住民参加シンポジウムで学んだ手法は

 現場で活かそう!

牛野くみ子



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 いささか旧聞に属すのですが、昨年(2002年)11月、三番瀬専門家会議の終了後に、「今なぜ住民参加なの?〜千葉主権の確立を目指して」というシンポジウムが開かれました。
 私は“今ごろなぜシンポジウムなの? 円卓会議が発足する前にやって欲しかった”という気持ちが先に立ちましたが、参加しました。
 このシンポジウムは円卓会議会長の岡島成行さんが企画したものです。堂本知事も出席しました。

 趣旨は、県民自らが声をあげ、政策を検討・提案する政策提言型の民主主義「千葉モデル」として、住民参加における行政、市民、専門家の役割を三番瀬円卓会議を例に考えるというものです。
 講演者はアメリカからおいでになったファシリテーター(会議で合意形成をうるために参加者の意見を引き出したり、整理して新しいアイデアを出るよう支援する人)のミリア・ハンソンさんと東京工業大学教授、原科幸彦さん(環境アセスメントの権威)、そして東京電機大学教授、若松征男さん(コンセンサス会議の参加方式についての研究者)です。パネルディスカッションでは、大槻幸一郎副知事も参加されました。

 話し合われた内容をまとめてみますと
  • 会議は時間をかけて行う
  • ファシリテーターをおく
  • 事務局は県でなく外部に委託する
  • 専門家は、専門的議論だけでなく一般市民に分からせるように
  • 正しい情熱の提供
 などでした。

 現在、円卓会議、小委員会などをあわせると、会議は毎週のように開かれています。原科先生は「会議と会議の間は最低でも2週間はあける」と言われましたが、それが守られていません。
 会議と会議の間が十分にとられていないといい意見が出ないということです。実際、委員は議事録を読むことに追いまくられています。ミリアさんも、「アメリカでも、時間がかかるという問題を深く考える場が必要」と述べていました。

 三番瀬の会議にはファシリテーターはいません。上手に議論のうえに議論が重ねられるよう支援する人が必要でしょう。ファシリテーターは独立性が求められています。人材を得るのはなかなかむずかしいようですが。
 また、事務局を県が行っていると、行政のいいなりに進められてしまいます。第三者に任せることが不可欠です。

 さらに、情報は市民にうまく伝わっているでしょうか。県は何かというと「ウェブ(ホームページ)を見てください」と言いますが、県民の何人がインターネットを見ているのでしょうか。「県民だより」(広報紙)のスペースがないというなら三番瀬特集号を組んでもらいたいものです。

 最後に、知事は「こういう勉強の機会がもててすばらしい。三番瀬はみんなで決めたんだと後世に言える。千葉から発信していきたい」と結びました。
 知事の言われるように、本当にすばらしい内容のシンポジウムでした。が、知識として持っているだけでは宝の持ち腐れです。学んだ手法は現場で活かして欲しいものです。

(2003年2月)   






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