砂付けを執拗に提起

〜第32回「市川海岸塩浜地区護岸検討委員会」〜



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 (2010年)10月12日、第32回「市川海岸塩浜地区護岸検討委員会」が千葉県国際総合水泳場(習志野市)の会議室で開かれました。この委員会は三番瀬の市川市塩浜地区の護岸改修事業を審議しています。今回の主な議題は市川塩浜2丁目護岸のバリエーション(形状)の検討です。
 あきれたのは、決着済みの問題が今回もむしかえされたことです。それは、「改修護岸前面の砂付けはなぜできないのか」という問題です。


「砂付けはなぜできないのか?」


 やりとりはこうです。

◇佐々木洋晁委員(市川市塩浜協議会まちづくり委員会・事務局長)
     「市民が海に親しめるようにするには、護岸から降りて海にふれあえるように砂を付けることが必要だ。海岸保全区域の前面の海に砂を付けることはなぜできないのか」
◇県(事務局)
     「この護岸改修は、海岸高潮対策事業として国費を投入して進めている。この事業は海岸保全区域の範囲内を対象にしている。だから、幅30メートルの海岸保全区域の中で砂付けをすることは可能だが、区域外での砂付けは不可能だ。海岸保全区域外の海域で砂付けをやるのであれば、自然再生事業として県庁内の該当部局が別に予算をとってやることになる」
◇及川七之助委員(南行徳漁業協同組合・専務理事)
     「改修護岸の前面の海にはカキがあるので、このままでは危なくて海におりられない。だから、砂付けをやってほしい」


過去に何度も説明済みなのに


 この話は、猫実川河口域(市川市塩浜2、3丁目の前面海域)の人工砂浜化を強く求めている委員から毎回のようにだされています。佐々木・及川両委員のほか、歌代素克委員(市川市南行徳地区自治会連合会会長)、田草川信慈委員(市川市行徳支所長)などからです。
 そのたびに、県が同じ回答をしているのです。護岸改修事業(海岸高潮対策事業)は海岸保全区域内でしか工事ができない、ということです。

 たとえば、昨年(2009年)9月29日の第27回委員会でも県がこう答えています。
     「私どもが管理しているのは海岸保全区域内の海岸保全施設である。その前面の海に砂を付けるとなると、海岸保全施設と違う意味合いを持つ。海岸の防護は海岸保全施設でおこなうことになっている。だから、その先に砂を付けるという議論は、別のところですることになる」(大野二三男・県河川環境課長)

     「改修護岸の前に砂をつけるという話は、護岸検討委員会でやるべきものではないと認識している。それは三番瀬再生会議の『グランドデザイン』ワーキンググループや再生会議で詰める問題だ。だから、先ほど大野委員が話したように、護岸検討委員会は保全区域内の護岸の形状を審議してもらうことになる」(中山拓也・県河川整備課海岸砂防室長)
 これを、第28回委員会(同年11月2日開催)でも県(事務局)が経過報告でふれています。
     「干潟化の要望に関する県の見解はどうかという質問に対し、海岸保全区域より前面の干潟については本委員会で議論する内容ではなくて、再生会議でのグランドデザインの中などで議論すべきことと考えている」
 こういうことが確認されているのに、今回もまた、「改修護岸前面の砂付けはなぜできないのか」という質問がだされたのです。過去の議論内容や県の説明はまったく無視です。なんとも呆れた話です。





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