〜第6回三番瀬「海域小委員会」〜
(2002年)9月17日、三番瀬円卓会議の小委員会「海域小委員会」の第6回会合が船橋市内で開かれました。
議題は、次のとおりです。
(1)青潮対策について会議では、アオサ対策などを国に予算要望したことを事務局(県)が報告しましたが、この報告をめぐって紛糾し、コーディネータの小埜尾精一委員(三番瀬フォーラム顧問、三番瀬研究会代表)が突如、辞職を言明して退場しました。
・青潮対策としての公募意見のまとめについて
・青潮対策の具体的検討について
(2)今後の検討事項について
以下は、そのやりとり(一部)です。
◇事務局(県)
「7月19、20日に開かれた第5回円卓会議で、緊急に対応すべき事項として、護岸対策、青潮対策、アオサ対策など9項目が示され、国の来年度予算の概算要求に向けて要望するよう県に要請があった。この円卓会議から要請を受け、アオサ対策について、県(水産局)から国の水産庁に対し来年度調査として要望し、検討が開始された。調査の内容は、アオサ調査、アサリ調査、藻場造成調査の3つである」
◇志村英雄委員(日本野鳥の会千葉県支部)
「アオサ対策は、この海域小委員会で議論されていない。議論なしに国に予算要望したのは納得できない」
〈この後、コーディネーターの小埜尾精一氏が会議を急きょ休憩にし、別室で小埜尾氏と事務局との話し合いがおこなわれました。休憩後のやりとりは次のとおりです〉
◇小埜尾精一委員(コーディネーター、三番瀬フォーラム顧問)
「事務局に経過を聞いたところ、第5回円卓会議で緊急に対応すべき事項としてアオサ対策が決まったとのことである(注)。しかし、その円卓会議の後、海域小委員会が2回開かれたが、アオサ対策はいちども議論されていない。事務局との信頼関係がなくなったので、コーディネーターと委員を辞職したい」
(注)小埜尾精一氏と志村英雄氏は第5回円卓会議を欠席。
◇事務局
「7月中に国に要望しないと間に合わなかったので、7月24日に予算要望した。その後の2回の海域小委員会で報告しなかったことは申し訳なく思っている。今後は十分に注意したい」
◇望月賢二氏(アドバイザー、県立中央博物館副館長)
「調査内容には、アオサ調査のほかにアサリ調査と藻場造成調査も含まれている。しかし、この2つについては、円卓会議は要望していない」
◇事務局
「人工干潟の造成は意見の対立がある。それで、試みとして藻場の造成調査を予算要望した」
◇望月賢二氏
「それは事務局の独断である。予算要望する前にコーディネーターなどとすり合わせをすべきだ。アサリ調査と藻場造成調査は無視するということでよいか」
◇事務局
「そのとおりでよい」
◇望月賢二氏
「今後はコーディネーターなどと相談して進めてもらいたい。小埜尾氏はどうか」
◇小埜尾精一氏
「私は辞職を決意したので、退席したい」
〈小埜尾氏が席をたって退場〉
◇志村英雄氏
「来年度予算の概算要望を急いでいたというのはわかる。が、なぜ、その後の海域小委員会に報告しなかったのか。“今後注意したい”では納得できない」
◇花輪伸一委員(WWFJ、吉田正人委員の代理)
「コーディネーターの小埜尾氏が退場したのは、事務局とコーディネーターの間に対立があったのか、それとも、事務局の手続きのまずさに小埜尾氏が腹をたてたのか、よくわからない。何が問題なのかがこの委員会で共有されていない」
◇佐々木克之氏(オブザーバー、独立行政法人水産総合研究センター)
「“これから注意する”で済ますのはまずい。今後、円卓会議の岡島成行会長をまじえて、何が問題か、今後どうするかを検討すべきだ」
◇相川貴央委員(漁業関係者)
「小埜尾氏はみんなのことを考えて退席した」
◇大野一敏委員(ベイプランアソシエイターズ理事長)
「こうしたトラブルを裁くのがコーディネーターの役割だ。サジをなげて退席するのは大人げない。そもそも、アオサ対策は円卓会議から要求されたものだ」
◇三橋福雄氏(傍聴者、「護岸・陸域小委員会」委員)
「コーディネーターは、事務局との信頼関係も必要だが、委員や傍聴者との信頼関係も必要だ。頭にくるのはわかるが、だからといって、退席するのは無責任だ」
◇望月賢二氏
「どういう調査をどのように進めるかということについて、今後、小委員会できちんと議論したい。また、今後の対応として、二度とこういう問題をおこさないようにしたい」
★関連ページ
- 「再生の目標」5項目などを決定〜第5回 三番瀬円卓会議(2002/7/19、20)
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