●森田健作千葉県知事
●堂本暁子前千葉県知事
●小埜尾精一氏(三番瀬フォーラム顧問、三番瀬研究会代表、元三番瀬円卓会議委員)
●町田恵美子氏(三番瀬フォーラム、元三番瀬円卓会議事務局スタッフ)
●安達宏之氏(三番瀬フォーラム顧問)
●風呂田利夫氏(東邦大学教授、日本ベントス学会会長)
●志村英雄氏(日本野鳥の会千葉県支部支部長、元三番瀬「海域小委員会」委員)
●三番瀬フォーラム、NPO法人三番瀬環境市民センター
●三番瀬研究会、三番瀬フォーラム、日本野鳥の会県支部
●市川市行徳漁業協同組合
★関係者の語録
■森田健作千葉県知事
●三番瀬再生会議について
- 「県では、本年策定した行政改革計画において、既存の審議会等のあり方を抜本的に見直すこととしております。このため、三番瀬再生会議や関連する委員会についても、行政が主体的に三番瀬の再生にスピード感をもって取り組めるものとなるように検討しているところです」(2010年9月定例県議会における答弁)
★関係者の語録
■堂本暁子前千葉県知事
●新たな三番瀬計画について
- 「漁協、自治体、市民団体などから要望を頂いたが、すべて同じではなく、ある程度妥協点を探らなくてはいけない」(『東京新聞』2001年5月26日付より)
- 「地域の全員が満足する案は難しく、ちょっと埋め立てたり削ることはあるかもしれない」(『毎日新聞』2001年5月26日)
●三番瀬円卓会議について
- 「比較的短い時間で(意見集約が)できるかどうかが課題」(定例記者会見にて。『千葉日報』2002年1月8日)
- 「正念場はこれから。ある種の妥協が必要」(市川市で開催の「なの花県民会議」にて。『千葉日報』2002年6月3日)
- 自民党県連の三番瀬問題検討委員会が6月10日に千葉市中央区内で開かれ、出席した堂本知事は、再生計画検討会議で年内をめどに再生計画のアウトラインが示されるとの認識を示した。(『東京新聞』千葉版、2002年6月11日)
- 「堂本暁子知事は『7月の会合で再生の目標がまとめられる予定』とし再生計画について『年内にアウトラインが示されると思っている』とあらためて述べた」(県議会6月定例会での答弁で。『東京新聞』千葉版、2002年6月27日)
●三番瀬のラムサール条約登録について
- 「(ラムサール条約のデルマー・ブラスコ事務局長との)会談後、堂本知事は記者団に『ブラスコ事務局長によると、三番瀬は現状のままでも登録できるようだが、登録すると一切変更できない。三番瀬を最も理想的な形にした後で登録するのがベスト、と認識が一致した』と述べ、環境保全や湿地回復の手立てを講じた後に登録を考える方針を示した」(『毎日新聞』千葉版、2001年9月4日)
※ブラスコ事務局長はそんなことを言わなかった。くわしくは、ラムサール条約事務局長が三番瀬などを視察を参照。
★関係者の語録
■小埜尾精一氏 (三番瀬フォーラム顧問、三番瀬研究会代表、元三番瀬円卓会議委員、 元三番瀬「海域小委員会」コーディネーター、三番瀬漁場再生検討委員会委員、 環境省環境影響評価研修講師)●県の101ヘクタール埋め立て計画について
- 「面積と形状をみると、我々の対案と極めて類似したものになった」(『朝日新聞』1999年6月11日)
●県主催「第1回三番瀬シンポジウム」について
