三番瀬再生会議って?
牛野くみ子
2年間議論を重ねた円卓会議は、この1月計画案をまとめ解散しました。半年経っても後継組織の話はなく、どうなっているのかと「三番瀬を守る署名ネットワーク」が知事に質問したところ、「私の任期中に条例を議会に提出するのは難しい」との発言でした。計画案を受け取ったとき、知事は、「宝物を戴いた」と満面の笑みをこぼしていたのに、県民の宝物を独り占めしてお蔵に入れてしまいました。
●再生会議準備会で多くの委員が批判
今年の夏は猛暑でした。宝物が腐らないといいがと案じていたところ、8月末に再生会議の準備会が開かれました。
集まった委員たちは、条例が提出されていないことに不満を募らせ、知事はやる気があるのかと迫りました。また、個別事業が再生会議の下でなく、知事の下で行われるのは、おかしい。さらに順応的管理の手法がまったく見えないことに批判の声が続きました。
●再生会議は“言いっぱなし”の諮問機関
9月24日に2回目の準備会が開催され、再生会議の設置要項が決まりました。再生会議は知事の諮問機関で、県がつくる基本計画や事業計画に意見を述べますが、それだけで終わります。すなわち、言いっぱなしです。委員に任せていればいいというわけにまいりません。準備会には2回とも漁業関係者の姿はありませんでした。そんなことで再生会議は開かれるのでしょうか。
●先発事業
県は、先発事業として、市川塩浜の護岸改修、市川漁港の整備、環境学習および利用・管理に関する検討会議など5つの事業を進めることにしています。市川塩浜の護岸改修は、円卓会議が提案したイメージ図を元にしています。あの図は「たたき台」「たたき台」と何回も聞かされましたが、やっぱりです。
●「ラムサール条約登録」はどこにもみあたらない
再生会議のスケジュールをみると、10月に会議を立ち上げ、12月には計画を決定するとなっています。ラムサール条約の登録などはどこにもみあたりません。市川塩浜の砂護岸と漁港をつくったら、それで終わりになるでしょう。そして第2湾岸?が。
●宝物が出てくるかと思いきや……
再生会議の委員さんは意見を述べるだけです。こうしたなかで、私たち環境保護団体の独自の運動が求められています。三番瀬は今のままで十分です。それを忘れずに運動をしてゆきましょう。
何か「舌切り雀」を思い出してしまいました。
(2004年9月)
〜ウラに第二湾岸道あり〜
★関連ページ
- 三番瀬再生事業がスタート〜柱は「砂護岸」造成など(千葉県自然保護連合事務局)
- 三番瀬の円卓会議が終わって(牛野くみ子)
- 三番瀬円卓会議を振り返って(古井利哉)
- 「語られぬ三番瀬再生」 新聞報道に思う(竹川未喜男)
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