三番瀬のラムサール登録を県が否定

〜第22回「三番瀬再生会議」〜




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 2007年11月27日の夜、三番瀬再生会議の第22回会合が浦安市内で開かれました。主な議題は次の2つです。

    (1) 三番瀬評価委員会の検討結果
    (2) 平成20年度千葉県三番瀬再生実施計画(案)


◆条例化やラムサール登録に関する県の回答

 (2)では、県が提案した「平成20年度三番瀬再生実施計画(案)」に対し、竹川未喜男委員(千葉の干潟を守る会)が次の事項を追記するよう求めました。
  • 県民やNPOなどからも参加を公募し、合同で猫実川河口域の現況調査を実施する。
  • 三番瀬の再生・保全・利用に関する条例制定に向けて、平成20年度内を目途に条例案を検討する。
  • 平成20年度に韓国で開催される「COP10」(第10回ラムサール条約締約国会議)で三番瀬がラムサール条約に登録されるよう、地域住民・関係者・関係機関との協議・調整を推進する。
 しかし、これに対する県の回答はヒドいの一言です。
 こんな回答をしました。

1. 猫実川河口域の合同調査について
     「自然環境の合同調査は、猫実川河口域に限定して実施する必要はない。したがって、案文を修正する必要はない」

2.条例案の検討について
     「『年度内を目途に』ということは追記する必要はない」

3.ラムサール条約登録について
     「平成20年開催のCOP10で三番瀬をラムサール条約に登録することは現実的には困難なので、修正できない」
 以上です。
 はっきりいって、呆れた回答です。


◆焦点の猫実川河口域を見せようとしない

 猫実川河口域(三番瀬の市川側海域)は、三番瀬の保全・再生をめぐる最大の焦点となっています。ここを保存するか、それとも土砂を入れて人工干潟にするかどうかをめぐる対立です。
 そんな重要な海域なのに、県はこれまで合同調査をいちどもやっていません。自然環境の合同調査をやる場所は、いつも他の海域です。したがって、「猫実川河口域に限定して実施する必要はない」は、やりたくないことをごまかすための詭弁です。
 ちなみに、三番瀬円卓会議と再生会議の委員の大半は、猫実川河口域の広大な泥質干潟をいちども見たことがありません。県が見せようとしないからです。


◆条例制定はやる気なし

 条例案検討に対する回答も、検討さえ否定するのですから、条例制定をやりたくないことをはっきり示すものです。
 三番瀬円卓会議は、会議を何回も開いて条例案を作成し、2004年1月、知事に提言しました。県は、その提案をいったいどう扱っているのでしょうか。


◆ラムサール条約登録も否定的

 COP10でのラムサール条約登録は困難、という回答も円卓会議などをバカにしたものです。円卓会議が2004年1月に知事に提出した「三番瀬再生計画案」にはこう書かれています。
    《三番瀬及び後背湿地は、国際的に重要な湿地であり、ラムサール条約が湿地の賢明な利用を原則としていることから、豊かな生態系を未来の世代にまで残すために、関係者の合意の下で、ラムサール条約への登録を行い、再生・保全・利用を進めることをめざしま す。》
 しかしその後、県は、関係者の合意を得る努力をまったくしていません。  要するに、ラムサール条約の登録はしたくないのです。これが県の本音です。今回の回答は、そういう本音をはっきり示したものです。


◆県がめざすのは、「再生」という名の開発

 焦点となっている猫実川河口域の合同調査はやらないし、保全・再生条例の制定もラムサール条約湿地登録もしたくない。──これが県の姿勢です。
 ということは、三番瀬を保全することは全く考えていないということです。県がやろうとしているのは、「再生」という美名で開発(=環境破壊)を進めることです。





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