ラムサール条約への段階的登録も県が否定

〜第24回「三番瀬再生会議」〜



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 第24回「三番瀬再生会議」(2008年6月13日)では、ラムサール登録も議論になりました。
 この問題を検討しているワーキンググループ(再生会議の下部組織)がラムサール条約への段階的登録を検討事項として提案したからです。


■「段階的登録」賛成の意見が相次ぐ

 「段階的登録」というのはこうです。

 この3月に船橋市漁協(漁業協同組合)がラムサール登録推進決議をあげたことから、まず船橋側を第1段階として登録し、第2段階で三番瀬全体を登録、さらに第3段階として行徳内陸湿地や谷津干潟とつなげるというものです。

 再生会議では、「段階的登録」に賛成する意見が委員や傍聴者から相次ぎました。反対意見はまったくなしです。


■漁場(三番瀬)を良好な状態で残すための手段として
  ラムサール登録を選んだ

 大野一敏委員(船橋市漁協組合長)もこう述べました。
     「船橋漁協が三番瀬のラムサール登録に賛成する決議をあげた一つの理由は、大都市のまっただ中にある三番瀬という漁場を守っていくためには周りの人たちの認識と協力を得なければならないということだ」

     「もう一つは、堂本知事が(埋め立て計画の白紙撤回によって)海域を守ったわけだが、トップが代われば施策も変わるのではないか。そういう事情の中で、条例やラムサール登録によって漁場を残すという歯止めをかけないかぎり、大都市の真ん中にある東京湾奥部で唯一の埋め立て可能地という見方をされると漁場としては残らなくなってしまう。現に、三番瀬の埋め立てを進めたいという話も出されている。そういう中で私たちは、ラムサール登録自体が目的ではなく、そこの海域を良好な状態で残すための手段としてラムサール登録を選んだ」

     「段階的登録についてだが、船橋側だけでも登録されれば、市川側の漁協にとっても、また船橋漁協にとっても、ラムサール登録が漁師にとっていいのか悪いのかがよくわかる。したがって、段階的な登録もいいのではないかと思う」
 まさに正論です。


■県と知事は段階的登録を否定

 しかし、県は段階的登録を否定しています。この日も、県や堂本知事がこう述べました。

◇県(事務局)
     「全国的な状況を調べたところ、段階的に登録した例はなかった。また環境省に聞いても、段階的登録は例がないとのことだった」

◇堂本知事
     「ラムサール登録については関係者の合意を得ることが大事だ。部分的な登録もむずかしいと思われる。私自身はラムサール登録はとてもいいことだと思う。しかし一方では、埋め立てをしたいという人がまだいる。それを強引に突破することはむずかしい。登録するためには、県民運動の大きなウネリが必要だ」


 今年の2月定例県議会で、知事は、三番瀬のラムサール登録について「時期尚早」と述べました。
 知事は、2001年4月の知事就任以来、一貫して同じことを表明しています。つまり、いまラムサール条約登録湿地にすると第二湾岸道路を通せなくなるので、「時期尚早」というわけです。
 第二湾岸道路を通したあとに登録するというのが、堂本知事と県の一貫した方針です。

















堂本知事が三番瀬のラムサール登録申請を拒否しているのは、
三番瀬に第二湾岸道路を通したいから、と見られています。
「再生」という名で猫実川河口域の人工干潟化をめざしているのも、
それが理由です。人工干潟造成の際に沈埋(ちんまい)方式で
道路を埋め込む、というのが県の考えと言われています。











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