自分のクビを絞めるのと同じ
〜船橋の漁師・大野一敏さん〜
公共事業と環境を考える会
「漁業のためにも登録すべきだ」 |
(2003年)12月28日の「三番瀬フェスタ」実行委員会の緊急会合で、船橋市漁協の漁師がラムサール条約登録に賛成する理由について、次のような意見がだされました。発言したのは、バリバリの漁師である大野一敏さんです。
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「ラムサール条約登録は、生物多様性の確保・拡大にもつながる。これは、漁業の対象である生物相にも良好な影響が期待される。だから、漁業のためにも登録すべきだ」
「船橋市漁協の組合員は、埋め立て計画にあわせて漁業権を全面放棄し、1年更新の短期免許で漁をつづけている。もし、第二湾岸道路のような開発が進めば、無条件で漁ができなくなる可能性がでてくる。反対に、ラムサール条約に登録されれば、三番瀬がずっと保全される。そのことは同時に、漁をずっとつづけられるということでもある。したがって、ラムサール条約登録に反対するのは自分のクビを絞めるのと同じだ」
三番瀬を保護したほうがトクなのに… |
この発言を聞き、ジャーナリストの本多勝一氏が述べた次の言葉を思いだしました。
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《自然保護問題が起きるとき必ず起きる図式は、都会の自然保護勢力に対する地元の「われわれの生活をどうしてくれる」といういわば“生活保護主義”です。地元を困らせた政治こそまさに戦後の農政なのに、「困らせた政治」にホコ先を向けず、「困らせた政治」をますます助けるあわれな「地元」。それに「生活」のためにはむしろ大原生林を保護する方がトクなのですが、そのことに気付かせられずボス政治家にだまされてゆくあわれな「地元」。にもかかわらず、現実にはこの“生活保護主義”によって地元で自然保護の行動を起こすことは至難のわざであり、村八分的復讐の恐れをいつもともないます」(『貧困なる精神』A集、朝日新聞社)
(2003年12月)
★関連ページ(ラムサール登録)
- 「埋め立てる場合に環境大臣の許可が必要になる」〜三番瀬ラムサール条約登録で県がホンネ答弁(2009/6/29)
- 三番瀬をラムサール条約登録湿地に〜千葉県弁護士会が声明(2010/9/17)
- 登録に向けたスケジュールを確認〜三番瀬「ラムサール条約」WG(2010/9/10)
- 「全体登録は反対、船橋側の部分登録は賛成」〜三番瀬ラムサール登録で8団体が市川市と話し合い(2010/8/31)
- 三番瀬ラムサール登録実現で申し入れ〜8団体が県知事に(2010/8/23)
- 三番瀬保全で環境相に要望〜8団体と湿地ネットワーク(2009/7/9)
- 森田知事らが「地元合意が必要」を繰り返す〜6月県議会における三番瀬ラムサール登録問題の答弁(2009/6/19)
- 「反対者はいないが、今後も合意形成に努力」〜三番瀬ラムサール登録で県自然保護課長(2009/6/12)
- 三番瀬交付金停止を受け、ラムサール登録促進要求〜自然保護4団体が県に(2008/7/23)
- 環境省が三番瀬交付金をストップ〜ラムサール登録手続きをさぼる県にしびれを切らす(2008/7/22)
- 三番瀬のラムサール条約「登録困難」〜県議会で堂本知事が答弁(2008/7/1)
- 三番瀬のラムサール登録見送りを堂本知事が表明(2008/1/29)
- 三番瀬のラムサール登録に関する質問・要請書〜8団体が県知事と再生会議委員に(2008/1/17)
- 三番瀬のラムサール登録を拒んでいるのは県だ!〜第23回三番瀬再生会議(2007/12/27)
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