道路財源のムダ遣いは底なし
〜“流用”が次々と明るみに〜
公共事業と環境を考える会
道路特定財源のムダ遣いや浪費が次々と明るみに出ています。
こんな具合です。
◇07年度道路財源のうち25億円を職員宿舎建築費、
6700万円を福利厚生費に充当
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《野球、テニス、サッカー、フットサル、卓球…。役人がスポーツに汗を流して、親睦(しんぼく)を深めることに異論を唱える人はいないだろう。だが、こうしたスポーツの用具や優勝カップなどの経費が自腹でないとしたらどうか。しかも道路整備のために課されたガソリン税などの道路特定財源から、これまで賄われていたとすれば。
ガソリン税などの暫定税率存廃が今国会最大の焦点となる中、新たな問題が浮上した。国土交通省は2007年度に道路特定財源のうち、約25億円を同省職員の宿舎建築費、約6700万円を福利厚生費に充てたことを明らかにした。宿舎は06年度末で8000余戸に及ぶ。》(『東京新聞』2008.1.26、社説)
◇道路財源で職員娯楽用マッサージチェア23台
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《道路特定財源を主な原資とする道路整備特別会計から、国土交通省が89〜06年度に職員の娯楽用としてマッサージチェアやカラオケセット、スポーツ用具などの購入費を781万円支出していたことが5日、わかった。同省は1月25日、同会計から職員のレクリエーション費への支出をやめる考えを表明したが、道路建設以外に多額の税金が使われていたことは、道路特定財源のあり方をめぐる今後の議論に影響しそうだ。》(『朝日新聞』2008.2.6)
◇アロマ器具も道路財源で購入
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《国土交通省が、香りでリラックスさせるアロマセラピーの器具を、揮発油税などを原資とする道路特定財源で購入していたことが14日、明らかになった。衆院予算委員会で民主党の長妻昭政調会長代理が指摘した。
冬柴鉄三国交相は事実関係を認めた上で「国民に疑念を持たれることのないよう、今後は厳に購入を禁止する」と述べ、陳謝した。
国交省によると、中部地方整備局の名四国道事務所が2004年8月、アロマ器具2台を計約4万6000円で購入した。長妻氏は「社会通念上許されない。氷山の一角だ」と追及。(中略)
道路特定財源をめぐっては、国交省職員用としてスポーツ用具やマッサージチェア、カラオケセットなどを購入していたことが判明している。》(『東京新聞』2008.2.15)
◇道路財源で整備の地下駐車場ガラガラ 天下り法人が運営
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《国土交通省が道路特定財源を使って全国14カ所の国道の地下に整備した駐車場の多くで、駐車スペース1台分の年間収入が20万円程度だったり、1日のうち1時間20分しか使われていなかったりと、利用が低迷していることがわかった。約995億円の国費で整備後、同省の天下り先でもある所管公益法人が管理・運営を担っている。
「民間では考えられない低い収益率」との指摘もあり、道路整備を本来の目的とした特定財源の使い道として批判を呼びそうだ。》(『朝日新聞』2008.2.15)
◇道路財源でミュージカル上演
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《道路役人のムダ遣いは底なしだ。国交省の地方整備局が道路特定財源を使って、道路整備への啓発ミュージカルの公演を行っていたことが、14日の衆院予算委で取り上げられた。
社民党の保坂展人議員の質問で明らかになったもので、宣伝経費としてミュージカル上演に消えた道路財源は03年度からの3年間で約5億3000万円。ミュージカルは民間の劇団に依頼した“道路礼賛”作品で、3年間に約80回上演され、毎回300〜1000人の家族連れらが無料で観賞していたという。》(『日刊ゲンダイ』2008.2.16)
◇道路以外にジャブジャブ“流用”
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《道路だけを“聖域”にした道路特定財源だが、今国会で議論になっている暫定税率を含めたガソリン税もその財源のひとつだ。ところが、そのウラで道路以外にもジャブジャブ使われていた。それも国交省の役人が利用する「住居」「クルマ」「スポーツ用具」などに化けていたのだ。(中略)
そして、ムダ遣いの最たるものが「レクリェーション費」。サッカー、ソフトボール、卓球、テニス、野球、バレーボール……。03年度だけでも、道路を造るはずのカネ186万円が、スポーツ用具に化けていた。中でも注目すべきは、近畿地方整備局の支出。サッカーユニホーム8万5816円、フットサルユニホーム4万572円、野球ユニホーム26万1120円。なんと1年間で、ピッカピカのユニホームを3種類もそろえていたのだ。(中略) 「年金保険料でムダ遣いをしていた社会保険庁と同じ構図です。道路特定財源は、“特別会計”という国交省の特別な財布。何に使われているか、国民のチェックもきかないのです」(浅尾氏)
まさにやりたい放題。これでは、年金官僚と同じく税金を食いつぶす“シロアリ役人”と呼ばれても仕方なかろう。国交省は当初、こうした支出を「適正」と言い張っていたが、世論の批判が高まるや「不適切だった」と方針転換する始末。
国交省の暫定税率維持を巡るなりふり構わぬ姿勢のウラには、こうした“闇”がまだまだ隠されている。》(『サンデー毎日』2008.2.17)
ご覧のとおりです。
そんな“シロアリ役人”たちを支援するために、全国の多くの自治体首長が道路特定財源の維持を要望しています。「道路のトップセールスマン」と呼ばれる東国原宮崎県知事や堂本千葉県知事らです。
呆れることに、マスコミは、そんな知事たちを「改革派」などと盛んにもちあげています。このままでは、日本は沈没必至だと思います。
(2008年2月)
★関連ページ
- マスコミ露出を競い合う知事たち「東国原知事に負けるな!」が合言葉(公共事業と環境を考える会、2008/2)
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