コアジサシのホバリングに感動
2021年5月の三番瀬市民調査
三番瀬市民調査の会は2021年最初の調査を5月30日におこなった。調査の対象は三番瀬の浦安寄りに位置する猫実川河口域である。この海域が第二東京湾岸道路の予定ルートとなっているため、2003年から調査をつづけている。猫実川河口域の自然の豊かさを証明し、アピールすることが目的である。法大生も7人参加した。これまで三番瀬市民調査に参加した法大生は実数で98人におよぶ。
アナジャコの巣穴が増加
この日の特徴は次のとおりである。
- 大きなカキ礁の西側でコアジサシの雄がホバリングをくり返した。それをすぐ近くで見ることができた。コアジサシは、海面から数メートルの高さでホバリングしながら水中の小魚にねらいを定める。そして、頭から一気に急降下してダイビングし、小魚を捕まえる。圧巻だった。近くの小さなカキ礁に雌がいる。捕まえた魚を雌に与える。それを何回もくり返した。
法大生は感激である。「コアジサシのだんなさんは奥さんに献身的だ」。女性からそんな声もだされた。
- 約5000uの大きなカキ礁は、昨年の密漁によって8割ぐらいがカキを採られたままである。
- 大きなカキ礁の西側の泥干潟はアナジャコの巣穴が昨年よりかなり増えている。底質の泥化(細粒化)も進んでいるようだ。ぬかるんでいる。
- 大きなカキ礁の北側で法大生がアカニシをいくつか見つけた。つがいもいる。法大生はアカニシのつがいにも感動した。
- この日確認した生き物は38種類である。二枚貝はウネナシトマヤガイ、オキシジミ、コウロエンカワヒバリガイ、サビシラトリ、サルボウ、ホンビノスガイ、シズクガイ。巻き貝はアカニシ、アラムシロガイ、イボニシ、タマキビ。カニはイシガニとタカノケフサイソガニ。魚はミミズハゼ、ギンポ、ボラなどだ。
「貴重な経験ができて楽しかった」
法大生は7人とも初参加である。こんな感想を寄せてくれた。
-
「新鮮な経験ができて、たいへん勉強になった」
「カキの密漁にはびっくりした。この問題をゼミでとりあげてもいいと思う」
「ふだんは見ることのできない生物をたくさん見ることができて楽しかった」
「いろいろな生物を直接触れることができた。貴重な体験となった」
「アカニシのつがいを手でさわることができた。コアジサシのホバリングも間近で見ることができた。貴重な体験となった」
「東京湾ではここにしかいないという珍しい生き物もいた。いろいろな生き物を写真に撮ったので、ゼミの中で共有したい」
みんなの目の前でホバリングをくり返すコアジサシ。
コアジサシは千葉県レッドデータブックで最重要保護生物に指定されている
この日の参加者
塩分調査
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