韓国市民活動家が三番瀬訪問
〜日韓の連携・交流推進を確認〜
韓国の市民活動家2人が(2010年)2月2日、三番瀬を訪れました。京畿市民社会フォーラム運営委員長の李大洙(イ・デス)さんと京畿市民社会フォーラム運営委員の金承國(キム・スングク)さんです。
「日韓・市民自治交流会」の呼びかけ人である千葉県議会議員の川本幸立さん(市民ネット)や啓明文化大学(韓国・大邱市)の岡田卓己さんなども参加しました。
◆「韓国強制併合100年」
今年は「韓国強制併合100年」の年です。韓国では「韓日100年平和市民ネットワーク」が昨年4月に結成されました。李大洙さんは、その運営委員長も務めています。
同ネットワークは、「韓国強制併合100年」を契機に、日本と朝鮮半島の人々の友好を確立し、ともに東アジアの平和創造を行おうと、とりくみを進めています。その一環として、1月30日から2月2日にかけて首都圏の市民運動団体と交流しました。
2月1日は「日韓・市民自治交流会」が東京で開かれました。2日は三番瀬で現地見学と交流です。三番瀬の案内と交流に参加したのは、「千葉の干潟を守る会」や「千葉県自然保護連合」など、三番瀬保全団体のメンバーです。
◆ハマシギ群舞やミヤコドリなどに感激
まず、前日の夜に降った雪で真っ白になった浜辺から野鳥を観察です。
約2000羽のハマシギがすぐ近くの波打ち際で群れていました。ハマシギの群れが突然に舞い上がり、密集して飛び回る光景は壮観です。
三番瀬の“看板スター”であるミヤコドリも100羽以上が近くの干出部にやってきて、韓国の2人を歓迎です。「これだけの数のミヤコドリを見られるのは、日本では三番瀬だけ」と説明したら、韓国の2人は驚きました。
三番瀬には今年、国の天然記念物のコクガンも1羽が飛来し、1カ月以上越冬を続けています。日本にやってくるコクガンは、98%が北海道、青森、宮城の3道県で越冬するそうです(環境省が昨年1月に実施した第40回全国ガンカモ一斉調査結果)。ですから、三番瀬で越冬するのはきわめて珍しく、現在、三番瀬で人気の珍客となっています。
めったにみることのできないツグミもいました。ツグミは、朝鮮半島にも多数が渡来するそうです。
そんな鳥たちをたくさん見ることができて、2人はすごく感激していました。
◆埋め立て反対運動を40年近く続けていることに驚き
千葉県は、三番瀬もすべてを埋め立てる計画でした。しかし、埋め立て反対運動を30年もねばり強く続けた結果、2001年に埋め立て計画(市川2期・京葉港2期埋め立て計画)を中止させることができました。その後は、人工干潟化をやめさせる運動やラムサール登録運動などをすすめています。リーフレットを渡してそんな話をしました。
「千葉の干潟を守る会」は1971年から埋め立て反対運動をつづけていると話したら、2人はビックリしていました。
◆“土建国家”をやめさせるために
最後に、李大洙さんはこんな感想を述べました。
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「ここの干潟と浅瀬は大都市にある。周りには工場や倉庫が張りついている。こういう状況をみると、三番瀬を守ることが容易でないことはよくわかる」
「さまざまな鳥が飛来しているのを見て、三番瀬が生きていることを実感した。また、ここを守るためにみなさんががんばっておられることもよくわかった」
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「埋め立てをやめさせたのは市民運動の成果である。長年にわたって運動を続けられたことに敬意を表したい」
「日本は世界に名だたる“土建国家”である。そんな“土建国家”が日本から韓国に輸入され、それが韓国でいちばんの問題になっている」
「韓国でも、市民活動家が環境保護運動などを一生懸命にやっている。“土建国家”をやめさせるためにも、韓国と日本の市民レベルの交流と連携を強めたい。そして、それを東南アジアに広げたい。ぜひいっしょにやりましょう」
野鳥を熱心に観察する李大洙(イ・デス)さん
雪景色の三番瀬
ハマシギの群舞
三番瀬で越冬中の国の天然記念物コクガン。のどに首輪のような白紋があります
三番瀬の“看板スター”ミヤコドリも韓国の2人を歓迎
金承國さん(左)と李大洙さん(右)
★関連ページ
- Q&A「ここが知りたい三番瀬」(2010/1)
- 「公共事業チェック議員の会」が三番瀬視察〜三番瀬保全への支援を要請(2009/12/24)
- ようこそ 三番瀬へ(2005/6)
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