ムダな公共事業ストップ!

〜三番瀬を守る署名ネットワークが集会とデモ行進〜


トップページにもどります
「ニュース」のページにもどります



 三番瀬埋め立て反対の運動を進めている「三番瀬を守る署名ネットワーク」は(2001年)3月11日、市川市勤労福祉センターで「ムダな公共事業ストップ─財政問題と三番瀬」と題する集会を開きました。
 集会には会場いっぱいの150人が参加。集会後は、会場からJR本八幡駅前まで、「三番瀬を守ろう」「財政を破たんさせ、自然を破壊するムダな公共事業はやめさせよう」などと訴えながらデモ行進しました。

 集会ではまず、ジャーナリストの小川明雄氏(元朝日新聞論説委員)が「日本の危機と三番瀬」というテーマで講演。小川氏は、最初に、「三番瀬はすでに結論がでており、埋め立てはやめさせなければならない。また、埋め立てを推進してきた県企業庁は解体しなければならない」と述べました。そして、「日本はいま戦後最大の危機に直面しているが、諸悪の根源は公共事業である」「国や自治体は借金地獄に陥っており、このままでは国民を苦しめるインフレが必至である」と述べ、それを食い止めるためにはムダな公共事業をやめさせることが必要などと強調しました。

 講演のあとは、三番瀬に関連する自治体(千葉県、船橋市、市川市)の職員と三番瀬公金違法支出訴訟の原告代表である牛野くみ子氏が、自治体の財政状況や行政訴訟のとりくみなどを報告しました。
 最初は、喜来照夫氏が「千葉県の財政と公共事業」というテーマで報告。喜来氏は、県の一般会計の借金総額(県債残高)が2001年3月末で歳出規模(1兆6500億円)をはるかに超えて1兆8700億円に達することを話し、その主因は公共事業の推進にあることを強調しました。そして、県がすすめている「財政健全化プログラム」ではますます財政危機が深まると述べ、県職員労働組合が対案としてうちだした「県財政危機打開への提言」の内容を報告しました。
 つぎは、池田邦樹氏が「船橋市の財政と公共事業」というテーマで報告。池田氏は、船橋市の財政状況を話し、バブル崩壊後に市税が減り続けていることや、一般会計の借金総額が1993年頃から急激に増加し、1999年度末で1239億円(歳出規模は1452億円)に達していることなどを話しました。そして、借金急増の原因はビッグプロジェクト(大型公共事業)の推進であることを具体的資料をしめして指摘し、「そうした原因を取り除く努力をすれば、財政危機は打開できる」と強調しました。
 つづいて、山口純一氏が「市川市の財政と公共事業」というテーマで報告。山口氏は、市川市の財政状況も船橋市と似ているとし、都市再開発などのビックプロジェクトへの多額の支出によって、市の借金が急増していることを話しました。そして、市川市は「行政改革の推進」に力をいれているが、その内容は、職員の削減や、福祉・教育施設の民間委託、住民負担増であり、職員や住民に犠牲を強いるものであること。他方で、市は借金急増の原因である都市再開発を相変わらずあちこちで推進しているが、こうした再開発が本当に必要なのかどうかをきちんと見きわめ、市民としても対応していくことが必要──などと強調しました。
 報告の最後は、牛野くみ子氏が「公金違法支出と三番瀬ヤミ補償裁判」というテーマで報告。牛野氏は、三番瀬埋め立て計画をめぐり、金融機関が市川市行徳漁協の組合員に対して融資した「転業準備金」の利息56億円を県企業庁が肩代わりするのは違法だと千葉地裁に提訴している問題を話しました。牛野氏は、「“浦安の埋め立てによって潮回りが悪くなったので融資した”と企業庁は言っているが、それならなぜ損害賠償ではなく転業準備貸し付けなのか。しかも、埋め立てがはじまるまで延々と利息を肩代わりするというが、これは絶対におかしい」と述べました。そして、沼田知事が「自分には権限や責任がない」と言って責任逃れをしようとしていることをきびしく批判しました。
 質疑討論では、公共事業や財政問題などについて参加者から活発に質問や意見が出されました。

 つづいて、3月25日投票の千葉県知事選挙の候補者(5人)に対する「三番瀬に関する公開質問状」の回答内容を「三番瀬を守る署名ネットワーク」が報告。最後は、「財政破綻や環境破壊の元凶であるムダな公共事業や三番瀬埋め立てはやめよ!」と訴えるアピールを採択しました。
 集会終了後は、「貴重な三番瀬を守ろう」「子孫にばく大なツケをまわす公共事業はやめさせよう」などとシュプレヒコールしながらデモ行進しました。







集会には150人が参加








「三番瀬を守ろう」「ムダな公共事業ストップ」などをシュプレヒコールしながら、市川市内をデモ行進












ア ピ ー ル





ムダな公共事業をやめよ!

3・11 市川アピール


 新しい世紀を迎えて70日目の今日3月11日、千葉県市川市に集う私たちは、すべての市民に訴える。
 私たちの周りを見回して見よう。何とムダな公共事業の多いことか。
 私たちの反対を押し切って千葉県が進めている東京湾三番瀬の埋め立て計画は、その典型だ。沼田武知事が退任を表明し、新しい知事が選ばれようとしている今こそ、本当に私たちのために県政を変える、またとない絶好の機会だ。
 今日の集会に先立って、私たちは県知事選挙の立候補者全員に、三番瀬埋め立て問題に関する公開質問状を出して回答を求めた。私たちは三番瀬の保全にもっとも積極的に取り組み、明快な攻策を待った候補者を選出し、千葉県の政治を私たちの手にとりもどそうではないか。
 三番瀬埋め立て計画前の白紙撤回を求める私たちの声は、日本全国、そして海外から寄せられた27万余の人びとの署名簿の重さに反映されている。そればかりではない。1月に発足早々、川口環境大臣は現地を視察し、埋め立て計画の全面見直しを求めている。県の環境調整検討委員会も、埋め立て後の土地利用計画の妥当性に異議を唱え、県環境会議に報告した。私たちの声は、今や千葉県と国の行政の姿勢までも変えようとしている。私たちは、私たちの主張の正しさに自信をもって訴えていこう。
 千葉県の財政は、ムダな公共事業で破産寸前だ。三番瀬に通す計画の第二東京湾岸道路の建設には、高架方式で4000億円、地下方式で1兆4000億円もかかるという。埋め立て事業そのものと、埋め立て地に建設予定の下水道終末処理場の建設など、膨大な公共事業の費用が県の財攻難に拍車をかけることは目に見えている。これらはすべて、県民にツケが回ってくるのだ。
 三番瀬埋め立ても、第二湾岸道路もいらない。ムダな公共事業は環境破壊の元凶だ。有明海を見よ。「土建国家が国土を食いつぶした惨状」と言わずして何と言おうか。
 私たちは強く訴える。ムダな公共事業をやめよ! 三番瀬埋め立て計画をやめよ!

 2001年3月11日

「ムダな公共事業ストップ─財政問題と三番瀬」集会参加者一同 



★関連ページ

このページの頭に戻ります
前ページに戻ります

トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 |
資 料 | 干潟を守る会 | 自然保護連合 | リンク集 |