猫実川河口域の自然の豊かさを証明
〜2017年三番瀬市民調査報告会〜
「三番瀬市民調査の会」は2017年12月9日、2017年市民調査報告会を船橋市内でひらいた。
調査の対象は浦安寄りに位置する猫実川(ねこざねがわ)河口域である。三番瀬埋め立て計画が2001年9月に白紙撤回となったあと、県はこの海域で人工干潟造成計画をうちだした。この海域に第二東京湾岸道路を通すことが目的である。そのため、三番瀬保全団体は「市民調査の会」を発足させ、2003年から調査をつづけている。猫実川河口域の自然の豊かさを証明してアピールすることが目的だ。
調査項目は、生き物、カキ礁、アナジャコ巣穴数、酸化還元電位、塩分、透視度など。市民調査によって猫実川河口域に大規模なカキ礁が存在することがわかった。生物多様性にたいへん富んだ海域であることも証明した。これらが大きな効果を発揮し、2016年10月、県は人工干潟造成の中止を発表した。
報告会の第1部では、2017年の調査結果を調査員たちが発表した。第2部では、2013年から調査に参加している高田雅之さん(法政大学人間環境学部教授)が「東日本の泥炭地湿原・西日本の湧水湿地」を、調査参加者を調査地までボートで運んでくれる秋元一彦さんが「ボート船長から見た東京湾」を講演した。
特別報告は、法政大学人間環境学部高田ゼミ生による「猫実川河口域における生物調査データ分析の試み」である。高田ゼミ生は2013年から73人が交替で調査に参加している。ゼミ生たちは、東日本大震災による猫実川河口域の生き物出現状況の変化などを分析している。丸山慎一県議(日本共産党)とふじしろ政夫県議(市民ネット・社民・無所属)にも県議会の報告をしていただいた。
秋元一彦さんの講演「ボート船長から見た東京湾」に聞き入る参加者
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