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センチュウをとりまく生き物たち
〜干潟と生物多様性〜
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
三番瀬の干潟の表面の泥を持ってきて、顕微鏡や双眼実体顕微鏡で観察すると、たくさんのセンチュウ〈注1〉、ベンモウチュウ〈注2〉、ケイソウ〈注3〉などの生き物がみられます。 センチュウは線形動物ともよばれ、土壌中のみならず海洋中にも広く分布し、干潟や浅海域の表面にある有機物を食べています。そして、センチュウは魚(ハゼ、ボラなど)、カニ(ケフサインガニ、コメツキガニなど)、ユビナガホンヤドカリ、ゴカイ、シギ(ハマシギ、トウネンなど)の餌になっています。 干潟や浅瀬の表面には、カニやゴカイの他に顕微鏡で観察しなければみえないセンチュウのような微生物(メイオベントス)が多量に生息しています。 ベントスやメイオベントスを鳥、魚、貝、ゴカイ、カニなどが日々食べて自分のエネルギーや細胞に変えています。 いろいろな生き物が食べても減らないほど、たくさんの個体数が生息しています。そして、たえず増え続けています。 温度変化、乾燥、紫外線など生き物にとってはマイナスの環境条件があるにもかかわらず、干潟で多種多量の生き物が生息できるのは、酸素、水、栄養塩、有機物、太陽光があるためです。干潟は、地球上で最も生物生産量に富み、生物多様性に富むところです。 このような干潟や浅瀬は、開発が進むアジアや東南アジアでは、いまも埋め立てや干拓で失われています。 ぜひとも、生物多様性に富む干潟や浅瀬は、干拓や埋め立てをやめさせて保全し、干拓地や埋め立て地の未利用地は元の干潟や浅瀬に戻すように運動していきましょう。 生物豊かな浅海域を埋め立て、人工干潟をつくることは、生物多様性、ラムサール条約の精神に反する行いです。 諫早干潟の水門をあけ、泡瀬干潟埋め立て工事をストップさせ、干潟をとりもどしましょう。また上関(かみのせき)原発をやめさせましょう。 (2010年8月)
![]() 干潟の泥の表面をよくみると、ケイソウ(珪藻)などの微細藻類がびっしり繁殖 している(茶色のものがそうである)。干潟の物質生産の重要な部分を担って いるのは、この泥の表層の微細藻類である。潮が引くと泥の中のゴカイやカニ が出てきて、こららの微細藻類を食べる。ふなばし三番瀬海浜公園前にて。 ★関連ページ
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