第二東京湾岸道路構想の中止を要請

〜千葉県と国土交通省へ




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 三番瀬の人工干潟造成を中止させたことで、第二東京湾岸道路の建設も食い止めました。しかし、第二湾岸道路の構想そのものは残っています。


県と交渉

 三番瀬を守る会、県自然保護連合など三番瀬保全6団体は、第二湾岸道路構想の中止を求めて、県の道路計画課などと12月12日に交渉しました。
 同課はこう回答しました。
     「第二湾岸道路構想の具体的なことはまったく検討していない」「第二湾岸道路をどうするかも検討していない」「第二湾岸道路は県にとって必要な道路なので、第二湾岸道路構想の具体化を国(国交省)に要望している」
 三番瀬埋め立て計画が問題になっていたときは、第二湾岸道路を三番瀬にどのように通すかというルートを県がきめました。しかし、いまはすべて国交省まかせです。


国交省と交渉

 そこで6団体は12月26日、国交省と交渉しました。次の3点を質問・要望しました。
  • 第二湾岸道路構想の進捗状況と方針はどうなっているか。
  • 第二湾岸道路用として確保してあるルートのうち、東京都区間の利用状況はどうなっているか。
  • 第二湾岸道路の千葉県区間については、三番瀬を避けたルートで建設することは困難である。浦安市の埋め立て地を通るルートは都市計画決定されているからだ。三番瀬に道路を通せば、三番瀬の自然環境は大きな影響を受ける。また、東京都と千葉県の境を横切る東京湾沿いの幹線道路の交通量は減少傾向にある。渋滞も緩和傾向にある。ついては第二湾岸道路構想を中止してほしい。
 国交省の回答はこうです。
  • 国交省は、周辺の開発状況や交通状況などの調査・検討を進めることにしている。また、東京港トンネルや国道357号など、いろいろな事業を周辺で進めている。それらの事業が終わったら交通状況がどうなるか、ということも調査しなければならない。
  • 第二湾岸道路は事業化されていないので、すでに確保した用地やルートというものは存在しない。したがって、質問の「利用状況」については答えられない。
  • 第二湾岸道路のルートはまだ検討していない。したがって国交省としては、浦安市に確保された道路用地を第二湾岸道路用地として位置づけていない。
 ようするに、国(国交省)としては第二湾岸道路のルートなどをまったく検討していないということです。
 船橋市、習志野市、千葉市の埋め立て地にも「第二湾岸道路用」として8車線の用地が確保されています。これについてはこう答えました。「国交省は、それらを第二湾岸道路のルートしてきめていない」「千葉県としては、第二湾岸道路の用地を確保してあるので構想を進めてほしい、という認識だと思う」。
 三番瀬のルートがきまらないので、第二湾岸道路構想は止まったままです。しかし、状況が変われば動きだす可能性もあります。三番瀬保全団体は、今後も行政交渉などをつづけていくことにしています。





県知事あての質問・要望書



2016年12月12日 

 千葉県知事 森田健作 様


三番瀬を守る連絡会 代表世話人 中山敏則
三番瀬を守る会 会長 田久保晴孝
市川三番瀬を守る会 会長 星野亘良
千葉の干潟を守る会 代表 近藤 弘
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子



第二東京湾岸道路構想に関する質問と要望

 常日ごろ県民のためにご尽力くださり、心よりお礼申し上げます。
 私たちは、貴重な干潟・浅瀬の三番瀬を後世に残すために活動している団体です。
 第二東京湾岸道路の構想について、下記のとおり質問と要望をさせていただきます。


  1. 平成26年12月定例県議会において、県は第二湾岸道路についてこう答弁しました。
       「第二東京湾岸道路は首都圏の骨格となる道路ネットワークとして位置づけられているもので、本県にとっても必要な道路と考えております。現在、この道路は構想段階であり、事業者も未定ですが、今後、ルート、構造などを決める際には、三番瀬再生計画の基本計画との整合性に配慮がされた検討がなされるものと考えております」
     その後、状況に大きな変化がありました。
    • 平成27年3月、首都圏の骨格となる道路ネットワーク(3環状9放射ネットワーク)の構想図から第二東京湾岸道路が削除されました。
    • 県は今年4月、浦安市内に確保されている第二湾岸道路用地を県道に認定しました。
    • 県は今年10月、三番瀬再生事業の継続分について、「県がそれぞれの分野で行う施策の中で実施していくこととし、次期事業計画は策定しない」ことを決めました。
     このような状況において、「三番瀬再生計画の基本計画との整合性」をどのように検討されているのでしょうか。それを教えてくださるようお願いします。

  2. 三番瀬を避けたルートで第二湾岸道路を建設することは困難です。浦安市の埋め立て地を通るルートは都市計画決定されているからです。
     三番瀬に第二湾岸道路を通せば、三番瀬の自然環境は大きな影響を受けます。また、東京都と千葉県の境を横切る東京湾沿いの幹線道路の交通量は減少傾向にあります。
     つきましては、第二湾岸道路構想を撤回してくださるようお願いします。



国交大臣あての質問・要望書



2016年12月26日 

 国土交通大臣 石井啓一 様


三番瀬を守る連絡会 代表世話人 中山敏則
三番瀬を守る会 会長 田久保晴孝
市川三番瀬を守る会 会長 星野亘良
千葉の干潟を守る会 代表 近藤 弘
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子



第二東京湾岸道路構想に関する質問と要望

 常日ごろ、国民生活向上や防災、自然環境保全などのためにご尽力くださり、心よりお礼申し上げます。
 私たちは、東京湾に貴重な干潟・浅瀬「三番瀬」を後世に残すために活動している団体です。第二東京湾岸道路の構想について、下記のとおり質問と要望をさせていただきます。


  1. 第二東京湾岸道路構想の進捗状況と方針について教えてくださるようにお願いします。

  2. 第二東京湾岸道路用として確保してあるルートのうち、東京都区間の現在の利用状況を教えてくださるようにお願いします。

  3. 第二東京湾岸道路の千葉県区間については、三番瀬を避けたルートで建設することは困難です。浦安市の埋め立て地を通るルートは都市計画決定されているからです。
     三番瀬に道路を通せば、三番瀬の自然環境は大きな影響を受けます。また、東京都と千葉県の境を横切る東京湾沿いの幹線道路の交通量は減少傾向にあります。渋滞も緩和傾向にあります。
     つきましては、第二東京湾岸道路構想を中止してくださるようお願いします。







第二湾岸道路構想に関する要望書を県の担当者に渡す「市川三番瀬
を守る会」の谷藤利子事務局長(右)=12月12日、千葉県庁で



第二湾岸道路構想について県の道路計画課など(手前左)と交渉=12月12日



第二湾岸道路構想に関する要望書を国土交通省の担当者に渡す「三番瀬を守る署名
ネットワーク」の今関一夫事務局長代行(右)=12月26日、衆議院第一議員会館で




第二湾岸道路構想について国土交通省(手前右)と交渉=12月26日






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