県内の自然保護4団体が
清水環境庁長官に面会し、
三番瀬保全を要望
〜三番瀬を守る署名ネットワーク、三番瀬守る会など〜
「三番瀬を守る署名ネットワーク」(署名ネット)と「千葉の干潟を守る会」、「三番瀬を守る会」、「市川緑の市民フォーラム」の県内4団体は(1999年)11月26日、清水嘉与子環境庁長官に面会し、三番瀬の保全を求める意見書や要望書を手渡しました。
「署名ネット」と「千葉の干潟を守る会」は、千葉県に埋め立て計画の速断を行わせないよう適切な処置を要望すると同時に、三番瀬を契機として自然回復と都市・国土計画の再検討をすることなどを求めました。
「三番瀬を守る会」は、埋め立て計画ばかりを先行させようとしている千葉県に対して、環境影響調査結果を尊重して時間をかけて検討するよう指導することなどを要望しました。
「市川緑の市民フォーラム」は、千葉光行・市川市長が清水環境庁長官あてに11月15日に提出した三番瀬埋め立てへの理解と協力を求める要望書について意見を述べました。意見書では、市川市長が強く実現を要望している人工干潟の造成などについて、「三番瀬の価値と保全の意義を本当の意味で理解していない愚かな行為」であるとし、「すでに東京湾の9割が埋め立てられている状況で、まず可能な限り埋め立てない基本方針が重要」などと述べています。
4団体の要望書(意見書)の内容は次のとおりです。
「署名ネット」と「千葉の干潟を守る会」の意見書 |
1999年11月26日
環境庁長官 清水嘉与子 様
三番瀬を守る署名ネットワーク、千葉の干潟を守る会
代 表 大浜 清
東京湾三番瀬の保全に関する意見
三番瀬についてはご就任早々深く関心をお寄せ下さりありがとうございます。
三番瀬は盤洲干潟(小櫃川河口)とともに東京湾におけるもっとも重要な浅海域であり、私たちは91年以来最も緊急にラムサール条約を適用して保護保全すべき干潟海域として国に要望し、市民意識を高める運動をしてきました。この海域における千葉県の埋立計画に対し、その保全を求める運動は1967年(昭和42年)に溯(さかのぼ)り、「市川二期地区・京葉港二期地区計画」(通称三番瀬計画)の撤回を求める署名は1996年以来今日までに約22万に達しています。
本年6月千葉県は三番瀬計画の見直し案を発表し、その策定が迫っています。しかし、101ヘクタール埋立てと人工干潟造成計画がよいかどうか、土地利用計画は正当か、都市環境・公害問題はどのように検討されたか、海の利用のあり方と地域計画の将来展望はいかにあるべきか、はまだ議論のいとぐちについたばかりと言うべきです。私たち市民もこれらの問題について議論を深めつつあります。決定を急いではとり返しがつきません。
埋立ては非可逆的な行為です。三番瀬の恵みを享受し利用する子孫のために、その使い方の可能性を最大限残しておかなければなりません。と同時に、過去におかした臨海開発の傷跡をどのように修復してゆくかは目の前の大きな課題です。
これらは緊急である一方、自然のサイクルに従う長期の展望をもつ必要があります。
ゆえに、私たちは三番瀬の完全な保全を第一歩として、東京湾の自然破壊の進行を食い止め、そのよみがえりを課題としなければならない、それが20世紀に生きた私たちの21世紀への責任であると信じています。
環境庁としてこの考え方をご理解下さり、千葉県の計画速断を行わせないよう適切な処置をお願いします。また今後、三番瀬を契機として自然回復と都市・国土計画の再検討がなされることをお願いします。
「三番瀬を守る会」の要望書 |
1999年11月26日
環境庁長官 清水嘉与子 様
三番瀬を守る会
代表 田久保晴孝
要 望 書
このたびは環境庁長官に就任されました直後、早速、三番瀬の現地視察をしていただきましたことに心より感謝いたします。
長官が三番瀬を視察し、三番瀬埋め立て計画や人工干潟は必要最小限にしてほしいという環境庁の考えを引き続き堅持し、県に対して指導をしてくださったことに心より敬意を表します。
千葉県は12月下旬にも、さらなる見直し案を提案する第4回計画策定糠藤会の開催を予定しています。
千葉県は三番瀬の干潟をつぶして人工海浜、人工干潟の造成や第二湾岸道路建設計画は国民を納得させるものになっていません。
埋め立て計画のみが先行している千葉県の計画はまず白紙撤回し、改めて環境への影響調査の貴重な結果を尊重し時間をかけて検討するよう、千葉県に対してご指導くださるように要望いたします。
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