行政はカネを出すことによって
NGOを支配しようとする
佐藤行雄
鈴木宗男氏(衆院議員)が書いた『闇権力の執行人』(講談社+α文庫)を読んでいたら、「政府は金を出すことを通じて、徐々にNGOを支配していこうとする」という記述が目を引きました。
こんな記述です。
■「カネは出すが口は出さない」はありえない
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《カネの問題は重要かつデリケートである。カネは出すが口は出さないということはありえない。とくに政府は甘い組織ではない。カネを出すことを通じて、徐々にNGOを支配していこうとする。だから外国のNGO関係者は、政府のカネに極力頼らないようにする。》
《ところが、日本の場合は外務省や財務省といった行政機関が絡み、一部のNGOはいわば「政府丸抱え」の状態にあるため、自由な活動が制限されている。このようなNGOは「Non-Govermenttal Organization=非政府組織」の態をなしていないのである。》
《もちろん、こうした状態が外務省にとっては望ましい。外務省からカネを受け取っている限り、NGOが外務省を徹底的に批判することはできないと外務官僚たちは考えている。》
■日常的に資金提供を受けると
「毒まんじゅう」のように作用する
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《その裏をかいて、カネは貰うが、政策的に相容れないときは外務省を徹底的に批判するというNGOが育ってくればよいのだが、日本人の情に流されやすい性格からすると、それはできないであろう。その隙間を外務官僚は狙い、NGOを自らの掌の上で操縦しようとするのだ。》
《当時の自民党のNGOに対する評価は高くなかった。というのは、NGOに参加している人たちの多くが、思想的に左派、市民派が多かったからだ。自民党にとって、「煙たい存在」だったといっていいだろう。》
《ただし、特定のところから日常的に資金提供を受けてしまうと、どんな団体でも内部から腐ってしまう。それは、あたかも「毒まんじゅう」のように作用するのである。》
カネを出すことによってNGOやNPOを支配しようとするのは、政府だけではありません。千葉県など地方自治体も同じようです。
(2008年3月)
★関連ページ
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