猫実川河口域で多種多様な生き物を確認




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 「三番瀬市民調査の会」は(2005年)5月8日、猫実川河口域の定例市民調査をおこないました。参加者は22人。調査内容は次の5項目です。
  • カキ礁
  • 酸化還元電位
  • アナジャコ
  • 塩分・伝導率
  • 猫実川と市川塩浜護岸のカキ


■多種多様な生き物を確認

 カキ礁やカキ礁周辺の泥干潟、浅瀬でたくさんの生き物を確認したり、採取しました。
(1)魚
  ハゼ、ボラ、ギンポ、アナゴ、イシガレイ、アカエイなど。
(2)カニ類
  イシガニ、マメコブシガニ、ヤマトオサガニなど。
(3)貝類
  ウネナシトマヤガイ、マガキ、アラムシロガイ、エドガワミズゴマツボなど。
(4)鳥
  チュウシャクシギ、キアシシギ、カワウ、コアジサシなど。
(5)その他
  ドロクダムシ、アナジャコ、イソギンチャク、ワレカラ、シロボヤ、ゴカイなど。


■猫実川の直立護岸の下部にもカキがびっしり

 猫実川の直立護岸の下部には、カキがびっしりはりついています。小さな規模のカキ礁も成育しつつあります。これらのカキの下には、カニなど、たくさんの生き物がいました。
 また、市川塩浜3丁目護岸の下からは、アサリやシオフキなどもたくさんとれました。その中には、アカガイも混じっていました。


■「カキ礁のすごさに度肝を抜かされた」

 今回はじめて市民調査に参加された方からはこんな声がだされました。
    「こういうカキ礁ははじめて見た。そのすごさに度肝(どぎも)を抜かされた」
    「全国的にみても、カキ礁が大規模に密集して存在するのはここだけではないか。諫早湾にもカキ礁があったが、干拓によってなくなってしまった」
    「猫実川河口域のカキ礁はすごいとウワサに聞いていたが、本物をみたら、やはりすごかった」 「この海域は、実際にみてみると、海水はきれいだし、くさい臭いはまったくしない。生き物も種類が多かった。大事に残したい」


■「この海域ではカニや魚がたくさん釣れる」

 私たちの調査を護岸から見ていた人がいました。猫実川河口域のカキ礁を大きくとりあげた新聞記事を手にもっていました。この方はこんなことを語りました。
    「数年前から、この海域でカニを釣ったり、先の方でアサリを採ったりしている。カキ礁の存在は以前から知っていたが、まさか全国最大級の規模だとは知らなかった。新聞報道をみてびっくした」
    「この海域ではカニや魚がたくさん釣れる。昨年はワタリガニがたくさん採れた。塩浜2丁目の前では、アナゴもたくさん釣れる」
「でも、市川市などはこの海域に土砂をいれて人工干潟にすべきと主張している」と言ったら、この方はこう言いました。
    「とんでもないことだ。人工の干潟や海浜にしたら、カキ礁はなくなり、たくさんの生き物も消滅してしまう。この護岸には、夏以降、カニやハゼの釣り客がたくさんやってくる。埼玉県などからも家族連れでやってくる。そんな大事な場所をどうしてつぶすのか」
 こう述べて、怒っていました。まったく同感です。

(2005年5月) 













カキ礁が次第に姿を現しはじめた








猫実川河口域のカキ礁の広さは約5000平方メートル。これは全国最大級の規模と言われている。








タワー(塔)のように積み上がっているカキ。








はじめて見た参加者からは、「こういうカキ礁ははじめて見た。そのすごさに度肝(どぎも)を抜かされた」との声もだされた。








カキ礁には踏み入れないで、周りからカキ礁に生息する生き物を調査








網ですくいあげたさまざまな生き物を確認








1平方メートルあたりのアナジャコの巣穴の数を2地点で調べたら、2地点とも約200あった。アナジャコは干潟の泥の中にYの字型をした巣穴を掘るので、1平方メートルあたり約100匹生息していることになる。アナジャコは水中の有機物をこしとって食べるので、海水浄化に大きな貢献をしている。








今回採取したアナジャコ。








アナゴの赤ん坊もたくさんいた。









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