三番瀬のラムサール登録に関する質問・要請書

〜8団体が県知事と再生会議委員に提出〜



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 三番瀬保全運動を進めている8団体は(2008年)1月17日、三番瀬のラムサール登録に関する質問・要請書を千葉県知事あてに提出しました。
 また、三番瀬再生会議の中に登録促進のための小委員会を設けることを求める要望書を再生会議の全委員に送付しました。
 提出には各団体の役員が参加。知事室と自然保護課、三番瀬再生推進室を訪れ、主旨を説明しました。
 主な内容は次のとおりです。

◆質問
  • 三番瀬のラムサール条約登録の手続きがなかなか進まないが、何が障害となっているのか。
  • 三番瀬再生会議の会合において県は「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合性がとれるように調整を進める」と答弁したが、その内容は何か。
  • 船橋市漁協の漁業者は「船橋側だけでもラムサール登録湿地にしてほしい」と願っている。とりあえず船橋側だけでもラムサール登録の手続きを進めることは可能か。

◆要望
  • 自然保護団体などとの協議の場を早急に設けること。
  • 韓国で今年開催されるラムサール条約締約国会議において三番瀬が同条約の登録湿地となるよう、必要な手続きを進めること。

 以上です。
 質問・要望書と再生会議委員あての要望書は以下のとおりです。


県知事あての質問・要請書



2008年1月17日 

 千葉県知事 堂本暁子 様

千葉の干潟を守る会
三番瀬を守る会
市川三番瀬を守る会
三番瀬を守る署名ネットワーク
市川緑の市民フォーラム
千葉県野鳥の会
自然と文化研究会 The かもめ
千葉県自然保護連合


三番瀬のラムサール登録に関する質問及び要請書

 日ごろ、三番瀬の保全にお骨折りくださりお礼申し上げます。
 さて、三番瀬再生計画検討会議(通称・円卓会議)が2004年1月に知事に提出した「三番瀬再生計画案」では、「再生のために必要な項目」の一つとして、制度的担保とラムサール条約への登録促進が掲げられ、「三番瀬及び後背湿地は、国際的に重要な湿地であり、ラムサール条約が湿地の賢明な利用を原則としていることから、豊かな生態系を未来の世代にまで残すために、関係者の合意の下で、ラムサール条約への登録を行い、再生・保全・利用を進めることをめざします」とうたわれています。また、そのためのアクションプランとして「早期に関係者の合意を形成していきます」と明示されています。
 しかし、その後4年たちますが、ラムサール登録に向けた県の動きがまったくみえません。昨年12月27日に開かれた第23回「三番瀬再生会議」でも、何人かの委員から、県の消極的な姿勢に対して厳しい意見が出されました。
 そこで私たちは、三番瀬のラムサール登録について下記のとおり質問と要請を提出します。内容についてご検討くださり、2月29日までに文書にてご回答くださいますようにお願い申し上げます。


質問

  1. 三番瀬のラムサール条約登録において何が障害となっているのかを教えてください。

       環境省が三番瀬をラムサール条約登録湿地の有力候補地にあげているのに、登録がなかなか進みません。
       県はこれまで、「漁業者の理解が得られない」というニュアンスの説明をしてきました。しかし、第23回「三番瀬再生会議」において、「漁業者は登録に反対していないのではないか」という意見が相次いでだされました。
       とくに、船橋市漁業協同組合の代表委員(組合長)からは、「三番瀬の自然環境を守ることは、漁業者だけではなく、三番瀬周辺の都市にとっても大きな利益になる」「私たちは、船橋側だけでもラムサール登録湿地にしてほしいと思っている」という意見が出されました。
       こうなると、なぜ登録の手続きが進まないのかという疑問がわきます。その理由をぜひ教えてください。

  2. 「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合性」の内容を教えてください。

       前記「三番瀬再生会議」において、市川市の幹部職員は、ラムサール登録が進まない理由の一つとして第二湾岸道路の問題をあげました。これに対して県(三番瀬再生推進室)は、「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合性がとれるように調整を進める」と答弁しました。
       私たちは、「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合性」という意味がよく理解できません。これは、第二湾岸道路を三番瀬に通すまではラムサール登録の手続きはしないということでしょうか。
       整合性の意味や内容をわかるように教えてくださるようお願いします。

  3. 船橋側だけでもラムサール登録の手続きを進めることは可能かどうかを教えてください。

       前記のように、船橋市漁業協同組合の漁業者は「船橋側だけでもラムサール登録湿地にしてほしい」と願っているそうです。
       そこで、とりあえず船橋側だけでも早急に登録の手続きを進めることができるかどうかを教えてください。

要望
  1. 自然保護団体などとの協議の場を早急に設けてください。

       前記「三番瀬再生会議」において、県(自然保護課)は、「(ラムサール条約登録の)利害関係人は漁業者だけではない。猟友会、観光業、自然保護の関係者なども含まれる」と答弁しました。
       そうであるならば、これらの「利害関係人」とただちに協議をすべきです。その手始めとして、自然保護団体との協議の場を早急に設けるように求めます。

  2. 韓国で今年開催されるラムサール条約締約国会議(COP10)において三番瀬が同条約の登録湿地となるよう、必要な手続きを進めてください

       三番瀬は、東京湾の奥部にかろうじて残された自然の干潟・浅海域です。再生を行う場合も、保全策をしっかり講じたうえで進めることが大事です。環境省も、三番瀬をラムサール条約登録の有力候補地にあげています。
       したがって、三番瀬がCOP10で登録されるように必要な手続きを早急に進めてください。
       また、隣国で開かれるこの会議に、知事自身が列席し、また、県職員や再生会議委員を派遣するなど、ラムサール条約参加への熱意を示してください。
       さらに、平成20年度三番瀬再生実施計画の中に、登録の目標時期やスケジュール、登録に向けた事務内容を具体的に記入してくださるようにお願いします。


三番瀬再生会議委員への要望書



2008年1月17日 

 三番瀬再生会議
  会長 大西隆様
  委 員 の 皆 様

千葉の干潟を守る会 代表 大浜  清
三番瀬を守る会 会長 田久保晴孝
市川三番瀬を守る会 会表 秋山  胖
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
市川緑の市民フォーラム 事務局長 佐野 郷美
千葉県野鳥の会 会長  富谷健三
自然と文化研究会 The かもめ 代表  佐藤聰子
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子


  三番瀬のラムサール条約登録促進のための
  小委員会設置について(要望)

 三番瀬の保全・再生のためにご尽力くださり、心よりお礼申し上げます。
 私たちは三番瀬のラムサール条約登録について別紙のとおり堂本暁子県知事あてに質問及び要請書を提出しましたので、お知らせします。
 なお、昨年12月27日に開かれた第23回「三番瀬再生会議」では、地元住民代表委員から「登録促進のための小委員会を設けてはどうか」という声が出されました。
 つきましては、ラムサール登録促進のための小委員会をぜひ再生会議の中に設置してくださるように要望します。





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