アメフラシの多さにびっくり

〜2007年3月の市民調査〜




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 「三番瀬市民調査の会」は(2007年)3月21日、猫実川河口域の定例市民調査をおこないました。2007年最初の調査です。猫実川河口域の泥干潟は、昼間は3月から9月までしか干出しないので、調査はこの期間だけになります。  調査内容は次の6項目です。
  • 生き物
  • カキ礁
  • 酸化還元電位
  • アナジャコ
  • 塩分
  • 堆積


■アメフラシを数多く発見

 特徴的だったのは、アメフラシが数多くいたことです。
 アメフラシは外見が棘皮(きょくひ)動物のナマコに似ていますが、軟体動物です。ぶよぶよの感じがします。そのアメフラシが、干出した泥干潟のあっちこっちにいました。こんなに数多くみたのは初めてです。
 一昨年(2005年)と昨年(2006年)の調査では、アメフラシは1匹も確認できなかったのですから、まったく予想外の出来事でした。しかも、産卵中のものもいて、これには参加者一同が感激です。


■アナジャコの巣穴が多いのにビックリ

 調査後の報告会では、初参加者などからこんな感想が寄せられました。
 「ウネナシトマヤガイがカキ礁にたくさん生息していた。これには驚いた。ウネナシトマヤガイは、相模湾や東京湾では絶滅したと聞いていた。これはすごいことだと思う」
 「アナジャコの巣穴が多いのにビックリした。また、ギンポの赤ちゃんが泳ぎ回っていることにも驚いた」
 「東京湾奥部なので臭いかと思っていたが、少しも臭くなかった。これがいちばん印象的だった」
 「タイドプール(潮だまり)で、たくさんの稚魚が泳いでいたのが印象的だった」
 「アメフラシをたくさん見たのは初めてだ。ラッキーだと思う」


■今回確認した生物は55種

 今回の調査で確認した生物は55種(鳥類12種を含む)でした。


 (1)魚
   アカエイ、アナゴ、ギンポ、シモフリシマハゼ、チチブなど
 (2)カニ類
   イシガニ、イッカククモガニ、ケフサイソガニなど
 (3)貝類
   ウネナシトマヤガイ、サルボウガイ、シマハマツボ、ムギガイなど
 (4)鳥
   アオサギ、ウミアイサ、カンムリカイツブリ、セグロカモメなど
 (5)その他
   アメフラシ、ミドリアマモウミウシ、ツバサゴカイ、シミコクラゲなど




(2007年3月) 












猫実川河口域のカキ礁は、面積が約5000平方メートル。大潮の干潮時に姿を現す。








猫実川河口域は浅瀬だが、大潮の干潮時には広大な泥干潟が現れる。








この日は泥干潟のあちこちにアメフラシがいた。中には全長約20cm(写真右)のものもいた。








産卵中のアメフラシ。春から初夏にかけてが産卵期とされている。








アメフラシの卵塊。黄色のひも状であることから、「海そうめん」とよばれている。








アナジャコの巣穴の数を4箇所で調べたら、1平方メートルあたり300〜400だった。








採取したアナジャコ








ツバサゴカイの棲管(せいかん)。ストローが突きだしているように見える。
ツバサゴカイも、泥干潟のあちこちに生息していた。








干潟最大のゴカイであるツバサゴカイ








採取したツバサゴカイの全長は約27cmだった








アミの一種








ヨコエビの一種








チチブ








カキ殻の中にびっしり産みつけられたチチブ(と思われる)の卵。もう少しで孵(かえ)るところだと思われる。









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