第二湾岸道建設とラムサール登録は矛盾

〜千葉県議会「三番瀬問題特別委員会」〜



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 千葉県議会に設置されている「三番瀬問題特別委員会」の第7回会合が(2006年)6月14日に開かれました。この委員会は、三番瀬問題を県議会で議論するために設置されたものです。


■県はラムサール登録に消極的

 今回のテーマは第二東京湾岸道路(第二湾岸道)とラムサール条約登録です。
 第二湾岸道は三番瀬を通ることになっていることから、この道路とラムサール登録は矛盾します。そこで、議員から、「ラムサール条約登録と第二湾岸道建設は矛盾する。どうするのか」という指摘が相次ぎました。
 《県側は第二東京湾岸道路とラムサール条約の登録について「いずれも必要」との認識をあらためて示したが、各議員からは矛盾を指摘する声が相次いだ》 (『千葉日報』6月15日)
 しかし県は、言い逃れに終始です。
 三番瀬のラムサール登録については、環境省が重要湿地にあげていたのに県が登録をしぶったため、昨年の締約国会議(ウガンダ)では登録が先送りになりました。県(堂本知事)は、2008年締約国会議(韓国)での登録も消極的です(『千葉日報』2006年4月7日)。


■「予測できないのに早期建設を求めるのは矛盾」

 一方で県は、国土交通省に対して第二湾岸道の早期事業化を要望しつづけています。要するに、第二湾岸道を三番瀬に通すことが優先課題で、そのあとでラムサール登録──というのが県の方針というわけです。
 委員会では、丸山慎一議員(共産党)や吉川洋議員(市民ネット・無所属市民の会)などから、
 「人口減少や高齢化が進む中で、第二湾岸道は本当に必要なのか」
 「交通量の予測調査をすべき」
 「予測できないのに早期建設を求めるのは矛盾だ」
 「第二湾岸道路の必要性をめぐる議論がないのは問題だ」
 ──などという意見が出されました。


■堂本知事のあいまい姿勢にきびしい批判
  〜第二湾岸道促進派と反対派の両方から〜

 三番瀬の保全・再生と第二湾岸道は矛盾するのに、堂本知事はこの点をあいまいにしています。これについても批判がおよびました。
 吉川議員は、「一番の原因は知事」と、知事の姿勢を批判。この点については、第二湾岸道建設賛成派の自民党議員も同調です。
《市民ネットの議員が「一番の原因は知事」と述べ、三番瀬問題の解決時期を明言しない堂本暁子知事の姿勢を批判すると、建設賛成派の自民党議員もこれには同調した。》 (『千葉日報』2006年6月15日)
  特別委員会は、自民党の要求で設置されました。同党は、第二湾岸道の早期建設を知事に迫っています。ですから、“あいまいな姿勢”を貫いている知事に対しては、自民党も批判的というわけです。
 自民党議員からは、第二湾岸道について「建設構想の具体案を県が進んで提案すべきだ」などの意見がだされました。
《県は「(第二湾岸道の)構想実現を国に働き掛けている」と説明したが、県議からは「構想実現に向けた県の主体性が見えない」などの批判が相次いだ。県は知事の諮問機関で、三番瀬再生のあり方を検討する「三番瀬再生会議」(会長・大西隆東大教授)がまとめる三番瀬再生計画との整合性を取りながら、第二湾岸道路の事業化に向けた調査を国に要望していると説明。多額の事業費がかかる高速道路は国主導で進む見通しを示したが、県議からは「建設構想の具体案を県が進んで提案すべきだ」との指摘や、「第二湾岸道路の必要性を巡る議論がないのは問題だ」などの意見が出た。》(『日本経済新聞』千葉版、6月15日)


■三番瀬再生会議は第二湾岸道を棚上げ

 ちなみに、県議会(三番瀬問題特別委員会)では第二湾岸道問題も議論されているのに、市民参加の「三番瀬円卓会議」や「三番瀬再生会議」(円卓会議の後継組織)では、この問題が棚上げにされています。







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