〜市川市が県に要望〜
市川市は(2006年)7月10日、三番瀬の市川側海域に面する護岸のうち、市川市塩浜1丁目も県が管理するよう求める要望を堂本知事に提出しました。
塩浜1〜3丁目の護岸のうち、腐食して危険なのはこの1丁目護岸だけです。
しかし県は、「護岸が腐食して危険なので、緊急に改修する必要がある」としながら、1丁目護岸は危険なまま放置です。
その一方で県は、猫実川河口域(浦安よりの海域)に面する2丁目と3丁目の護岸を県管理にし、改修しようとしています。
猫実川河口域は多種多様な生き物が生息する貴重な浅瀬です。この海域を保存するか、それとも、埋め立てる(人工海浜造成)かをめぐって議論や攻防がつづいています。
すでに県は、2丁目護岸の一部の箇所で、海に張り出す形の石積み護岸工事に着手しました。
今回の市川市の要望は、危険性が高い1丁目護岸も県が管理して補修(改修)すべき、とするものです。
市川市の千葉光行市長は記者会見で、
-
「陥没が起こるなど1丁目の方が危険度が高く、人命にかかわる。県の対応はあまりに遅い」
本当に危険な護岸は放置し、数年前に補修したばかりの2丁目護岸や危険性がない3丁目護岸を改修しようとする県。──そのウラには、猫実川河口域を埋め立て、そこに第二湾岸道路を通そうとする県のネライが隠されています。
以下は、7月12日の東京新聞の記事です。
《『東京新聞』千葉版、2006年7月12日》
三番瀬に面する塩浜の護岸 1丁目も県が管理を
保全指定対象外 老朽化で市川市が要望
市川市は、東京湾最奥の干潟・浅瀬の三番瀬に面する同市塩浜1丁目の護岸管理について、2、3丁目と同様、市から県に移管し、老朽化に伴う危険を回避する処置を講じるよう求める要望書を堂本暁子知事に提出した。
市は、県が現在まとめている「県三番瀬再生計画」の事業計画に、1丁目の護岸改修事業を盛り込みたい考えだ。(林容史)
◇ ◇
三番瀬の埋め立て中止に伴い、同市塩浜2、3丁目は2004年6月、海岸保全区域に指定され、県の管理になった。
今年5月、県は2丁目の護岸約100メートルで、海側に捨て石を敷くなどの改修工事に着手。再生計画の事業計画案でも、2、3丁目の護岸計約1700メートルの整備が「緊急・早期着手事業」に位置付けられている。
県三番瀬再生推進室によると、1丁目の護岸約1600メートルは、工場や漁業関連施設があったことなどから、海岸保全区域に指定されず、市の管理下に置かれたままになったという。
昨年7月の地震で、護岸の鋼矢板が約30メートルにわたり海側にせり出すなど、腐食による老朽化が進んでいるという。市はこのときの補修費約2000万円も県に全額負担するよう求めている。
同市の千葉光行市長は11日の定例会見で「陥没が起こるなど1丁目の方が危険度が高く、人命にかかわる。県の対応はあまりに遅い」と話した。また、1丁目の護岸改修計画の前提となる市川漁港の位置については、現在地で確定する方向も示唆した。
同推進室は護岸の管理について「引き続き市と協議していきたい」としている。
★関連ページ
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