アナジャコを1回目でゲット
〜2014年最初の三番瀬市民調査〜
「三番瀬市民調査の会」は4月29日、三番瀬・猫実川(ねこざねがわ)河口域で2014年最初の調査をおこないました。初参加者は、瀬戸内さん親子(お母さんと小学生の彩乃ちゃん)など3人です。大学生も、菜美さんとM君(法大生)の2人が参加です。
◆カキ礁マスコット「オマールちゃん」も久しぶりに参加
『サンデー毎日』2005年7月24日号が、「危機迫る “江戸前”自然のワンダーランド」と題し、グラビアページで猫実川河口域と市民調査をとりあげました。写真撮影は内林克行さん、文は永尾俊彦さん(ルポライター)です。この記事は、発売直後の7月17日に放送されたTBSテレビ「噂の東京マガジン」でとりあげられ、「今週の中吊り大賞」に選ばれました。
そのグラビアページには、菜美さんがひとりで大きく写った写真も掲載されています。「小さな生き物を見つけてはしゃぐ小学5年生の女の子 大人でもワクワクする」の説明がついています。
菜美さんは、2007年4月8日開催の「日米カキ礁シンポジウム」でも、カキ礁マスコット「オマールちゃん」に扮してくれました。
その菜美さんが久しぶりに参加です。いまは大学2年生です。
◆アナジャコを1回目でゲット
天候は曇りでした。暑くもなく寒くもなく、絶好の調査日和でした。
干潮の潮位(予測値)は午前10時58分にプラス8cmです。昨年3月30日の調査のさいは、同じプラス8cmの予測値で、干潟は干出しませんでした。ですから、今回も干潟は干出しないとあきらめていました。ところが、干潮に近い時刻になったら、約5000m2のカキ礁の北西部で干潟が現れました。予想外です。
さっそく、伊藤昌尚代表がアナジャコの筆釣りに挑戦です。筆釣りは、巣穴に入ってきたものを追い出すというアナジャコの習性を利用して釣り上げる方法です。
巣穴に筆をさしこんでしばらくしたら、筆がピクピクと動き出しました。アナジャコが巣穴の下から筆を押し出したとき、タイミングよく捕まえました。大きなアナジャコです。1回目でゲットでした。
◆穴ぼこ、ワレカラ、アナジャコ…
この日の特徴は、干潟の表面をぬるぬるの泥が覆っていたことと、あちこちに穴ぼこがあったことです。
生き物では、オゴノリにたくさんのワレカラが棲みついていました。網ですくったオゴノリをよくみると、数多くのワレカラが動いています。オゴノリと同じ色や形をしていますので、じっくりみないとわかりません。
小学生の彩乃(あやの)ちゃんは、ハゼ類やアナジャコ、カニ類など、めずらしい生き物をみたり、手に触れたりすることができて、大喜びでした。
調査終了後の報告会では、こんな感想が寄せられました。
-
「アナジャコをみることができてよかった。アナジャコを手のひらに乗せたら、ハサミではさまれた」(瀬戸内さん)
「イソギンチャクをみたり、穴ぼこに足がはまったりしたのが楽しかった」(彩乃ちゃん)
「何年も前に来たときはアオサがたくさんあった。ところが、きょうはアオサがほとんどなかった。その違いが印象深かった」(菜美さん)
「昨年5月に参加したときはアナジャコをみることができなかったが、今回はみることができてよかった」(大学生のM君)
◆53種の生き物を確認
午後から風が強まるという予報だったので、いつもより早めに調査をきりあげました。確認した生き物は53種類です。
カキ礁の周りで透視度、塩分、生き物などを調査
干出した干潟で生き物を調査
棒網で魚をすくう初参加者の瀬戸内さん。中央は彩乃ちゃん
イシガニ
★関連ページ
- 猫実川河口域の貴重さを実感〜三番瀬市民調査(2014/5/17)
- マダラウミウシも発見〜猫実川河口域の市民調査(2013/7/22)
- 希少種の多さにびっくり〜猫実川河口域の市民調査(2013/6/23)
- 生き物たくさん 貴重さ実感〜猫実川河口域の市民調査(2013/5/26)