- 「8月23日、県主催の三番瀬シンポジウム第1回は聴き疲れを感じるほどに、勘違い組の大発表会?で呆れた。おそらくは堂本知事もさぞやガッカリされたに違いないとお察し申し上げる。私たちは、なんと理解力のない民なのだろうかと、同じ報道を見ているはずだが、何故か彼等の中には101haが現存している、740haままの馬鹿学者もいたりと、おおいに呆れたし、ガッカリしたのです。(中略)小会でもNPO三番瀬として詳細な提言書を要望書して手渡していますから、敢えてシンポに出る気もなかった。そう一般の方々の意見も聴きたいというシンポに既存の団体がまたぞろ持論を展開してまで一般の方々の時間を盗ることはないという判断の末だ。結果は、誰もが101haの白紙を求めている。あるいは埋め立てろとか。知事にはガッカリもし、お怒りにもなったのでしょう。最後のご挨拶での憤怒を隠した表情を察してあまりある事です。知事まだまだ前途多難ですね? 知事が言っている白紙の意味も理解出来ないような民意では、三番瀬を語ってもらっても困る。某党の党勢拡大に協力しているような部分きちんと排除してはどう! あの市議が一般人か! 県職もシンポの遣り方や体裁はイベントとして、どこかで学んだらどうですか。恥ずかしいレベルですよ」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2001年8月)
- 「10月2日から千葉県議会は代表質問が始まり、本格的な論戦が始まった。午前は自民党の青木重之氏の代表質問からは三番瀬問題の継続性などについてが問われた。白紙の意味は政治的にはやはり対立を生み、理解に差が出てします。知事が公約に掲げていたから白紙なのだが、その真意は公共事業の内容の方向転換なのだ。知事は答弁している。これまでの企業庁が蓄積した膨大なデータを利用しながら三番瀬の再生計画を県民と共に作って行くという主旨だった。公共事業は継続しながら舵を180度切るのは難しいが、同じ機をいったん不時着させ、間断なく目的地を代えて離陸する、まるでTach&Goだが、そうして同機を継続して使用するという発想がこの三番瀬を救うのだ。白紙というが、まったくの方向転換なのだと理解したらどうですか、公共事業には違いないのですから、自民党殿。青木県議が話されたように、一部の団体が大量に参加した偏向したシンポであることは、否めない。自由な参加、抽選による発表というチッポケナ民主主義の弊害である。本当の市民の意見はどこにも見えなかった。このような弊害が今後の計画策定の委員会に大きな影を落とすだろう。日本の民主主義をはき違えた市民団体は多い、彼らは時に市民で、時には暴徒になる。この国の新たの公共工事のあり方に迫る堂本知事に、その点は警鐘を鳴らしておきたいですね。ともあれ、公共事業の方向転換は三番瀬から、日本の海に広がるだろう。堂本暁子様、御礼申し上げます」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2001年10月)
●101ヘクタール埋め立て計画の白紙撤回について
- 「4月5日、堂本新知事が千葉県庁の初登庁された。快晴の下、白いスーツでの登庁はある意味、覚悟を示したのだと思う。県職員の覚悟を要求したものともいえるだろう。
沼田前知事との引継ぎ、職員への挨拶などの後に、記者会見で三番瀬に対する質問にお答えになっている。ここでは当選直後の『白紙撤回』について、さらなる言及が求められたのでしょうが、結果としては事業ゼロを示唆したものではないことがわかった。内容としては、環境回復や保全のための修復工事等々は行うという三番瀬フォーラムの考え方と同様の内容となっている。(中略)
環境保護団体がこの段階で新知事に『白紙撤回の公約』を果たせという要望書出したという。その神経が分からない。新知事の器の大きさがわからないのか、それとも行政の長はすべて敵に見えてしまうのか、いやはや困った人たちだ」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2001年4月6日)
