「三番瀬円卓会議」の進め方に疑問と懸念

〜日本湿地ネットワークの辻 淳夫さんが意見書〜




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 日本湿地ネットワーク(JAWAN)の辻淳夫代表が堂本知事や「三番瀬再生計画検討会議」(円卓会議)の各委員などに対して以下の意見書を提出しました。


 

 

意 見 書



2002年8月15日

千葉県知事 堂本暁子さま
「三番瀬再生計画検討会議」
  岡島会長さま及び各委員さま
千葉県総合企画部
  三番瀬プロジェクトチームさま

日本湿地ネットワーク
藤前の干潟を守る会
辻 淳夫


「三番瀬再生計画検討会議」の進め方に疑問と懸念があります

 私は、東京湾に残された貴重な干潟・浅海域である三番瀬の保全を願ってきたものの一人として、堂本知事の「埋立計画撤回」の決断を三番瀬保全の決断と受け止め、喜んでいました。これは関心をもつ全国の人々、世界の人々にも同じだったと思います。

 「三番瀬再生計画検討会議」が設けられたとき、「再生計画」という言葉に違和感を覚えつつも、保全された三番瀬と、新浜(行徳野鳥保護区)、谷津干潟とを一帯として、東京湾の環境復元につながる、三番瀬と周辺地域の環境復元(かってあった自然環境を取り戻す)がはかられるものと思い、市民、漁民、研究者が同じ円卓についての話し合いにも画期的なことと期待してきましたが、今自らの不明を恥じています。

 いうまでもなく、保全と復元・再生の検討には、正確な現状把握と情報の共有が前提でなければならないと思います。そのための手続きが、まだ充分とられたとは思われない段階で、このたび伝えられた、「8m護岸と人工砂浜造成」案は、やっと残されたと思っている三番瀬の埋立・破壊に他ならず、到底、三番瀬の保全、再生の名に値するものではありません。

 また、このたびの意見募集が、検討会議も関与しないところで行われたり、陸域、海域小委員会に、当然入るべき地元の自然保護団体からの公募者が一切採用されないなど、千葉県当局や、以前からあった人工干潟推進論者らの一部意見を恣意的に進めるためのものかとの疑いを深めざるを得ません。

 現在、国際的には「湿地の保全と復元」が大きな関心事になり、日本では「自然再生型公共事業」が各地ではじめられ、その功罪と「自然再生推進法」案についての議論が盛り上がっているところです。「三番瀬再生計画」が、マヤカシの「自然再生」と「市民参加」としての悪しき前例となるのではないかと、懸念しています。

 どうか、今一度、私たちの疑問と懸念を払うところへ立ち返っていただくことを、お願いいたします。
以上





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