5億5000万円の返済を信漁連に命ずる
〜三番瀬貸付金返還訴訟で千葉地裁〜
千葉県(企業庁)が県信用漁業協同組合連合会(信漁連)に対して5億5000万円の貸付金を返済するよう求めた訴訟の判決が(2013年)11月26日、千葉地裁でありました。地裁は信漁連に対し、請求どおりの支払いを命じました。
この貸付金は、市川市行徳・南行徳両漁協が1982年から86年にかけて実施した人工干潟「養貝場」造成事業(市川地区漁場改善事業=潮干狩り場建設事業)にかかわるものです。人工干潟は市川市塩浜1丁目地先にあります。
この事業は失敗しました。アサリを撒いても全滅状態になったのです。そのため、造成後しばらくして潮干狩りをやめてしまいました。
企業庁は、三番瀬埋め立て計画を円滑に進めるため、1993(平成5)年に5億5000万円を信漁連に無利子で貸し付けました。5億5000万円の内容は、両漁協が信漁連から借りた3億8900万円とその利息分の一部でした。
県はこれまで、不正支出によって漁協を懐柔することで、三番瀬埋め立てを円滑に進めようとしてきました。この無利子貸し付けも、そうした県と漁協の癒着にもとづくものです。
そのため、「三番瀬公金違法支出判決を活かす会」は、この裁判の行方を監視してきました。
裁判で信漁連側は、「補償金による返済が前提だった」「協定書以外の合意があった」などとし、弁済義務はないと主張しました。しかし、判決は「当初交わされた協定書などに補償金を担保とする記載はない」などと信漁連側の主張を全面的に退けました。
★関連ページ
- 5億5000万円返済命令判決が確定〜三番瀬貸付金返還訴訟で東京高裁が信漁連の控訴を棄却(2014/6/19)
- 三番瀬公金違法支出訴訟と三番瀬貸付金返還訴訟の歴史的意義(2013/9)
- 「法的に明確な形で解決したい」を再確認〜三番瀬貸付金返還訴訟で県企業庁と話し合い(2013/9/2)
- 漁協の証人は証拠を示せず〜5億5千万円三番瀬貸付金返還訴訟の証人尋問(2013/6/28)
- 三番瀬貸付金をめぐる裁判で県企業庁長に申し入れ(2012/6/8)
- 訴状に対する認否はあいまい〜信漁連提訴の第3回口頭弁論(2012/3/6)
- 「貸金」か「業務委託」か〜県企業庁による信漁連提訴の焦点(2011/11/18)
- 千葉県企業庁による信漁連提訴の訴状(2011/8/10)
- 貸付金返済をめぐる提訴で県企業庁と交渉〜三番瀬人工干潟失敗で信漁連に5億5000万円(2011/8/12)
- 三番瀬転業準備資金問題は何だったのか〜丸山慎一県議が講演(2010/1/22)
- 三番瀬公金違法支出問題で報告集会〜「判決を活かす会」(2009/2/8)
- 三番瀬の恒久的保全を要求〜漁業補償問題で「活かす会」が声明(2008/12/12)
このページの頭にもどります
「ニュース」にもどります
「訴訟」にもどります
トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 | 資 料 |
会報 | 干潟を守る会 | 房総の自然と環境 | リンク集 |