- 「この公約を掲げた時、この知事候補に本当の意味での白紙撤回というものが理解されていたのか、はなはだ疑問である。この千葉県において、埋め立て反対派に組することが、どれほど議会に反目されているかは思い及ばなかっただろう。(中略)堂本氏は選挙戦を戦う中で、この言葉を安易に選んだとしか思えない。1988年から地元で三番瀬保全活動を展開して来た私たち(三番瀬研究会・三番瀬フォーラム・NPO三番瀬環境市民センター)は、堂本氏の公約が千葉県の環境行政に大きな影響を与えることは必至であるが、公約それ自体が三番瀬の環境保全・再生を停滞させるのではないかと危惧した」(『水情報』2002年6月号所収の「干潟浅海域・三番瀬の再生と将来を問う」)
- 「三番瀬の水産物であるアサリは減り続けている。(中略)ここでも白紙撤回の良い影響は何もない。ただ放置されているだけである。その前の知事時代は、大きな模索が続き環境に配慮する手立てを続け、埋め立て面積の大幅縮小と干潟や砂浜、葦原の造成などが盛りこまれつつあったから、いつかは良くなるという思いも漁業サイドにはあったが、今はそれすらも撤回され、青潮対策も放水対策もなされてはいない」(『水情報』2002年6月号所収の「干潟浅海域・三番瀬の再生と将来を問う」)
●三番瀬円卓会議について
- 「私もNGOとして委員になっているが、遅々として進まぬ議論には飽き飽きしている。一字一句の文言に拘る者もいれば、利益誘導的な発言をする者もいる。また、勉強させてもらうという暢気(のんき)者もいるし、会場の傍聴者からは難しい話が続くから勉強会をしろとの要求がある。こうした人たちが集まって質の低い議論をしていくことが民主的とか公開とかいう会議なのだろうかと、円卓会議の稚拙な手法に大いに疑問を感じている」(『水情報』2002年6月号所収の「干潟浅海域・三番瀬の再生と将来を問う」)
- 「1月28日夕刻、千葉県主催の三番瀬円卓会議の第1回が招集され(三番瀬研究会代表という肩書きで)、千葉市内で開催された。(中略)過去に色々なところで幾度か円卓会議に出ていますが、今回ほど中身に薄いものは初めてです。当初、期待はしていたのだが、専門家・学識者がいて、地元住民代表も揃い、地元の漁協の代表も揃い、産業界の代表も、環境団体もいて、さあこれで三番瀬の環境を良好なものに再生するための議論が出来るかと思ったのに、話しは昨年8月のシンポを焼増したようなもので終わった。会議の後、記者の質問に答えた言葉は『飽きた、こんな話しはもう飽きたよ』、『どこに鞭を入れれば動くのかね、この会議は』と無駄な時間を嘆かずにはいられなかった」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2002年1月)
●三番瀬再生事業について
- 「コンクリートによる自然破壊での公共事業ではなくて、造園的な手法での見直しが考えられる。欧州ではすでに、今までゼネコンといわれる建設土木に払っていた金が、造園業界に変わっていく転換期。この国では何らかの公共事業は必要。環境もお金になる。無駄をなくし、いいことを残す。国というか国民の経済が死ねば環境をめでる余裕すらなくなる」(『毎日新聞』2001年10月5日)
- 「1990年に三番瀬研究会として提案し、その後の私たちが三番瀬の環境再生の目標とし、そのシンボルとしてきた『三番瀬の2020年に贈る(パース図)』が示しているとおり、市川市の直立護岸は改修され緩傾斜の護岸に改修され客土・覆砂されて三番瀬の後背湿地となり葦(あし)原になり浜になることに決まった。それは緩やかに三番瀬の元々の海底と繋がり干潟となり、市民の手によってアマモ場が再生されて、たくさんの生物たちが揺藍(ようらん)の地と豊饒(ほうじょう)の海域を呼び戻して行くのだろう」(三番瀬フォーラム会報『瀬流』第89号、2006年2月)
●三番瀬の自然環境について
- 「東京湾奥部には保護すべき自然なんて見当たらない」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2005年7月29日)
●三番瀬のラムサール条約登録について
