三番瀬・猫実川河口域は生き物の宝庫



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 東京湾奥部に残る貴重な干潟・浅瀬「三番瀬(さんばんぜ)」。その市川側に位置する猫実(ねこざね)川河口域は、多種多様な生き物が生息する重要な浅瀬である。
 大潮の干潮時には約30ha以上の広大な泥干潟が現れる。
 「三番瀬市民調査の会」が2003年から続けている調査では、動物127種、植物10種が確認されている。そのなかには、ウネナシトマヤガイ、オキシジミ、エドハゼ、ヤマトオサガニなど、県レッドデータブックに掲載されている希少種も6種含まれている。
 一方、県がおこなった生物調査(2004年〜05年)では、動物195種、植物15種が確認されている。そのうち、県レッドデータブックに掲載されている希少種は11種である。
 まさに、ここは三番瀬の中でもっとも生物の多い海域であり、東京湾漁業にとっても大切な“いのちのゆりかご”となっている。
 この海域には、5000平方メートルのカキ礁も存在する。カキ礁は、水質浄化機能が高いだけではなく、魚礁としての機能も高く、波消し効果もあり、海外においてはその価値が高く評価されている。

(2007年4月)  















猫実川河口域は、潮が引くと広大な泥干潟が現れる。





「補足調査」(千葉県が1996〜1998年に実施)による底質の酸化還元電位。
猫実川河口域は、一部の地点がマイナスの値を示しているが、大部分の地点はプラスの値である。
酸化還元電位は、底泥に酸素がたくさんあるかどうかを表すモノサシ。
電位の値がプラスを示せば酸素が多いということを、マイナスは酸素が少ないということを表す。
大部分の地点がプラスの値ということは、猫実川河口域は全体的に酸素が豊富で、
生き物が生息しやすい環境であることを示している。





「補足調査」による強熱減量の測定結果は2.1〜7.4%。
強熱減量は底泥を強熱した際の減少量であり、主として有機物等の燃焼によるもの。
値が大きいほど有機物の量が多いことを示す。通常の底質は13%以下であり、
これを超えると「ヘドロ化している」といわれている。
酸化還元電位と強熱減量の測定結果は、猫実川河口域が「ヘドロの海」ではないということを実証している。





猫実川河口域には、約5000平方メートルの天然のカキ礁も存在する。





生きたカキが積み重なってできたカキ礁





アナジャコの穴。
猫実川河口域にはアナジャコもたくさん生息している。





コアサンプラーを使ってアナジャコの採取に挑戦。





採取したアナジャコ。確認後は巣穴に戻している





アメフラシ




産卵中のアメフラシ





カキ殻の中にびっしり産みつけられたチチブ(と思われる)の卵。
もう少しで孵(かえ)るところだと思われる。





イダテンギンポがカキ殻のなかに無数の卵を産みつけ、それを守っている。





イシガレイの赤ちゃん。
春先に、泥干潟の小さな潮だまりなどでたくさんみることができる





メリベウミウシ





アミの仲間。魚にとっては絶好のエサとなっている





ユビナガスジエビ










★県による調査結果

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