三番瀬ハゼを守る会 山本慶一
■第1の敵は海のギャング
私たちは毎日、三番瀬西(猫実川河口)でハゼの敵と戦っています。
第1の敵は海のギャング(密漁船)です。
当地は、ハゼ、カレイ、ワタリガニ、フッコ(セイゴ)、アナゴ、ギンポなどの産卵楊所です。ハゼは12月末〜翌年1月にかけて産卵します。この時期は、ハゼの数が日ごとに増加し、抱卵したハゼが東京湾各地よりゾクゾクと集まってきます。
これを狙って、海のギャング(サシ網を使用の密漁船)が出没しはじめます。先日、私たちがサシ網を発見、接近し、これに触れると同時に、私の携帯亀話のベルがなりました。近所にギャングの見張がいたのです。電話で怒鳴りちらされました。
彼らは組繊的に動いています。この時の網の長さは数百メートルあり(一般には、網の長さ一反は25〜35メートル)、使用している網は海のカスミ網で、人毛より細いものです。大小に関係なく捕獲することが可能で、一網打尽とはこのことです。
■第2の敵は、三番瀬埋め立て推進者
また一方、第2の敵とは猫実川河口を埋め立てようと必死になっている人たちです。
一度埋まれば再生は永久に不可能です。全国各地の人工渚(海浜)を見てください。ほとんどがダメになりました。現に、膨大な金をかけて漁協が行徳港の沖(三番瀬の一部)にアサリ場をつくりました。土を他から持ってきて一面を埋め立て、一般の人に解放しようとしましたが、結局ダメでした。アサリは土質が異なると育たないものです。この盛り土は、現在も放置されたままになっています。このため流れも変わり、サヨリも来なくなりました。
なぜ、このような無理をし、必死になって埋め立てしなければならないのか理解できません。
どうか皆様の御協力をお願いします。
(2000年6月)
密漁中のギャング。
彼らは、禁止されているサシ網を使用し、ハゼやカニなどを根こそぎ採ってしまう。
その際、水鳥も網にかかって死んでしまう。
ギャング(密漁船)は暗くなってから出没する。
「三番瀬ハゼを守る会」の密漁監視船。
「守る会」は毎日毎晩、命がけで密漁を監視し、密漁をみつけると海上保安庁に通報する。
「守る会」によれば、地元の市川市は密漁対策にまったくやる気がない。また、地元の漁業協同組合は、「ギャングが怖い」ので何もできない、とのことである。
三番瀬の西側(猫実川河口域)。この区域を埋め立てようとしている県や市川市は、ここを「きたない」「汚れている」などと盛んに宣伝している。しかし、そんなことはない。また、ここには稚魚の餌になる生物がたくさん生息していて、漁業資源にとっても非常に大切な場所ともなっている。
「三番瀬ハゼを守る会」によれば、「県や市川市がここを“きたない”などと言いふらしているのは、すでに漁協組合員に多額の“転業準備金”(事実上の事前漁業補償金)を支払っていることもあり、いまさら埋め立てをやめるわけにはいかないから」「県は、他からヘドロを運んできてここに捨て、それを環境庁長官や国会議員などに見せたりしている」という。
★関連ページ
- 三番瀬のハゼを守る会が環境庁長官に三番瀬保全を要望(1999/11/30)
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