- すっかり回復したカキ礁〜猫実川河口域の市民調査(2012/7/4)
- “生き物の宝庫”を実感〜猫実川河口域の市民調査(2012/6/4)
- ボラがボートに飛び込んできた〜猫実川河口域の市民調査(2012/5/8)
- ツバサゴカイを100個体確認〜猫実川河口域の市民調査(2012/4/8)
- 60種の生き物を確認〜猫実川河口域の市民調査(2011/8/1)
- ギマ、エドハゼ、ウミウシ、スズキも…〜三番瀬・猫実川河口域の市民調査(2011/7/2)
- 広大な干潟が現れた〜大震災後、初の三番瀬市民調査
- 大地震で三番瀬が海底変動<〜猫実川河口域を観察(2011/4/20)
- 2時間で36種の生き物を確認<〜市民調査(2010/8/9)
- “命あふれる泥干潟”を実感〜市民調査(2010/5/15)
- 45種の生物を確認〜市民調査(2010/3/19)
- 三番瀬・猫実川河口域は“命はぐくむ海のゆりかご”〜2008年市民調査報告会(2008/12/6)
- “生きている干潟”を実感〜市民調査で生物54種を確認(2008/7/5)
- 50種の生物を確認〜市民調査(2008/6/7)
- 希少種も次々確認〜三番瀬猫実川河口干潟見学会(2008/6/5)
- 船橋側のカキ礁を調査〜猫実川河口域のカキ礁と様相が違う(2007/3/24)
- 三番瀬・猫実川河口域の豊かな生態系をデータで示す〜市民調査報告会(2008/2/9)
- 三番瀬の生物多様性を支える猫実川河口域の泥質干潟〜市民調査報告(2007/12/8)
- カキ礁の多様な機能などを学ぶ〜日米カキ礁シンポジウム(2007/4/8)
- アメフラシの多さにびっくり〜市民調査(2007/3/21)
- “生命が息づく浅海域”を実感〜市民調査(2006/9/9)
- 68種類の動植物を確認〜三番瀬・猫実川河口域の市民調査(2006/7/9)
- 世界に誇れる三番瀬のカキ礁を守ろう〜米国・チェサピーク湾からの報告(2006/7/8)
- 猫実川河口域は生き物でにぎやか〜市民調査(2006/3/4)
- たくさんの生き物に接し、子どもたちは大喜び〜カキ礁親子観察会(2005/8/20)
- 絶滅危ぐ種のカシラサギなどを確認〜市民調査とクリーン作戦(2005/7/23)
- 猫実川河口域は生物相がたいへん豊か〜市民調査(2005/6/25)
- カキの自然史とカキ礁の豊かな生態系を学ぶ〜三番瀬のカキ礁講演会(2005/6/18)
- 猫実川河口域で多種多様な生き物を確認〜三番瀬市民調査(2005/5/8)
- 三番瀬のカキ礁は貴重な“生物共同体”〜三番瀬市民調査(2005/4/10)
- 三番瀬・猫実川河口域は“豊かな海”〜三番瀬市民調査の会が報告会(2004/11/28)
- 三番瀬・猫実川河口域の豊かな自然に驚き〜観察会と市民調査(2004/7/3)
- 三番瀬・猫実川河口域は生き物が豊富〜三番瀬市民調査(2004/5/8)
- 広大な干潟が現れ、たくさんの生き物を発見〜三番瀬市民調査(2003/7/13)
- 猫実川河口域は立派な砂泥質〜三番瀬市民調査(2003/6/14)
- 猫実川河口域の浄化能力は高い〜三番瀬市民調査(2003/5/17)
- 生物相は豊かで、水もきれい〜市民が2回目の三番瀬(猫実川河口域)調査(2002/4/28)
- 「三番瀬・猫実川河口域は死んでない」〜市民による三番瀬調査(2002/3/2)
- 猫実川河口域の豊かな自然を観察(2001/6/24)
このページの頭に戻ります
「ニュース」のページに戻ります
「市民調査」のページにもどります
トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 | 資 料 |
会報 | 干潟を守る会 | 房総の自然と環境 | リンク集 |