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「里海」という言葉
〜そもそもの認識に誤り〜
中山敏則
干潟などを「里海」を呼ぶ人が増えているようです。Nさん(生態学)もそのひとりです。あるイベントでNさんは、三番瀬などの干潟は「里海」と呼ぶべきであると強調しました。「里海は里山の海版」というとらえ方です。 ■田久保晴孝さんが「里海」に異議 これにたいし、田久保晴孝さん(三番瀬を守る会会長)が次のように異論を述べました。
■干潟の人工改変を正当化 一般的にいえば、「里山」は、都市と自然の間にあって、人が利用してきた、あるいは人が利用している森林をいいます。手つかずの自然を人が利用しやすい形に変えていった森林が「里山」です。 一方、干潟は、人の利用とは直接、関係がありません。田久保さんが言うように、人が利用しなくても干潟は存在するのです。 じつは、「里海」という言葉は、自然の干潟を人工的に改変したい人がよく用いています。たとえば、堂本暁子前千葉県知事がそうでした。 堂本知事は三番瀬について、「まったく手をつけないのはよくない」ということを盛んに述べていました。そして、「里海の再生が必要」として「三番瀬再生事業」をはじめたのです。 その目的は、三番瀬の猫実川河口域に土砂を入れて人工干潟をつくることでした。また、本当の目的は、人工干潟の造成工事をする際に、その下に第二東京湾岸道路を沈埋(ちんまい)方式で通すことでした〈注〉。
つまり、堂本知事が言っていた「里海の再生」は、人工改変(人工干潟化=新たな埋め立て)や第二湾岸道路建設をカムフラージュするための言葉だったのです。 こういう事実もあるので、「里海」という言葉を使うことは不適切です。 ■そもそもその認識が間違いである この点は、たとえば堀正和氏(水産庁瀬戸内海区水産研究所)も次のように述べておられるとのことです。
(2010年4月) ★関連ページ このページの頭に戻ります 「主張・報告」のページにもどります 特集「人工干潟造成論」のページにもどります |
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千葉の干潟を守る会 |