絶滅危ぐ種のカラシラサギなどを確認

〜2005年7月23日 三番瀬市民調査とクリーン作戦〜




トップページにもどります
「ニュース」にもどります
特集「市民調査」にもどります


 2005年7月23日、三番瀬市民調査(月1回)を行いました。参加者は20人です。初参加者も7人おられました。
 初参加者からは、「百聞は一見にしかずだった。生き物がたくさんいてびっくりした」「生物相がたいへん豊かだった」「普通は行けない場所に来れてよかった」「ここは生き物の種類が多い。なんとかして守りたい」などの感想が寄せられました。


■ツバサゴカイ

 ツバサゴカイというゴカイをはじめて見た方が多くいました。
 このゴカイは、砂泥の中にU字形の棲管(せいかん)をつくってすんでいます。棲管の先端(両端)が砂泥から突き出ています。そのため、見つけやすくなっています。先端は白く、管の表面には砂粒や貝殻などが付ています。
 からだの前のいぼ足が変形してつばさのようになっているのでツバサゴカイという名になっているとのことです。
 今回は、3個所でみつけました。棲管はすごく長く、砂泥中にかなり深くもぐっています。参加者がスコップを使ってゴカイを棲管ごと捕ろうとしたのですが、かなり苦労しました。棲管が切れて しまい、すぐに逃げられてしまいます。1匹だけ、棲管の中に残っていたツバサゴカイを捕まえました。


■カラシラサギ

 カラシラサギというめずらしい鳥も見ることができました。
 この鳥は、三番瀬や谷津干潟にときどき現れますが、めったに見られない貴重な鳥とのことです。推定羽数が約2000羽の希少種で、千葉県レッドデータの「絶滅危惧種A」にも指定されています。環境省レッドデータでは、「情報不足(DD)」となっています。
「唐白鷺」という名がついているように、唐の国(中国)からやってくる鳥だそうです。嘴(くちばし)と足指が黄色です。(冬羽になると嘴が黒くなるそうです)
 初めて参加した野鳥関係団体の方は、「中国からわたってくるカラシラサギは、国内ではめったに見られない貴重な烏だ。サギやシギ類がカキ礁付近にみられるのは、エサとなる生物相が豊かな証拠。さらに調査を続けてほしい」と話しました。
 このほか、同じ絶滅危惧種のヤマトオサガニなども確認できました。


■クリーン作戦も実施

 この日、市川塩浜護岸の前では、「バッテリー・クリーンアップ実行委員会」(市川三番瀬を守る会など4団体で構成)がクリーン作戦もおこないました。
 作戦には30人が参加。陸と海の2つのグループに分かれて不法投棄物を海から引き上げたりしました。午前中の清掃活動で、車のバッテリー11個、携帯電話30個、ビデオデッキ、石油ストーブ、自転車、車のタイヤ、ドラム缶などのごみの山ができました。

(2005年7月) 













カキ礁の周りで生き物を採取








この日は、広大な泥干潟が現れた。








ハゼ








1平方メートルあたりのアナジャコの巣穴の数を数えました。








オキシジミ








千葉県レッドデータの「絶滅危惧種D」に指定されているヤマトオサガニ。猫実川河口域ではたくさん見ることができます。









干潟の表面に突き出るツバサゴカイの棲管(せいかん)(写真の右と左)。
ストローが突きだしているようにみえます。
ツバサゴカイは、砂泥の中にU字形の棲管をつくってすんでいます。








泥干潟の中から採りだしたツバサゴカイの棲管








ツバサゴカイは棲管の中で生息しています。
干潟のゴカイでは最大です。









★関連ページ

このページの頭にもどります
「ニュース」にもどります
特集「市民調査」にもどります

トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 |
資 料 | 自然保護連合 | リンク集 |