- 「今の状況で登録しましょうと言っているのは間違い。ラムサール条約は国際法で、国内法に対する圧力はなく、不法係留・投棄・釣り糸・釣り針がまったく手付かずのまま残っている。法的に間違っていることをやっている人間を県や市の条例なり法律を整備し排除・規制した上でラムサールと言う冠=勲章をもらうのはいい」(『毎日新聞』2001年10月5日)
●森田健作知事について
- 「森田健作さん千葉県知事ご当選おめでとうございます!! 堂本体制の完全なる瓦解にご尽力いただきますよう心より期待をし、初登庁の日を待っております。本当におめでとうございます!」(三番瀬フォーラムHP「小埜尾精一顧問の部屋」、2009年3月29日)
★関係者の語録
■町田恵美子氏 (三番瀬フォーラム、行徳の自然に親しむ会、元三番瀬円卓会議事務局スタッフ)●県の101ヘクタール埋め立て計画(二期計画)について
- 「今、望むのは1期の埋め立てが残したこの海岸線を、三番瀬の生態系と市民利用に配慮したものにすること──それが2期計画であるべきだと思う。もちろん、市民も参加してみんなで知恵を出し合い、より三番瀬を生かし、保全できる計画にしていかなければならないが、この事業は千葉県の手によって、きちんと完結させてほしい。『白紙撤回』という意見もある。しかし、2期計画が白紙に戻されたら、埋め立て計画は終わらないし、保全も始められない……そう考えるのだが」(『みどりのふぉーらむ』1999年8月号)
- 「県が計画している市川二期埋め立ての中に、人工干潟の造成が含まれている。干潟が造られるのか、造られないのか解らない部分が多く、議論の的となっているのは当然。例え造成できたとしても自然の干潟にはかなわないであろうことも想像できる。しかし、批判を恐れずに言うならば、私は行徳に干潟を造る試みをやってみたいと思う。垂直護岸だけとなってしまった行徳の海岸線に干潟を造成し、多くの人がかかわって行徳の原風景を再現していくことは、三番瀬の自然環境にとっても、周辺に住む人間にとっても、いろいろな意味での可能性を産むことになると思うから」(『みどりのふぉーらむ』1999年12月号)
★関係団体の語録
■安達宏之氏 (三番瀬フォーラム顧問)●カキとアナジャコについて
- 「本来、主に砂からなる三番瀬では、砂干潟を覆うカキの群落の増加は砂干潟の生物の生息を妨げている。私たちの他にも、研究者や漁業者の大半はその増加を憂慮している。カキとともに、アナジャコの増加も大きな問題だ。なぜなら、アナジャコが多数つくる巣穴があると、アサリなどの干潟生物が生息できなくなるからだ」(三番瀬フォーラムHP「安達宏之顧問の部屋」、2007年6月18日)
- 「『カキ礁』は、本来の三番瀬の自然とかけ離れたものであり、傷ついている三番瀬の自然にさらにダメージを与えるものだ」(三番瀬フォーラムHP「安達宏之顧問の部屋」、2007年6月18日)
★関係者の語録
■風呂田利夫氏 (東邦大学教授、日本ベントス学会会長)●人工干潟について
- 「総合評価をしてみると、自然の歴史的過程、環境の連続性、生物の多様性、希少種保全、外来種の排除という保全生物学的評価では、私自身の採点で、どう考えても人工干潟の方が高得点と思う」(第16回「市川市行徳臨海部まちづくり懇談会」にて)
- 「環境研究の場所としても、立入禁止にして船で行かなくてはいけない場所よりも、また、カキで足を切るよりも、このような自然形状の場所の方が研究しやすい。安全確保も優れている、塩害防止にもつながるということから、こういう評価をせざる得ない。そういうことからすると、そんなに人工干潟を嫌わないでいただきたい。人工干潟は、もっとたくさんいろいろないい面がありますよということを結論にさせていただきたい。三番瀬の社会的価値、共有財産の活用、環境修復として、あるいは皆で働いて楽しい歴史を作るという意味で、人工干潟を積極的に評価すべきである」(第16回「市川市行徳臨海部まちづくり懇談会」にて)
