★「三番瀬を守るシンポジウム 海はだれのものか」講演要旨


第二東京湾岸道路の問題点


千葉商科大学教授、三番瀬を守る署名ネットワーク事務局 竹内壮一





第二東京湾岸道路の予定ルート図







T.三番瀬埋立計画と第二東京湾岸道路

  1.  旧京葉港2期計画は国際コンテナ貨物など港湾貨物取扱の増大に対応した物流地点づくりを目指したものであった。物流基地計画を支える柱が第二湾岸道路であったが、この計画が破棄された以上、第二湾岸道路は不要になった。
     また、旧市川2期計画の商業用地、新産業創出拠点用地などは第二湾岸道路を前提に組み立てられていた土地利用計画であった。これらの土地利用計画が破棄された以上、第二湾岸道路は不要になった。

  2.  95年11月の環境会議の千葉県知事宛「提言」では、「第二湾岸道路による大気質、騒音、振動について、道路構造等が明確になった時点で、ジャンクションなど特殊な構造の場合は予側手法の検討を含めて、道路沿道への影響を予測すること」を提言している。この提言を受けて想定したルー卜と構造(高架と地下方式)について影響予測を行い、その結果を公表する義務があると思うが、この点については全く触れられていない。

  3.  99年6月、環境庁は第二湾岸道路について「県が想定する第二湾岸道路の高架方式で建設すると、干潟に生息する水烏の飛行ルートへの影響が大きく、景観面からもトンネル方式を検討する必要がある」と指摘した。環境庁のこの指摘に対して、県はまともに回答していない。さらに環境庁は踏み込んで、「トンネル化は技術的にも可能で、コストも必ずしも高くはない」(99年9月)と述べたが、この点についても、環境庁の納得のいく回答を行うべきである。

  4.  「見直し案」で県は「海へのパブリックアクセス」を強調したが、海へのアクセスを遮断し、海浜の景観を破壊する最大のものが第二湾岸道路である。これまで東京湾岸道路が市民の海へのアクセスを阻害してきたことの反省を真摯に行う必要がある。巨大な高速道路建設はさらに市民の海へのアクセスを阻害することになる。

  5.  建設省道路局長は、99年3月の衆院建設委員会で、「第二湾岸道路のために埋め立てを必要とするのではない。埋立計画地を通るのも一つの案だが、県の見直し検討結果を踏まえて幅広く検討する」と発言している。さらに建設省は現行ルート案について、「現段階では県の案である。建設省としては今後もルートを幅広く検討していきたい」「こちらから第二湾岸道路のために埋め立ててほしいと県に要望したことはない」として、三番瀬埋立との関連を明言していない。とすると、第二湾岸のために三番瀬を埋め立てる必然性はない。
     さらに沼田知事も同年3月(15日)の定例記者会見で、第二湾岸道路に関して「ほかにいい方法があれば埋立にはこだわらない」と述べている。
     第二湾岸建設のために三番瀬を埋め立てるという根拠は成立しなくなったのではないか。



U.第二東京湾岸道路の必要性について

  1.  県は第二湾岸道路が「慢性的な交通渋滞解消のため必要不可欠な社会基盤」と主張するが、単に混雑緩和のため必要というのではなく、現在の交通量と将来の交通量予測に基づいた混雑予測を示さなくてはならない。たとえば東関東自動車道市川ジャンクションと市川インターチェンジ間の交通量は1990年が1日当たり 89,448 台であったのに、94年では 87,413台、97年では 86,535 台に減っているのである。
     自動車の交通量が増え続けているわけではない。「渋滞解消」というお題目で第二湾岸道路を建設する理由はないのである。

  2.  第二湾岸道路は浦安市では、湾岸道路と1キロの距離で併行して浦安の住宅街を縦断する。市民の生活環境に重大な影響を及ぼすことは必至である。船橋市の若松団地、千葉市の幸町団地などでも住宅街に隣接する。第二湾岸道路のルートと構造をまず市民に提示し、アセスメントを実施すべきである。

  3.  市川市は全国273都市の中で大気中の二酸化窒素濃度が 0.065ppmと国の環境基準(上限 0.060ppm)を上回り、名古屋市と並んで全国ワーストワンとなった(1997年)。また、千葉市から市川市までの県内の二酸化窒素自動車測定局24局中環境基準を超えた局が10カ所、県の目標値である 0.040ppm をクリアした局は皆無であった。このように、市川市をはじめとして東京湾岸地域はすでに湾岸道路、京葉道路、東関東自動車道など高速道路のために大気汚染は深刻である。
     このうえ、第二湾岸道路、外環道路が建設されるとすれば、沿線の環境がさらに悪化することは必然である。
     騒音、振動を含めて現状を沿線住民の立場に立って調査し、第二湾岸道路建設にともなう環境変化の予測を調査すべきである。

  4.  「3環状9放射」計画に見られる、東京湾岸の交通を自動車交通のみで処理するのは不可能で、鉄道や水運などを活用する総合的交通プランを検討すべきだ。湾岸地域全体の無謀な巨大開発を抑制し、自動車交通主体の交通網体系を考え直すことが今一番必要とされている課題である。





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