「補償金」の根拠資料を提示できず
〜県企業庁による信漁連提訴の第2回口頭弁論〜
千葉県(企業庁)が県信用漁業協同組合連合会(信漁連)に5億5000万円の貸付金を返済するよう求めた訴訟で(2012年)1月24日、第2回口頭弁論が千葉地裁で開かれました。
前回(第1回)の口頭弁論で、被告(信漁連)は貸付金について「貸金ではなく業務委託だ」と主張しました。きょうの口頭弁論では、「業務委託」の根拠となる資料を提示することになっていました。
ところが、被告は「資料はみつからない」と言いました。さらに、被告は「貸金ではなく補償金である」と主張しだしました。
主なやりとりはこうです。
◎裁判長
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被告(信漁連)は、「貸金ではなく補償金である」と主張しているようだが……。
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その根拠資料はみつからない。次回までに、いきさつを整理して提示したい。こまかな資料は企業庁が保管しているはずだ。
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被告の主張に対し、原告(県)のほうから反論してほしい。
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いまの段階で、被告の主張を予測して県が反論することは控えたい。被告が提示する資料や主張をみてから反論したい。
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以上で、今回の口頭弁論は終了です。
「貸金ではなく補償金」とする被告(信漁連)の準備書面は2月29日までに提出することになりました。
次回(第3回)の口頭弁論は3月6日、第4回口頭弁論は5月8日です。
【県企業庁による信漁連提訴とは】
市川市行徳・南行徳両漁協が1982年から86年にかけて実施した人工干潟「養貝場」造成事業に係る貸付金(5億5000万円)を信漁連が返済しないため、企業庁が返済を求めて提訴したものです。
企業庁は、三番瀬の新たな埋め立て計画の円滑な推進のため、1993(平成5)年に5億5000万円を信漁連に無利子で貸し付けました。5億5000万円の内容は、両漁協が信漁連から借りた3億8900万円とその利息分の一部でした。
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