいけない。埋め立て計画をただちに中止し、諫早湾の水門を開かせるきっかけにしたい」と話した。
辻代表は、「干潟の価値は明らかで、人工干潟では復元できない。科学的な調査をやった三番瀬も、きっといい方向に行くはずだ」と語った。
環境庁の小林課長は、主催者側の求めに応じて「諫早湾での影響を重大に受け止めながら、三番瀬の問題は東京湾全体の視点から考えていく」と発言した。
シンポ終了後、小林課長は、「三番瀬の埋め立ても東京湾全体に影響を与えるだろう。東京湾にわずかに残った浅海域だから、(三番瀬は)半分残ればいいという話ではない」などと話した。
(朝日新聞・千葉版、1999年2月21日付け)
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