- 「人工干潟によって犠牲になるものと新たに生まれてくるものがいます。畑を耕すにしても、犠牲になる生物はいるが、耕すことでそれ以上の生物が生存できるようになります。人工干潟によって新たに生まれてくるものが多ければ環境は良くなります」(永尾俊彦『公共事業は変われるか─千葉県三番瀬円卓・再生会議を追って』岩波ブックレット)
- 「人工干潟を十把一からげにして批判するのはおかしいですよ。それは感情論です。藤前の場合は現状の干潟を潰して人工干潟をつくるので批判したわけです。猫実川河口の場合は今の干潟の質を高めるために人工干潟が必要だと言っているのです。画一的な判断基準は不満です」(同上)
★関係者の語録
■志村英雄氏 (日本野鳥の会千葉県支部支部長、元三番瀬「海域小委員会」委員)●湿地(干潟・浅瀬)保全運動について
- 「国は『自然再生型公共事業』としての『東京湾再生計画』を打ち出している。自然保護団体も、正義感に駆られてムシロ旗を押し立てるだけでは通用しなくなっている」(『野鳥』2002年8月号所収の「21世紀の環境保全の方策とは何か? 三番瀬と盤洲に湿地再生の共通点を探る──日本野鳥の会・千葉県支部の事例から」)
- 「三番瀬埋立計画は行政の大規模開発だが、盤洲では埋立計画はなく、近年2件の民間開発が続く。行政相手ならば『絶対反対』を唱える戦術もないではないが、民間開発行為の場合は、合法的に取得した土地に合法的な手続きで開発するのだから厳しい。現行法の枠内で相手を追い詰め、遵法を迫り、行政には厳しい監督・指導を要請する。それ以外に戦術の選択はない」(小櫃川河口・盤洲干潟(木更津市)の隣接地に計画された民間開発への対応について。同上)
●三番瀬フォーラムとの協力関係について
- 「行政の動きに対し、船橋の漁師の末裔にあたる小埜尾精一氏らは、1988年に研究組織の三番瀬研究会、1991年に市民グループの三番瀬フォーラムを組織した。その手法は、自前の調査を重ね、科学的データを基礎に行政にカウンタープランを提示し、行政を引き寄せると言うもので、日本に今まで類を見ないものだ。その活動は目覚ましく、国県市の行政、研究者、漁協、市民を巻き込んだシンポジウムを重ね、出版物を出し、三番瀬の環境保全活動をリードし続け、千葉県は1999年に埋立計画を101ヘクタールに縮小させた。その間『埋立反対』のみを強く主張するグループと署名運動をめぐって対立し、別行動をとっていることを付記しておこう。我々千葉県支部は、早くから三番瀬フォーラムの手法に共鳴し、ゆったりとした協力関係を保ちつつ……」(同上)
●三番瀬円卓会議について
- 「県の円卓会議は小委員会を中心に機能し始めた。今後も行政をリードし続けたい」(同上)
- 「円卓会議の下部機関として、海域小委員会、護岸・陸域小委員会の2小委員会が機能し始め、7月初旬現在、議論の大筋は下記Gで我々が提起する方向に近づきつつあるように見受けられる。私自身も、6月に海域小委員会の委員に選任された」(同上)
- 「G.三番瀬の自然環境は病んでいる。早期の湿地再生のために提案する。(中略)三番瀬フォーラムと千葉県支部は、混乱する行政を牽制し、湿地保全の筋道を提示するために、昨年12月から漁業関係者や専門家を招き、三番瀬環境保全開発会議=「NPO円卓会議」を重ね、以下の提案をしている。(中略)(3)市川側の猫実川流入部を中心に覆砂し、干潟環境を造成する。陸側にアシ原、海中に藻場を造成し、原風景を取り戻すとともに、海水浄化機能を高める。これには根強い反対があるが、そもそも三番瀬は地盤沈下で干潟が浅海になったものであり、船橋海浜公園の人工干潟では干潟造成が相当程度成功している。直立護岸を干潟化することで、潮汐が海水を攪拌し酸素供給が増すことを指摘したい。(4)海底を耕耘し、底泥に物理的に酸素を供給する。(後略)」(同上)
