“生きている干潟”を実感

〜08年7月三番瀬市民調査で生物54種を確認〜



トップページにもどります
「ニュース」のページにもどります
特集「市民調査」のページにもどります



 三番瀬市民調査の会は(2008年)7月5日、定例の市民調査を行いました。今回の調査項目は、生き物、酸化還元電位、堆積の3つです。


◆今回の特徴

 生き物調査では、次の点が特徴でした。
  • アカニシをいくつも発見しました。産卵期だからではないかと思われます。

  • いつもよりアオサが多いような感じでした。干潟一面をアオサが覆っているというほどではありませんでしたが、最近の調査ではいちばん多かったような感じです。
     アオサの下にはハゼの稚魚ががたくさん隠れていました。イシガニもたくさんいました。
     一方、カキ礁ではアオサがまったく見られませんでした。

  • オキシジミも多く確認しました。干潟をスコップで掘ると必ずといってよいほオキシジミが含まれていました。
     オキシジミは、千葉県レッドデータブックの「Cランク」(要保護生物)に指定されています。

  • イボニシも数多く確認しました。


◆54種の生物を確認

 今回確認した生き物は次の54種です。このうち、今回初めて確認したのは、ソトオリガイ(二枚貝)、ミル(海藻)、ビロードキンクロ(鳥)です。
 ソトオリガイは、千葉県レッドデータブックの「Cランク」(要保護生物)、ビロードキンクロは「Dランク」(一般保護生物)に指定されています。


◎カイメンの仲間
 ナミイソカイメン
◎クラゲの仲間
 ミズクラゲ
◎イソギンチャクの仲間
 クロガネイソギンチャク、タテジマイソギンチャク
◎ゴカイの仲間
 イトゴカイの一種、カンザシゴカイ、ゴカイの一種、
 タマシキゴカイ、ミズヒキゴカイ
◎二枚貝の仲間
 アサリ、ウネナシトマヤガイ、オキシジミ、サルボウガイ、
 シオフキガイ、ソトオリガイ、ホンビノスガイ、マガキ、
 ムラサキイガイ
◎巻き貝の仲間
 アカニシ、アラムシロガイ、イボニシ、タマキビ
◎ヒザラガイの仲間
 ヒメケハダヒザラガイ
◎カニの仲間
 イシガニ、タカノケフサイソガニ、ヒライソガニ、
 マメコブシガニ、ヤマトオサガニ
◎フジツボの仲間
 シロスジフジツボ、ヨーロッパフジツボ
◎アナジャコの仲間
 アナジャコ、ニホンスナモグリ
◎ワレカラの仲間
 ワレカラの一種
◎エビの仲間
 ユビナガスジエビ、ヨコエビの一種
◎ヤドカリの仲間
 ユビナガホンヤドカリ
◎ホヤの仲間
 シロボヤ
◎魚
 クサフグ、チチブ、ハゼの一種、ボラ、マハゼ、
◎海草・海藻
 アオサの一種、オゴノリ、ミル
◎鳥
 ウミネコ、オオセグロカモメ、カワウ、カルガモ、コアジサシ、
 スズガモ、ハクセキレイ、ハシボソガラス、ビロードキンクロ










市川塩浜2、3丁目地先の猫実川河口域に、広大な泥質干潟が現れた





アナジャコの巣穴がたくさん見える





アナジャコ。泥質の干潟に生息する大型の底生動物で、Yの字型の巣穴を掘り、そこに生息する。巣穴の深さは3mにおよぶものもある。
アナジャコは、扇状をした腹肢(ふくし)で水をかき、U字孔に海水を循環させている。冠水時は、ほとんど休みなくこの濾過行動にいそしむため、その濾過量は非常に大きいといわれている。
アナジャコが高密度で生息する猫実川河口域の水質浄化能力は非常に高い。





アナジャコの巣穴。指で触れると、水道管のような感じがする





潮だまりでは、ハゼの稚魚がたくさん泳ぎ回っていた





酸化還元電位の調査





今回はアカニシを数多く発見した





タテジマイソギンチャクがびっしり張り付いた棒。下の方ではアカニシが産卵中





ミズクラゲ





オキシジミ。千葉県レッドデータブックの「Cランク」(要保護生物)に指定されている。





マメコブシガニ。千葉県レッドデータブックの「Dランク」(一般保護生物)に指定されている。





ソトオリガイ。千葉県レッドデータブックの「Cランク」(要保護生物)に指定されている。





ミル





天然のカキ礁






★県による調査結果

★関連ページ

このページの頭に戻ります
「ニュース」のページに戻ります
特集「市民調査」のページにもどります

トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 | 資 料 |
会報 | 干潟を守る会 | 自然保護連合 | リンク集 |