第1回「三番瀬再生会議」準備会が開かれる

〜条例未制定と円卓会議後継組織立ち上げの遅れに批判〜




トップページにもどります
「ニュース」にもどります
「三番瀬再生事業」にもどります


 (2004年)8月31日、「三番瀬再生計画検討会議」(通称・円卓会議)の後継組織となる「三番瀬再生会議」の第1回準備会が浦安市内で開かれました。出席したのは、元円卓会議委員ら11人(2人は交代メンバー)と、行政関係者、傍聴者など約60人です。
 おおまかな概要は次のとおりです。


●県提案の概要

1.準備会の目的
 (1)「三番瀬再生会議」の設置要綱やあり方などについて意見を述べる。
 (2)「三番瀬再生計画」の策定状況を点検する。
 (3)実施事業などの報告を受ける。

2.「三番瀬再生会議」の目的・構成など(県の提案)
 (1)目的
   知事の諮問機関として、県が策定する再生計画や、それにもとづいて実施
  する再生事業に対する意見を述べるとともに、三番瀬の再生を見届けること
  を目的とする。

 (2)構成
  ・学識経験者     9名程度
  ・地元住民      3 〃 
  ・漁業関係者     3 〃 
  ・環境保護団体    3 〃 
  ・公募の県民     3 〃 
  ・地元経済・産業界  1 〃 
  ・プラスアルファー  2 〃 

 (3)役割
  1)県が策定する三番瀬再生計画について、知事の諮問に応じ答申を行う。
  2)三番瀬の再生、保全及び利用に係る重要事項について、知事の事前説明に
   対し意見を述べる。
  3)実施事業等の報告を受ける。
  4)必要があると認めるときは、三番瀬等の再生・保全・利用に関して知事に
   意見を述べることができる。

3.先発事業
 (1)事業実施の趣旨
   三番瀬再生計画案の中で、早期に着手すべきとしてあげられている事業を
  先行的に実施する。
 (2)先発事業と「再生会議」との関係
   「三番瀬再生会議」の設置以後に、先発事業の検討をスタートさせること
  は、今後の事業進捗に影響がでることが予想されることから、「三番瀬再生
  会議準備会」に報告し、検討作業に着手したい。
 (3)先発事業の内容
   1)市川市塩浜護岸の改修
   ・市川市塩浜2丁目から3丁目にかけた延長1700mの護岸改修を実施する。 
   ・今年度(平成16年度)から国庫補助事業の海岸高潮対策事業で進める。
   ・今年度は、「市川海岸塩浜地区護岸改修検討委員会(仮称)」を設置し、
    円卓会議から提案されたイメージ図をもとに護岸設計を行う。 
   ・今年度の事業スケジュールは次のとおり。
     9月 「市川海岸塩浜地区護岸改修検討委員会(仮称)」設置 
     10月 地形・縦横断測量、土質調査着手 
     3月 護岸設計完了(予定) 
  2) 市川漁港の整備
   ・市川漁港の移転を進める。検討場所は、三番瀬市川側海域の市川航路寄り。
   ・県、市、漁業者からなる連絡協議会において検討を進め、漁港計画を具体
    化する。
  3) 環境学習及び利用・管理に関する検討会議の設置 
   ・環境学習や指導者等を育成する環境保全の拠点となる施設の設置にあたっ
    て、施設のあり方、内容、人材育成のシステムづくり等について検討を行
    うため、学識経験者、県民、行政等による検討組織を設置する。 
   ・9月に検討委員会の候補者を決定し、10月に第1回検討委員会を開催する。
  4) 自然環境のデータベース構築、継続的な観測・記録調査などこれまで蓄積さ
   れた底質や生物の分布など三番瀬の自然環境のデータベース化、鳥類及び海生
   生物等を対象とした県及び県民主体の継続的な観測・記録調査(モニタリング)
   など、三番瀬の自然環境の再生を支える科学的な情報の集積を推進する。 
  5) 三番瀬漁場再生調査 
    漁場再生にむけて、アオサ調査、アサリ調査、藻場造成調査を実施する。


●議論の要旨

 会合では、いまだに「三番瀬保全再生条例」の制定がなされていないことについて、不満や批判の声が強くだされました。
     「三番瀬再生の基本となるのは条例であり、これが出発点となる」
     「円卓会議で何回も議論して条例案をつくったのに、それがつくられていない。これは納得できない」
 などというものです。
 これに対し、大槻幸一郎副知事は、「時間がかかっている。年度内の条例制定はむずかしい」と答えました。

 傍聴者からは、県の姿勢などに対し、強い批判の声がだされました。
     「準備会の立ち上げが遅すぎる。県提案のスケジュールをみると、今年10月に三番瀬再生会議を立ち上げ、12月に三番瀬再生計画を決定するとなっている。検討期間はわずか2カ月しかない。これは拙速であり、十分な検討ができない」
     「事業計画の手順を示したチャート図をみると、順応的管理の手法がまったく盛り込まれていない。事業計画をつくる場合は事前にモニタリングすることが必要だが、そんな思想がまったくみられない」
     「それぞれの先発事業について個別検討委員会が設けられることになっているが、その検討結果は知事に直接提出することになっており、再生会議との関係が断ち切られている。円卓会議の場合は、小委員会やワーキンググループがたくさんつくられ、そこで合意されたものは円卓会議で議論しないという悪しきことが見られた。それと同じことになってしまうのではないか」

 なお、次回の準備会は9月24日(金)に開かれます。

(文責・千葉県自然保護連合事務局)   




★関連ホームページ

このページの頭にもどります
「ニュース」にもどります
「三番瀬再生事業」にもどります

トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 | 資 料 |
会報 | 干潟を守る会 | 自然保護連合 | リンク集 |