101ヘクタールならいいのか?
〜県の見直し案は容認できない〜
三番瀬を守る署名ネットワーク 牛野くみ子
●埋め立ての必要性が不明
県は埋め立て計画を当初の7分の1にしたというが、私は容認しない。
101ヘクタールになったからとて、そこに必要性を見いだすことはできない。
例えば流域下水道。汚水処理量と人口予測の精度を高めたことにより、55ヘクタールを20ヘクタールにしたというが、なぜ、三番瀬にもってこなければならないのか。
水循環のうえからも、上流域、中流域に処理場を造るとか、処理方法など、考えられる余地は十分にある。既存の施設も、あと10年はもつといわれている。
第二湾岸道路は、交通渋滞の解消といわれている。渋滞解消は道路新設しかないのか。交通渋滞の一つにディズニーランドをあげているが、なぜ、車の乗り入れを制限しないのか。公共の交通を考えたらいい。(パーク アンド ライド)
* パーク アンド ライド……駅まで車で行き、そこからバスや電車に乗る方式。
とくに日本の遠距離通勤者が最寄りの駅に自分の
車を駐車させ、そこから鉄道などで出勤するシス
テム。
私は水と緑は同義語だと考えている。水のないところには緑はない。緑のないところには水はない。そのように考えると、現在、水のあるところを、金をムダにつかって22ヘクタールの公園を造る必要はない。ましてや、干潟をつぶして。干潟はすでに公園緑地である。人工干潟(海浜)は、いままで成功している例はない。たとえば、千葉県が造った人工海浜「幕張の浜」は、波や風による浸食で砂の流出がやまず、毎年、数千万円をかけて大量の砂が補給されつづけている。60ヘクタールもの大面積を実験してはいけない。
●県や地元・船橋市の職員も大多数が「埋め立て反対」
そして、千葉県の財政は1兆8000億円ものばく大な借金をかかえている。
今年度は390億円がどうしても手当できないということで、県はこのたび、県職員の定期昇給ストップを提案した。このようなことでやる気が出るだろうか。やる気をなくす職員に責任ある仕事はまかせられない。それは私たち県民にも返ってくる。県民全体の問題でもある。
朝日新聞が昨年7月におこなったアンケートでは、7割以上の人が三番瀬埋め立て計画は「見直し・中止」と出た。また、県や船橋市の職員労働組合のアンケートでも、7割以上が「大規模開発をやめよ」と回答している。必要性のないところには一銭だって遣えない状況にある。
●埋め立てをやめて、ラムサール登録地に
この5月、コスタリカで行われたラムサール条約締約国会議で「干潟の保全決議」が採択された。6年後には登録地を倍にすることも決まっている。日本は加盟国として決議や勧告を守る義務がある。
6億円を投じてまとめた補足調査は、高く評価されている。千葉県もいいことをやった。このうえは、三番瀬をラムサール登録地にして、さらに千葉県の名を高めたらどうか。
(1999年6月)
ハマシギ
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