「先に再生計画を決めた後で、第二湾岸を造る」(堂本知事)

 「第二湾岸は外かく環状道路の延長上として必要」(県土整備部長)

    〜市町村長意見交換会で堂本知事らが答弁〜



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 2007年5月18日、堂本暁子知事と県内市町村長の意見交換会が開かれました。


◆「国と具体的なルート・構造等を検討」

 新聞報道(『千葉日報』5月19日)によると、千葉市の鶴岡啓一市長が三番瀬再生計画を取り上げ、「第二湾岸はできるのか」と質問したそうです。
 これに対し堂本知事は、「先に再生計画を決めた後で、第二湾岸を造る。当初の計画通りには無理だが、違った形になる」と答えました。
 また、青山俊行・県土整備部長は「第二湾岸は外かく環状道路の延長上として必要。国と具体的なルート・構造等の検討をしようという話がある。今の段階で複数案があり、どれが現実的か協議していく」と話したそうです。
 これは、三番瀬問題の根っこにふれる重要なやりとりです。


◆三番瀬問題の核心は第二湾岸道

 三番瀬問題の核心は第二湾岸道路(第二東京湾岸道路)です。
 堂本知事は2001年9月に埋め立て計画を白紙撤回しました。しかし、その直後に「三番瀬円卓会議」を立ち上げ、新たな計画(三番瀬再生計画)の策定や再生事業実施に躍起となっています。
 それは、どうしても第二湾岸道路を三番瀬に通したいからです。その必要性がなければ、三番瀬は白紙撤回の時点でほったらかしになっているはずです。この道路を通すという目的がなければ、「自然再生」に多額の県費を投入することなどありえないことです。
 第二湾岸道路は、浦安・船橋・習志野・千葉市などの埋め立て地では8車線の用地がすでに確保されています。しかし、三番瀬で中ぶらりんになっています。第二湾岸道路を通すことを最大の目的としていた埋め立て計画が、反対運動によって撤回に追い込まれたからです。
 しかし、この道路は、首都圏道路ネットワーク(3環状9放射)の一翼を担う重要な道路です。県だけでなく、国(国土交通省)や関係市、大企業などが「どうしても必要」としている道路です。
 前述のように、堂本知事は「当初の計画通りには無理だが、違った形になる」と答えました。また、県土整備部長は、「国と具体的なルート・構造等の検討をしようという話がある」と話しました。
 これは、三番瀬の船橋側を通るルートや、東京外かく環状道路との接続部(ジャンクション)の位置などは当初計画と違った形になるということを示しています。
 しかし、猫実川河口域(市川側海域の一部)だけはどうしても通さざるをえません。高速道路のルートを直角に曲げるわけにはいかないからです。そこで、「再生」という名目でこの海域を人工干潟にし、造成工事の際に道路を「沈埋方式」で埋め込むということが有力案として検討されているといわれています。


◆焦点の猫実川河口域は三番瀬の中で最も生物相が豊か

 猫実川河口域は、三番瀬のなかで最も生物相が豊かな海域です。ドロクダムシ、ホトトギスガイ、ニホンドロソコエビなど、三番瀬の他の環境条件には存在しない底生生物が多く生息しています。アナジャコもたくさんいます。
 アナジャコや5000平方メートルにわたるカキ礁が、多様な生き物の生息や水質浄化などに重要な貢献をしていることも「三番瀬市民調査」で明らかになっています。まさに猫実川河口の浅瀬は、魚類を育てる“いのちのゆりかご”であり、東京湾の浄化を支える大切な場所となっているのです。
    《この地域の埋め立てについて計画策定懇談会の委員で県立中央博物館分館「海の博物館」の望月賢二分館長は、「猫実川河口周辺の海域には、ドロクダムシなどの小型甲殻類が多く生息し、三番瀬の稚魚や幼魚の餌となっています。そういう生物の状況をきちんと調べないと、(埋め立てで)どれだけの影響が出るかわからない」と指摘します。補足調査にたずさわった小倉久子さんは、同地域が水質浄化にかかわるCOD(化学的酸素要求量)浄化量が大きい場所だと説明します。猫実川河口の浅瀬は、東京湾に生息する魚類を育てる「いのちのゆりかご」であり、渡り鳥など鳥類のエサ場や休息場所、そして東京湾の浄化を支えています。90%の海岸が埋め立てられてしまった東京湾で、わずかに残った貴重な干潟は首都圏全体にとってきわめて大切な自然です。》(『しんぶん赤旗』1999.6.27)

    《沖合漁業の漁民には、稚魚の産卵の場をつぶす人工干潟に反対する人が少なくない。船橋漁協元組合長の大野一敏さんは「海にいろいろな生き物がいないと漁業は成り立たない。あそこが埋まったら、ゲームオーバーだ」と言った。》(永尾俊彦「“埋め立て中止”の三番瀬に『人工干潟』計画?!〜東京湾の奇跡『巨大カキ礁』がつぶされる」『サンデー毎日』2005.7.24)

    《私は、かつて藤前干潟の底生生物調査に協力しておりましたが、(このような言い方も変ですが)現在ラムサール登録地となっている藤前干潟の生物相よりも、猫実川河口域の生物相ははるかに豊かなものです。なぜ、その環境にわざわざ手を入れる提言をされるのでありましょうか。  市民調査に同行し観察したところ、現在の猫実川河口域は生物の多様性の面からも、浅海域としての役割の面からも、改変の必要を感じない状態でありました。むしろ、人間が手を加えることで、現在の状態を悪くする可能性の方が大きいと思えます。》(三番瀬再生計画素案に対する小嶌健仁氏の意見)
 今後の動きに注目です。


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