●三番瀬のラムサール条約登録について
- 「いますぐラムサール登録湿地にすることについては賛成できない。登録されればきちんと保全されるというのは順序が逆だ」(「三番瀬環境保全開発会議」の第2回会合にて、2002年1月20日)
★関係団体の語録
■三番瀬フォーラム、NPO法人三番瀬環境市民センター
●三番瀬埋め立てについて
- 「私たちはこれまで、県の埋立計画に対して『反対』といったことは一度もない」(三番瀬フォーラム著『三番瀬から、日本の海は変わる』きんのくわがた社、2001年8月発行)
- 「『自然には手をつけるべきではない。三番瀬は一坪たりとも埋めてはいけない』と三番瀬の『保護』を主張する人もいるが、私たちは積極的に手を入れて三番瀬を『保全』していくべきだと考えている」(同上)
●101ヘクタール埋め立て計画の白紙撤回について
- 「自然再生のための事業は絶対に必要であるから、市川二期・京葉港二期の計画内容を三番瀬の埋め立てではなく、三番瀬の再生計画にすべきだと考えていました。こうした観点から、知事には、『計画の白紙撤回ではなく、あくまでも計画の変更でいきましょう』と進言し、一時はそれを納得していただいたようだったのです。ところが、知事を強く支持していた団体から、『なぜ三番瀬の埋立計画を白紙にしないのか』と強く迫られ、最終的には、議会の質問に答えるかたちで白紙撤回を表明してしまいました。三番瀬の不幸はここから始まっています」(NPO法人三番瀬環境市民センター著『海辺再生─東京湾三番瀬』(築地書館、2008年4月発行)
●市民運動(三番瀬保全運動)について
- 「私たちの運動の特徴は、いまの日本の政治や行政のシステムの中で、問題を解決していこうという姿勢をもっていることだと思う。それは特別なことではなく、たとえば役所で行政側の人間と会うときは必ずスーツを着用する。大勢で取り囲んだり、大声を出したりしない。法に触れるようなことはやらない。こういった、社会人としてごく当たり前のことの積み重ねだ。市民運動だから、いいことをやっているのだから、何をしても許されるなどという考え方は通用しない。力で押し通すようなこともしたくない。同じ人間としてきちんと話し合える関係づくりを大切にしてきた。政治家でも行政でも、話を聞いてくれる人にはきちんと説明をしてきた。だから人(行政)は胸襟を開いてくれるし、膝詰め談判にも応じてくれるのだ。この当たり前とも思える『常識』も、日本の市民運動の中ではおこなわれていないことが目につく」(三番瀬フォーラム著『三番瀬から、日本の海は変わる』前出)
●三番瀬の再生について
- 「過去の埋立によって三番瀬から失われた海岸線近くの干潟や藻場、葦原などを再生します。1950年代位の海岸環境が目標です。近自然化という造園的工法ですね」(三番瀬フォーラムHPの「三番瀬保全ための用語集」)
★関係団体の語録
■三番瀬研究会、三番瀬フォーラム、日本野鳥の会県支部
●三番瀬再生会議について
- 「三番瀬再生に関する事業および、三番瀬再生会議、付随する委員会をいったん凍結して、知事の元に新たな検証チームをつくって、これまでの事業を検証してください」(「三番瀬の環境保全・再生に関する意見書」、県知事あてに2010年5月27日提出)
●三番瀬のラムサール条約登録について
- 「ラムサール条約の分割的登録は本末転倒であるとご理解ください」(同上)
★関係団体の語録
■市川市行徳漁業協同組合●三番瀬埋め立てについて
- 「船橋沖と関連して(市川側海域の)埋め立てを一刻も早く実施してほしい」(『毎日新聞』1992年1月31日)
●三番瀬のラムサール条約登録について
- 「ラムサールについては、漁業者へのメリットは特に無く、規制が厳しくなることから、反対である。ただし、昔のような良い海になれば登録も考えられる。」(千葉県などのヒアリング結果)