5億5000万円返済命令判決が確定

〜三番瀬貸付金返還訴訟で東京高裁が信漁連の控訴を棄却〜



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 千葉県(企業庁)が県信用漁業協同組合連合会(信漁連)に対して5億5000万円の貸付金を返済するよう求めた訴訟の控訴審判決が(2014年)6月19日、東京高裁でありました。
 信漁連は、5億5000万円の支払いを命じた千葉地裁の判決を不服として控訴していました。東京高裁は信漁連の控訴を棄却しました。
 信漁連が上告期限までに上告しなかったため、5億5000万円の支払い命令判決が確定しました。

 東京高裁の判決文は、「控訴人の当審における主張に対する判断」のなかでこう記しています。
    《控訴人及び補助参加人(市川市行徳・南行徳両漁協──引用者注)らは、本件貸付事業は、市川二期地区埋立工事が完遂されることを前提としてその漁業補償時に清算するとの書面外合意が存在したのであって、その合意は法的拘束力を有すると主張する。
     しかしながら、本件貸付事業につき何らかの法的拘束力を有する書面外合意が認められないことも原判決が説示するとおりである。》

    《さらに、補助参加人らは、本件貸付事業当時、補助参加人らは継続的な赤字であって返済能力がなかったことは明らかであるから、被控訴人は補助参加人らによる返済を全く想定していなかったと主張する。
     しかしながら、被控訴人が本件貸付事業に係る返済について漁場補償金を返済原資として想定していたとしても、漁業補償金の交付がない限り返済しなくてもよいというような書面外合意がされたことまで認定することはできない。》

    《控訴入及び補助参加人らは、市川二期地区埋立工事の中止により漁業補償金の支払がなされないことになった現在、被控訴人が一切の代償措置を講ずることなく債務の弁済を求めることはこれまでの信頼関係を不当に破壊するものであって違法であると主張する。
     しかしながら、被控訴人が補助参加人らに対して埋立計画中止による損害を既に賠償していることは前記のとおりであるから、信頼関係を不当に破壊するような事情は認められない。なお、本件貸付事業によって、補助参加人らは本件貸付事業当時の最大の懸案であった多額の利息発生を免れており、控訴人も本件貸付事業により補助参加人らに交付せれた資金を原資に補助参加人らから回収困難であった貸金返済を受けていたのであって、一定の利益を受けていたことは明らかである。





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