渡り鳥が太平洋を休まず縦断

〜1万キロ、9日間無着陸〜

鈴木良雄

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 三番瀬にやってくる渡り鳥を見ながら、いつも不思議に思うことがあります。それは、あんな小さい鳥がどうして、北の国とか南の国と日本を行き来したり、あるいは、北の国と南の国を行き来することができるのか、ということです。
 とくにトウネンは、スズメ大の小さい鳥なのに、繁殖地(シベリア)と越冬地(東南アジアやオーストラリア)を行き来します。その途中で、春と秋に日本に立ち寄るそうです。これにはびっくりしてしまいます。


■オオソリハシシギが無着陸飛行の最長記録
   〜アラスカからニュージーランドまで〜

 そうしたら、(2008年)10月23日の新聞各紙(夕刊)に、渡り鳥のオオソリハシシギが太平洋を休まず縦断したという記事が載っていました。アラスカからニュージーランドまで1万1000キロ余りを無着陸で飛行したとのことです。
 米地質調査所の研究チームが人工衛星による追跡で確認し、22日付の英王立協会の学会誌に発表したそうです。この1万キロ無着陸飛行は最長記録だそうです。
 そんなことがよくできるものだと、感心してしまいます。


■三番瀬や谷津干潟などで栄養をつけて旅立つ

 オオソリハシシギは三番瀬や谷津干潟にもやってきます。田久保晴孝さん(三番瀬を守る会会長)は、オオソリハシシギについてこう説明しています。
    《繁殖地は北極に近いツンドラ帯で、渡りの途中春と秋(春の方が10倍数が多い)に、三番瀬や谷津干潟などの干潟に1カ月ほど留まり、栄養をつけて旅立って行きます。越冬地は東南アジアやオーストラリアの湿地です。
     春の方が数が多いのは、オーストラリアからロシアに向かう途中に日本に立ち寄るが、秋は親鳥のほとんどは日本の干潟では休まず、ロシアなどの干潟で休息後、いっきにオーストラリアまで行くと考えられるからです。秋にはその年に生まれた若鳥がよくみられます。》(田久保晴孝『干潟の学校』新日本出版社)


 米地質調査所研究チームの発表では9日も休まずに飛び続けたそうです。すごいことだと思います。

(2008年10月)






オオソリハシシギ。(撮影:田久保晴孝)




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