三番瀬人工干潟検討を県議会で追及

〜ふじしろ政夫県議〜




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 千葉の干潟を守る会、三番瀬を守る会、三番瀬を守る署名ネットワーク、千葉県自然保護連合など9団体で構成する「三番瀬を守る連絡会」は(2014年)10月3日、三番瀬「干潟的環境形成検討事業」(人工干潟造成検討事業)について県と交渉しました。交渉は県議会議員の勉強会を兼ねたため、4人の県議が同席してくれました。
 さっそく、ふじしろ政夫議員(市民ネット・社民・無所属)が10月7日の環境生活警察常任委員会でこの問題をとりあげてくれました。
 以下は委員会でのやりとりです。




県議会常任委員会の質疑応答




環境生活警察常任委員会の質疑応答


以前の実験で失敗したのになぜ?

◇ふじしろ政夫委員
     県は、市川市塩浜2丁目の階段護岸の前で人工干潟の実験を進めている。規模は横100m縦50mである。「机上の実験」と言いながら、「干潟的環境形成」(人工干潟造成)の検討事業を進めている。
     「干潟的環境」については、以前、マウンド状で実験し、「失敗でしたね」という結論が出ている。失敗だったものを、より具体的に100m×50mという規模で検討する。しかも、場所を塩浜2丁目の階段護岸前という形で具体的に設定する。さらに、(人工干潟が)できるかどうかを机上でやってみるという。論理的に失敗だったものをなぜ成功のように扱うのか。その論理展開を教えていただきたい。

◆入江信明環境政策課三番瀬担当課長
    (過去の)マウンド試験は、小さな27立方メートルの土砂を置き、砂の移動や生物の加入状況などを実験したものである。今回は、そういう過去のいろいろなデータを使いながら、階段式護岸の前面において100m×50mの規模の人工干潟を造成した場合にどのような安定性が確保されるか、ということを検証しようと考えている。あくまでも机上での検討になる。


既存の人工干潟「養貝場」でなぜ検討しないのか

◇ふじしろ委員
     机上で人工干潟をつくるという。だが、もうすでに「養貝場」という人工干潟がつくられている。場所は市川市塩浜1丁目の地先だ。その人工干潟で検討すればいいと思うが、それではいけないのか。

◆入江三番瀬担当課長
     養貝場は漁業協同組合が造成したものであり、漁業区域内の施設となっている。今回(人工干潟を)つくろうとしているのは、塩浜2丁目で整備した階段護岸の前面である。ここで新たな干潟を造成することにより、三番瀬の多様化であるとか、人と三番瀬とふれあう場所をつくるとか、そういった目的のために検討している。


人工干潟の成功例はないが…

◇ふじしろ委員
     県はそう言うが、市川市は1100mの全面を使って海浜公園をつくりたいと言っている。人工干潟の検証がそういうまちづくりの延長上にあるということは、誰が考えてもわかると思う。ところが、県の答弁は、そうではなくて単なる100m×50mの検証ということだけを言う。もともと失敗したものを、またまた階段の先にわざわざつくる意味がよくわからない。それをつくって本当に良くなるのか。人工干潟の成功例はないと思うが。

◆入江三番瀬担当課長
     干潟をつくることが三番瀬の環境にとっていいことであろうということは、基本計画の中でも議論されてきたところである。今回できる干潟がそうした目的にかなうのか、基本計画との整合性が図れるかどうか。そういうことを慎重に検討したうえで、その後について考えていきたいと考えている。


人工干潟はやめてラムサール条約登録をすべき

◇ふじしろ委員
     人工干潟は今ある海(三番瀬)を埋めるのではなくて、すでに埋め立てたところを削ってつくればいい。そういう話が出ている中でわざわざ埋めることは大きな禍根を残す。したがって、そういう問題の設定の仕方は是非やめてほしい。

     次にラムサール条約登録についてだが、(三番瀬のラムサール条約登録を)県はなかなか実行しようとしていない。
     先般、オリンピックのIOCが、東京オリンピックのウォーターフロント施設を整備するときに海上での環境破壊は許されないと言った。そういうことを考えると、三番瀬の保全を全面に出して、三番瀬のよさを世界にアピールする。言ってみれば、皆さんがこれまでずっとやってきた延長として、千葉県のよさとして三番瀬をラムサール条約に登録し、今ある干潟を完全に守っていくことが必要だと思う。この点についてはいかがか。

◆入江三番瀬担当課長
     今回の干潟の検討は、あくまでも三番瀬の再生に寄与する、三番瀬の自然環境を良くする、ということを目的におこなっている。
     ラムサール条約登録についても、第3次(三番瀬再生)事業計画の中で進めている。

◇ふじしろ委員
     良くなるかよくならないかの前提も検討すると理解している。





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