ギマ、エドハゼ、ウミウシ、スズキも…

〜三番瀬・猫実川河口域の市民調査(2011年7月)〜



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 三番瀬市民調査の会は(2011年)7月2日、三番瀬・猫実川(ねこざねがわ)河口域の市民調査をおこないました。
 この海域は、三番瀬の中で最も生物相が豊かです。しかし、千葉県と市川市は、この海域の人工改変(人工砂浜化)をめざしています。そのため、この海域のありのままの姿をつかもうと、2003年から調査を続けています。


◆53種類を確認

 この日の干潮の潮位表潮高(予測値)はプラス9cmです。カキ礁の北側で干潟が干出しました。
 改めて確認したのは、猫実川河口域の生物相の豊かさです。魚、カニ、ゴカイ、イソギンチャク、カイメン、エビ、アナジャコなど、さまざまな生き物を目で確認することができます。浅瀬では稚魚が泳ぎ回っていました。
 この日は、短時間の調査で52種類を確認しました。

◆ギマもいた

 珍しい生き物では、ギマという魚をつかまえました。市民調査では初めての確認です。
 ギマの姿はたいへんユニークです。カワハギに似ており、頭にトゲがあります。食用となる魚です。
  「ギマ」の名前の由来は、その姿が馬の姿に似ていて銀色をしていることから、「銀馬(ぎま)」と名前がついたとか。また、皮が麻のようにザラザラとした触り心地であるために「擬麻(ぎま)」の名がついた、さらには、馬面であり、大きく硬い腹鰭(はらびれ)の棘(とげ)で立つ様から「擬馬(ギマ)」となった、とする説もあるそうです。
 この魚がおもしろいのは、トレイの上で立ったままじっとしていることです。まるで、カメラを意識してポーズをとっているかのようです。こんな魚ははじめてみました。


◆ほかの特徴

 ほかの特徴は次のとおりです。
  • クロシタナシウミウシを2匹みつけました。ウミウシを確認したのは、2005年6月以来です。

  • 腹部にフクロムシが寄生したアナジャコも2匹採取しました。

  • アナジャコの巣穴数調査では、1平方メートルで177〜317の巣穴を確認です。5月18日の調査は20〜103でしたから大幅な増加です。今年3月11日の大震災でアナジャコの巣穴数が激減しましたが、そのあと確実に増えつつあることが目でも確認できました。

  • 絶滅危惧種のエドハゼもいました。













ギマ




ギマ。トレイの上で置物のように立ったままじっとしている



クロシタナシウミウシ



腹部にフクロムシが寄生したアナジャコ



アナジャコ。腹部にフクロムシが寄生している




絶滅危惧種のエドハゼ=小林恵子さん撮影




エドハゼ=小林恵子さん撮影




エドハゼ=小林恵子さん撮影




セイゴ。スズキの1歳魚と2歳魚で全長30cm程度まではセイゴと呼ばれている。



イシワケイソギンチャク



タテジマイソギンチャク



チチブ



ユビナガスジエビ




マテガイ。干潟の上に置いたら、すばやくもぐってしまった。



ホンビノスガイ



イシガニ



カキ礁の周りで調査



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