68種類の動植物を確認

〜三番瀬・猫実川河口域の市民調査〜




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 「三番瀬市民調査の会」は(2006年)7月9日、定例の三番瀬(猫実川河口域)市民調査を行いました。


■68種類の生き物を確認

 今回の調査で確認した動植物は68種です。
 内訳は、魚がアカエイ、エドハゼ、シモフリシマハゼ、スジハゼ、ヒモハゼ、ミミズハゼ、チチブなど14種。底生生物がイシガニ、アカニシ、アラムシロガイ、イボニシ、ウミゴマツボ、カワグチツボなど42種。海藻・海草がハネモ、オゴノリなど3種。鳥が、アオサギ、ウミネコ、コアジサシ、ダイサギ、チュウシャクシギ、ハクセキレイなど9種──となっています。


■これまで確認した生物は163種類

 今回初めて確認した生物は、マツシマコメツブ、ツボミガイ(以上、巻き貝)、ヒメシラトリ、マテガイ(以上、二枚貝)、ヒモハゼ、イダテンギンポ、クサフグ、サッパ、スズキ(以上、魚)、ハクセキレイ(鳥)の10種類です。このほか、ウミゴマツボの卵も初めて確認できました。

 猫実川河口域では、調査をするたびに新しい生き物を確認できます。
 これまで確認した生物は163種(鳥類26種を含む)におよびます。うち、千葉県のレッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種は7種類(鳥類1種を含む)です。


■アオサはわずかしかみられない

 特徴的だったことは、前回(6月25日)もそうでしたが、アオサがわずかしかみられなかったことです。

 調査終了後の報告会では、
    「ヒザラガイが増えているように感じた」
    「タマシキゴカイの卵塊が印象的だった。これは、ふなばし三番瀬海浜公園前の砂質干潟では多くみられるが、泥干潟ではあまりみられないと思っていた」
    「数カ所にポールを建てて堆積傾向を調べているが、すべての地点が前回よりプラスになっていた。猫実川河口域は堆積傾向にあることがわかった」
    「カキ礁やカキ礁の周りの泥干潟にはアオサがわずかしかない。人工干潟造成推進派は、カキ礁がアオサの発生源という“カキ礁有害物論”を盛んにとなえているが、それは事実無根である。ぜひ現場をみてほしい、と言いたい」
 などの感想がだされました。


■危機に瀕する猫実川河口域の自然

 市民調査をするたびに、猫実川河口域がいかに自然豊かなものであるかを認識することができます。
 しかし、地元の市川市や漁協、さらに三番瀬再生会議の一部委員などは、猫実川河口域について「ヘドロの海」とか「保護すべき自然なんて見当たらない」「カキ礁は有害物」などと言い、覆砂して人工海浜(人工干潟にすべきと主張しています。
 千葉県も、ここに第二湾岸道路を通したいため、「三番瀬再生」という名でこの海域の人工海浜化(=埋め立て)をめざしています。
 これが三番瀬問題の最大の焦点です。

(2006年7月) 










行徳鳥獣保護区から餌採りに向かうカワウの大集団




マガキにくっついて産卵中のアカニシ。卵は、長刀(なぎなた)に似ていることからナギナタホウズキともよばれている。








同じマガキの塊でイボニシも産卵中(左)。右は産卵中のアカニシ








干出した泥干潟で、アナジャコの巣穴の数を2カ所調査。
巣穴数は、1平方メートルあたりそれぞれ375個、399個。直径1〜1.5センチのしっかりした巣穴が多かった。








アナジャコの巣穴








今年は、猫実川河口域ではアオサがほとんどみられない








カキ礁では、イボニシ、ケフサイソガニ、ヤドカリ、ギンポ、ウネナシトマヤガイなどたくさんの生き物を発見できる。








イダテンギンポがカキ殻のなかに無数の卵を産みつけ、それを守っていた。








イダテンギンポとその卵








カキ殻にびっしり産み付けられたイダテンギンポの卵








イダテンギンポの卵。ルーペで見ると、目玉が見えた。








カキ礁の生き物を調査








ミミズハゼ








ヒモハゼ








カキ殻の中では、シモフリシマハゼもペアで抱卵(産卵)中。








トサカギンポ








イシガニ








生き物を確認








ヨコイトカゲキリ(巻き貝の仲間)









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